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女らしく
【コメディ 恋愛小説】

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女らしく【17】『霊剣と妖刀とすれ違い』-4

「左様、その陽の宵闇の力で陰の禍暁を弱め、そこを陰陽師が封じたそうです。
そして後の世に再び禍暁が解き放たれた時に備え、古き鬼の一族へと宵闇は受け継がれていったのです…」

大筋の流れは見えた…

「では、我輩達は何をしたらいいんデスカ?」
「禍暁の再封印もしくは、完全破壊…」

その言葉の意味するところは…つまり…

「…不甲斐ない話ですが、先日盗みに入られ、禍暁も一緒に…
…情報によるとこの街に止どまって居る様なのです…
禍暁への唯一の対抗手段である宵闇もこの街にあると聞き、ご助力を賜りに来たのです…」

これが…今回の試験…
本当にオレ達で大丈夫なのか…

「何卒、我が先祖の罪を裁いていただきたい!」

赤金さんは額を目の前の机に擦りつけるかの如く、頭を下げた。

「話は聞いた通りよ。表沙汰にはなってないけど、被害も数件起こってる。だから、今回は君達、学園の精鋭をこの人数で集めたの。学園も可能な限りバックアップするから、この依頼…是非達成してもらいたいの!よろしく頼むわね!」

今の話を聞き、此所にいる全員が気を引き締めた。

オレも気持ちを切り換えないと…

頭では理解しようとしている…

けど…オレの心は…大和のことで張り裂けそうだった…

【期末試験実技、開始】

三日が経った。特に動きはない。
相手も昼間には動かないと踏んで、夜の街を巡回することになっている。

「晴樹、動きはあるか…?」

砂音に似た雑音が流れ、耳に取り付けた小型トランシーバーからの返答を待つ。

『…動きなし…引き続き警戒よろしく』
「…了解」

街全体には大掛かりな結界が施されている。

町外れにある、公園、工事現場、川、工場、廃倉庫を晴樹が呪法で五行──つまり、星型に結び、防御と相手の侵入を感知しようとしている。

少し先には大和が刀を携え、晴樹からの指示を待っている。

「………」

何か話しかけようとするが、何も切り出せない…

「…マコト…」
「な、何だ!」

暗闇の先を見つめながら、オレに背を向けて声をかけてくれた。


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