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月灯り
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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同時挿入-1

 男のそれが妻を貫いた。見ていても、それは窮屈そうだった。しかし、一度入ってしまうと、妻にはそれほどの苦痛はないのではないか、と、私には、そう見えた。むしろ、その部分は柔らかく男を迎え入れたように思えたのだ。
「そのまま、妻を抱えたまま、後ろに倒れなさい。抜いてはいけないよ」
 ベッドの縁に男の尻があり、その上に妻の尻が乗り、拡げた男の両太股の上に細く白い妻の両足が乗せられる格好になったので、妻の足は嫌らしいまでに開いてしまっていた。
 私はその間に入り、少し無理な姿勢ではあるが、自分の小さなそれを結合している二人のその部分に当てがった。そして、濡れた自分の先端を妻の敏感な部分で擦った。妻からは、途切れ途切れの声が漏れ続けていた。
「絶対に抜いてはいけないよ」
 もう一度、男に言った。男にはそれが何を意味するのかは分からなかったようだが、妻には分かったようだった。
「アナタ、いくらなんでも、それは無理ですから、私の、私のが小さいことは知っているでしょ。この人のそれだけでも、もう、ギリギリなんですから」
「君はM女じゃないのかな。M女というものは、Sのしたいことをさせるものだろう。それに、Sというものは、自分のしたいことは、どんなにM女が、許して、と言っても強引にするものだろう。そうじゃないのかな」
 これも芝居がかった台詞だが、その時の私たち三人には効果的な言葉となり、三人三様に興奮させられているのだと、私には思えた。何よりも私自身が自分の台詞に酔っていた。
 男のそれの上に自分のそれを置いた。さすがに、そこにはもう何かが入るというスペースな無さそうに思えた。それでも、私は強引にそこに押し入ろうとした。妻は苦痛の声を漏らした。快楽のそれとは違う、明らかに苦痛の声だった。
 強引なインサートが無理だと感じた私は、再びしゃがみ込み、男のそれの周辺を舐めた。同時に、妻のその部分の外側にも舌を這わせた。そうしながら、男には、ゆっくりと腰を使わせた。
 そうしておいて、再び、私は、そこに自分のそれを当てがった。今度は、唾液の力があったからだろうか、それがほんの少し緩んだように感じた。私のそれが小さいからだろうが、その先端が妻の中に、めり込んで行くのが分かった。
「あっ」
 声を上げたのは男だった。男はその体験に興奮が頂点に達しそうなのだ。中で果てるのはいい、しかし、それは私が完全に入ってからだ、と、そう思い、私は焦った。
「痛い」
 次に声を上げたのは妻だった。
「うっ」
 そして、私が声を上げてしまった。完全に挿入した、その瞬間に果てたのは、男ではなく、私だったのだ。


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