優依の父親とのパソコン談話-1
部屋につくと
おさむはパソコンの前に座る
優花を膝の上に載せながら優依達の父親は
画面が見える場所にすわる
そして優依と幸子はそれぞれ
おさむの斜めうしろに座っていく
「あらためまして…優依がお世話になってます」
優依達の父親は口を開くと
おさむはメモ帳を開いてタイピング
「いえいえ お世話になってるのは…むしろ…うちの方だから」
そう書いていくのをみて
「おさむくん!」
思わず優依が口を開く
「そうなんですね でも、パソコンの件とかはありがたいと思いました
あと 今こうやって画面見ていますが…メモ帳も
OS標準のではなくJ社のワープロソフトに付属しているものとか
相当…と感じました」
「パソコンは詳しい方なんでか?」
「はい そこそこは…なので優依に渡されたプリントをみたとき
内蔵GPU重視で選んでるなと感じました」
「あ わかりますか どうしても…
内蔵GPUはインテル使いたくなかったので あはは」
そんな父親とおさむの会話を見て
「二人ともパソコンのことで盛り上がるのね」
つい呟く優依だった
「あ 優依 すまんすまん」
「ううん わたしが知らないお父さんの一面とかみれてたのしいかも」
「わたしもそう…いつも一人きりで引きこもりだったから おじちゃん」
「そうなのか…さみしいね」
幸子の言葉にそう感じてしまう優依の父親
「それで…このパソコンは…メーカー機じゃないですよね?」
「うん パソコン専門店にパーツ単位で指定して作って貰った」
「やはり…そうすると…優依のプリントを見ると
AMD系で作ってると予想してしまうのですが」
「あ はい そうです」
と…答えるとメモ帳を閉じて
タスクマネージャーのCPUなどの使用率を表示させる
「すごい…」
そんな二人のやりとり見てて
「お父さん このパソコンってそんなにすごいの?」
「おじちゃんのパソコンって」
「あ そうだね 優依とゆきちゃんのは7735だったね」
「「うん」」
「CPUの世代的には優依達の方が新しいけど
このパソコンは12コア24スレッドのをいれてある」
「それって私たちより4つコア数おおいってこと?」
「そ GPUに関しては…数世代前のものになってるが これって?」
「あ うん ゲームもしないから…するとしてもソシャゲだし
3Dより2D画質を優先してAMD系に」
「なるほど 色々こだわってるんだね」
「趣味でしかしてないですが」
「でも、そんな趣味があったから娘達にも
役に立ったんではないですか?」
「そうなの?」
と…幸子と優依を見るおさむに
ふたりとも
「「パソコンがあったから初対面から会話できたでしょ?」」
そう答えてくる
優依達の言葉に
優依の父親も同意する
「喋れなくても…こうやって会話できるなら
それだけでも…パソコンの意味はあると思いますよ」
「うん ありがとうございます」
そんな言葉に感謝するおさむだった
話が一段落したあとで
おさむは思い出したように
優依の父親に尋ねる
「あの ゆいちゃんのパソコンだけどディスプレイ内蔵スピーカーですよね?」
「あ うん そうなってるね」
「ゆきちゃんもそうだったから音質に不満が出ると思って…」
「優依 そうなの?」
優依の父親が優依を見て確認する
「あ うん いまいちだなって…でも、今すぐどうするかと言われても
また今度でいいかなとか考えてしまう」
「遠慮しなくていいぞ スピーカーぐらい…」
「うん パソコントータルで12万だから…どうしても」
「優依…」
(優依 ほんとよく出来た娘だな まだ10歳なのに)
涙を浮かべる優依の父親
「わわわ…お父さん 泣かないで…」
「それだと…ゆきちゃんのほうはどうしたんです?」
「あ うん ゆきちゃんに聞いてみて音質に不満あるからって言われたから
その辺にあったUSBスピーカーをあげました」
それを聞いて
ちょっと拗ねる優依
「えー おさむくん わたしよりゆきちゃんなの?」
「え? ちょっと ゆいちゃん」
慌てて幸子も口を開く
「あは ごめんごめん」
娘の意外な姿に
優依の父親は新鮮な感じに見えた
「優依 帰りに電気屋寄って行く?」
「えっ? いいの?」
「スピーカーはそんなに高くないだろうし いいぞ」
「ありがと お父さん」
そんなやりとり見ていて
(ゆみちゃんの旦那さんいい人だな 幸せそうでよかった)
そう思うおさむだつた
「あ 電気屋いくならUSBハブも買ってあげたらどうです?」
「「ハブ?」」
「おじちゃん ハブって何?」
幸子の質問に
おさむじゃなく優依の父親の方が答えていく