異変-4
マザーが、
(きっと大丈夫よ、Vel。)
(性的経験が増えれば慣れて、あなた自身がコントロール出来る筈よ。)
(私のデータベースには、似たような経験をした他のアルファ人のデータからそれが証明されているわ。)
と勇気付ける。Velは、
(そのデータは心強いけど、これから先そんな経験を重ねる可能性は少ないと思う。)
と返す。マザーも、
(そうかもね、べガァとは違うから。)
と同意した。べガァはアルファと対立する存在だ。べガァは、アルファ程の科学の水準には程遠かったがアルファや他の知的生命体の科学技術を貪欲に吸収してこの銀河を支配すると言う原始的な野望を持っていた。
Velが担う惑星探査は、その星の調査と保護が主な任務だ。調査は学術的な物で森羅万象あらゆる物、あらゆる生命がその対象となる。保護はあくまで外的な要因から星を守る事だ、例えば異星人の侵攻でその前兆を速やかに察知し本星に報告する。
この銀河では、他星に侵攻するだけの科学技術の水準と意思を持つのはベガァだけだが。アルファは基本惑星内の出来事、戦争でも介入しないし災害、天変地異があっても干渉する事は無い。惑星探査の最も厳守すべきルールは、その存在を知られてならない事で有る。
過去に干渉した結果、それが引き金になり滅びた惑星や身の丈以上の科学技術を供与した結果破滅的な兵器の開発の挙句悲惨な戦争を引き起こした事が惑星内不干渉のルールを作る原因となったのだった。Velは、地球での任務が初めての単独の惑星探査である。
アルファが進化して見た目も人類で言うところの子供位の大きさで、目以外は鼻や口、耳は小さな穴程度に退化した。性器も例外で無くMタイプアルファ人が小さな突起、Fタイプアルファ人が小さな窪みなのに対してべガァ人は、ほぼ見た目は人類と変わらない。
VelはMタイプ、人間で言うと女性のアルファ人でアルファの基準では若年層に当たる。地球の年齢で100才を優に越えていたが。
アルファ人は遺伝子を操作して長寿と宇宙での活動目的の為超人的能力に特化して体を作ってきた。べガァ人は超人的能力以外は身体的特徴が退化しない様遺伝子技術を用いてきた様だ。
ベガァ人の寿命は人類よりは長寿だがアルファ人には遠く及ばないものの、性欲も貪欲で生殖行為を積極的に行い子孫を増やす事に積極的だ。
アルファ人が精子と卵子を取り出し子孫を何とか維持しているが、そのうち退化して精子も卵子も作り出せ無くなり滅ぶのではとの危機が叫ばれているのと大違いだ。マザーが急に、
〈正輝が近づいてくるわ。〉
と伝える。恵も正輝の存在をセンサーで感じて、
(どうしたのか?)
(まだ私の裸を見たいの?)
と疑問を呈する。恵は、既に身体を拭いて衣類を身につけている途中だ。正輝は先程、自分が居た場所で恵の方をチラチラ気にしながら見て何か作業していた。どうやら、ティッシュらしき物で壁を拭いている様だ。マザーが、
〈正輝は、先程自分が放出した精子を拭いているのよ。〉
〈掃除に戻ったんだわ。〉
と教えてくれた。恵は、
(精子を出した?)
とピンと来ない様だった。マザーは、
〈Mタイプの人類は性的に興奮すると精子を出すのよ。〉
〈先程のあなた、恵も膣の中から体液、愛液と呼ばれる物を出していた筈よ。〉
と説明する。恵は頷き、
(ええ、膣の中に指を入れて動かした時に確かに体液が出てくるのが分かった。)
と聞くとマザーは、
〈それが、Fタイプの性的興奮を現してるわ。〉
と教えてくれる。恵は、正輝がそそくさと掃除を終わらせ帰るのをチラッと確認して、
(でも、良かったのか?無意識の行動だとは言え性器を見せて。)
(正輝には刺激が強いのでは。)
(正輝に悪い影響が出ないと良いけど、極端な行為とか。)
と懸念する。マザーは、
〈いざとなれば、強制的に正輝の行動を制御出来るわ。〉
〈それはしたく無いけど。〉
と指摘する。恵は頷き、
(そうね、それは最後の手段だ。)
(暫くは見守る以外無い。)
と返す。正輝の頭のチップはいざとなれば、正輝の行動を如何様にも制御する機能も備えていた。それは、普通囚人や捕虜に行うもので仲間にする事では無いと恵は思った。恵の身体を借りているので生物学的には正輝の母親に違い無いのだが、今では正輝を自分の息子同然に思っていたVelには強制的に制御すると言う選択肢は事実上無かった。
正輝は自分の部屋に戻ると、精子を拭き取ったテッシュペーパーをビニールの袋に入れて先を結びゴミ箱に捨てた。まだ興奮が治らない、出したばかりなのに性器は再びビンビンに勃起していた。正輝はベッドに仰向けに寝て瞼を閉じた。母親の性器が鮮明に思い出された。
剛毛が生い茂る股間が拡げられ現れた真っ赤な女性器、クリトリスがピンと立ち膣が卑猥に動いていた。そこに指が入れられ何度か出し入れされる。シャワーの水じゃ無い液体が膣から掻き出されていた。それを見て堪らず、正輝は果てたのだ。
(母さん、声を出してオナニーしてた…)
(欲求不満なのか…)
と思い巡らしていると、いつの間にズボンとパンツを脱いでいて、正輝のコックは天井に向けてそそり立っていた。尿道から大量のカウパー液が漏れ出している。正輝は、今一度母親の裸体、乳首の立った大き過ぎる二つの乳房と拡げられた女性自身を頭に浮かべ、激しく右手で自分の性器擦っていく。
自分が母親の乳房を揉みしだき、母親の性器を舐めしゃぶり、膣に自分の指を突っ込んで出し入れするのを想像すると声を上げ精液を天井近くまで飛ばし果てた。今までのオナニーで一番気持ち良かった。