青年の蕾-1
妻が、私の口の中に青年のそれを放出させようとしている、と、その私の考えは間違っていた。妻は青年の大きなそれを持つと、それを棍棒の代わりにして、私の頬をそれで打ったのだ。痛くはない。右頬、左頬、鼻や口も打たれたが、どの部分を打たれようと痛くはない。ただ、私のそれが小さいだけに、何だか、いたたまれないほど屈辱的ではあった。しかし、数度、それを妻が繰り返すと、今度は、妻は手を放しているというのに、青年自身が自分のそれで私の顔を打ちはじめたのだ。
「こんな若いボクに、こんなことされて惨めじゃないんですか。ああそうだ。やっぱり奥さんの言う通り、マゾなんだ」
「そうよ。マゾなのよ。だから、マゾなら、こっちも舐めるのよ」
「いえ、それはさすがに」
演技に入ろうとしていただろう青年が急に素の自分に戻ったようだった。それはそうなのだ。妻は青年の身体を反転させ、よりにもよって、青年のお尻の蕾を私に舐めさせようとしていたのだから。さすがに、私にしても、妻のそこの蕾なら舐められるが、男のお尻の蕾までは舐められそうにない。男も女も、そこは同じだと思うのだが、やはり、その抵抗感は全く別のものだった。もっとも、そこを舐めさせる青年だって、それは辛いはずだ。何しろ、彼にしてもホモでもないし、Sでもないのだろうから。
「舐めるわよね」
妻に言われ、私は青年の細身にしては逞しい太股に、優しく両手を添えて、青年の膝を優しく折らせた。三人はベッドに崩れ落ちるようにして重なった。一番下になったのは仰向けの妻、その上にうつ伏せの青年、そして、その青年のお尻に顔を埋める私。そして、その体勢のまま、青年のそれは、まったく違和感なく、自然と妻のそこに挿入されて行った。私はそれを自分の目で確認した後、綺麗に剃毛されている青年のお尻の蕾に舌を伸ばした。悲惨な妄想をして舌を伸ばしたのだが、そこは当たり前と言えば当たり前なのだが、石鹸の味でしかなかった。