妻の企み-1
月灯り、その7
「も、もう、ダメです。口の中に、その」
青年の我慢が限界に達していたようだった。実際、私の口の中でそれは、さらに大きさを増しているように感じられた。もちろん、それは錯覚なのだろうが、これこそが、女としての悦びなのかもしれない、と、そんなおかしなことを私は考えていた。ホモでもないのに、口の中のそれが、たまらなく愛しくなっていたのだ。
「ダメ。アナタ、口を放して、一度、休憩するから、ダメ、絶対ダメ」
妻は本気で慌てていた。そして、今度は本気で怒っていた。青年の身体を押しのけるようにして、二人の間に強引に身体を入れて、妻は自分のその部分に私の口を誘導し、同時に、青年には、その薄く上品な唇を求めた。その様子は、まるで性に飢えた獣のようだった。そんな淫乱な妻は見たことがなかった。いや、どちらかと言えば私は妻は性に淡泊なのだどさえ思っていたぐらだったのだ。しかし、それは私の勝手な思い込みであり、むしろ、そうあって欲しいという私の願望のようなものだったのに違いない。そして、その願望は間違っていた。私が好きだったのは、淫乱で貪欲な妻だったのだ。
妻のその部分は濡れ過ぎていた。その濡れ方は普通ではなかった。もしかしたら、妻は、あまりの興奮にオシッコを漏らしたのではないか、と、そう思ったが、それは嫌ではなかった。オシッコを漏らすほどに妻が興奮していると考えると、私も興奮するのだから。気が付けば、青年の大きなそれに委縮していたはずの私のそれは興奮に破裂しそうなほど膨張していたのだった。
「もしかして、アナタ、興奮してるの」
妻の股間に顔を埋めていたのだから、妻には私の背中しか見えないはずなのに、妻は、まるで私のそれが見えているかのように、そう言った。そして、私をベッドの外に直立させた。妻と青年、二人の前に私と私の小さなそれが揃って直立した。しかも、私は、縛られているわけでもないのに、両手をしっかりと後ろに回していたのだった。
「嫌らしい。アナタ、マゾなの。マゾなんでしょ。だって、妻が他の男とキスしているのを見て、こんなにしているんだから。その上、見て、君の半分もないのよ。小さいでしょ。ねえ、君も小さいって言ってあげて」
青年は困った顔をして、私のそれから視線を逸らしたのだが、妻はそれを許さなかった。逸らそうとする青年の顔を私のそれに誘導し、その前で私のそれを片手で持つと、それを左右に揺すって「小さいって言って」と、再び言った。
「小さいです。気の毒なぐらい小さいです。でも、ぼ、ボク、小さいのに、必死に大きくなってるこれが好きです。可愛いです」
慰めにはなっていないが、それでも興奮は醒めなかった。
「アナタ、そこに立膝になって、君はベッドの上に立つのよ」
妻に言われるままに私はベッドの上で膝をついた。そして、青年は妻と共にベッドに立ち上がった。青年の大きなそれが私の顔の前に来た。再び、私は青年のそれを咥えるのだろう、と、そう思った。ただ、それをしたら、今度こそ、青年は射精してしまうのではないか、と、それを心配した。もう、口の中に出されることは構わない、ただ、それでは妻が満足出来ないのではないか、と、それを私は心配したのだった。