投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

パンドラの箱
【ファンタジー 官能小説】

パンドラの箱の最初へ パンドラの箱 13 パンドラの箱 15 パンドラの箱の最後へ

パンドラの箱-14


ひと月ほどしたころ、「一緒に山に登ってきなさい」パンドーラにひと押しをしてやった。
「あいつ、いくかな」
「だいじょうぶ、おまえが言えば行くよ」
二人は手をつないで、出発した。最後の岩場は二人でいかないと、けっこう厳しい所だ。
戻ってきたころには暗くなっていた。一緒に汗を流すようだ。
ふたりの接近を楽しみに見ていたのだが、ノラがやさしくパンドーラを抱けるなら、二人の心は癒しあえるかもしれない。テストだ。
ひとりバケツ一杯の水で洗い合っていた。ノラが服を脱ぐと、タオルを濡らして体を拭き、パンドーラが背中をこすっている。
≪おや≫ ノラの裸に目が止まった。 
≪なるほどそうか。負うた子に教えられというやつだな≫ ノラの体を人として見るからいけなかったのだ。
四足歩行と二足歩行を両立させる骨格を考えると、これはまた美しい形に見えてくる。
パンドーラには言っていないが、ここに来る前、ノラは黒猫として生活していたのだ。
「君も脱げよ」ノラが言っている。
「背中を頼む」パンドーラが後ろ向きでタンクトップとショートパンツを脱いだ。
「パンツをわすれてるぞ。何を恥ずかしがってるんだ」
≪さあ、女の体と知って、どうする。ノラ≫
水をかけるとき、前を見降ろしている。そしてかたまった。
≪気が付いたな。だがそれでも襲わないのか≫
パンドーラもノラの不自然さに気が付いたようだ。
≪ほら、どっちも抱きつけ≫
「何か食べに行こうよ」服を着てしまった。
次を待つしかない。
わしは夕食を食べるとすぐ部屋に引っ込んだ。
ふたりは十分に意識し合っている。部屋に戻って、布団の上で寝転ぶと、とりとめもない話で、それで十分楽しく時間が過ぎていくようだ。
≪今日はいつになく動いたので早めに寝るだろう≫ と、思った通り、灯りが消える。
それからノラはパンドーラにキスをした。
パンドーラは上を向いて寝ている。寝ているようで、目は開けていた。
ノラが横向きになってそっと肩に手を置いた。
≪ほれ、さっさと抱いてやらんか≫ 尻をたたいてやりたい気分だ。
ノラはじっと動かない。 パンドーラの方が、「遅いよ」手を回していった。
「男の子だと思ってた」ぽつりと言う。
パンドーラはくすっと笑っただけで、肩にあった手を持って、胸に滑らせた。
ノラはそこをもみくちゃにしてしまう。
パンドーラはノラの背中に爪を立てて我慢していたが、「痛い」悲鳴を上げた。
逃げ出してしまうのかと思うと、ノラの上に乗っていく。抱きしめて何度もキスをした。
下を向いて少し膨らみができた胸に、ノラも食いついていった。
甘噛みなのは最初だけだった。どんどん力が入っていく。
「痛いよ」その声に、ノラがうなりながら肩口にかぶりついた。
甘噛みではない。
渾身の力を入れて、あごが震えている、しかし、何がそうさせているのか、あごが外れて動かないように、口が閉じることはなかった。
「痛い」
その悲鳴で我に返ったようだ。 ≪食い殺す気だったのか? これで終わりか≫ わしは戻りかけた。
「すごい、悪魔みたいだ」パンドーラの喜ぶ声がした。
パンドーラは「ガウ ガウ」と吠えながら、ノラに食いつく真似をしていく。
≪なんと、捨てる神あれば、というやつだな≫
ノラも落ち着いたようだ。
かみつかれながら、ゆっくり体勢を入れ替えて、ショートパンツの上から股に手を当てて滑らせている。
そしてパンドーラのパンツの中に手をいれていった。
パンドーラのため息のような息遣いがした。
「お願い、ここまでにして」 まさかの暴言だ。


パンドラの箱の最初へ パンドラの箱 13 パンドラの箱 15 パンドラの箱の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前