『桜屋敷にて・弄ぶ』-2
『ううう…』不安げに、大きな瞳を雄一郎の顔に向ける詩織。
湧き上がる残酷な笑みを、もう隠そうともせず、雄一郎は傍らの文机の上から筆を手
に取った。両腕が挙げられて、着物の身奴口から、白い腋がちらちらと見えている。
雄一郎は、その腋を、そっと筆の先で撫でた。『んん!!』くすぐったさと、嫌悪で
淡雪のような二の腕と首筋に鳥肌が立つ。そのまま、筆は開いた奴口から、するすると
胸元に侵入していった。
『くっ、くうぅ…』柔らかな毛が、そろりそろりと胸乳を撫で進む。爪先立ちしてい
る足が、
細かく地団太を踏んだ。とうとう、筆先が乳首に届いたようだ。感触でそれを察した
雄一郎は、ゆっくりと筆を動かす。
『んっ!!』今までに誰にも触れられたことの無い敏感な箇所が、悪戯にいたぶられて
いく。(伯父様、なんのご冗談ですの。お願い、今すぐおやめになって…)
俯き、頬を紅潮させて、必死に首を振った。それでも雄一郎は、筆を止めない。
じっと詩織の顔を眺めながら、手だけは着物に包まれた豊かな胸を、その先端の乳首
を
いじくりまわす。だんだんに、詩織は自分の体の変化を感じ、当惑していた。弄ばれる
片方の乳首が熱を帯び、その熱がもう片方の乳へ、そしてもっと下のほう、体の奥底
にも伝わっていくのだ。唐突に、雄一郎の腕が詩織の着物の裾を掴んだ。あっと思う
まもなく、裾は捲り上げられ、すんなりと伸びた脚と、まろやかな尻が露になってし
まった。
あまりのことに、詩織は力の限り暴れた。しかし、雄一郎はがっしりと片腕で娘の体
を抱きとめて動きを止め、もう片方の手に持つ筆で、今度は太ももをそろりと撫で上
げはじめる。筆先は、円を描くように太ももを登り、ついに詩織の秘所に届いた。
『ひぃっ…』筆先が和毛に覆われた、ふっくらとした双丘をさわさわと伝う。そして、ついに処女の源泉にたどり着いた。雄一郎はかすかに口元に笑みを浮かべると、
そっと秘孔に柔らかな筆先をめり込ませた。
(いやあぁあぁぁぁ!)くぐもった悲鳴が猿轡から細く漏れる。筆先は
浅く出し入れされ、その度に、ぬぷ、ぬぷと湿った音を立てる。
『おや、随分と筆が露を含んだようだ。詩織、君は自分の肉体に、こんな蜜が隠され
ていたとは知らなかっただろう。教えてあげよう、女の体は悦びを覚えると、我知ら
ず、大事なところから甘い蜜を溢れさせるのだよ』
雄一郎はそう言いながら、筆を一旦引き抜き、詩織の目の前にそれを差し出した。
その言葉通り、毛筆はたっぷりと秘液に濡れ、先からつつっと透明な雫を垂らした。
(う、嘘…私の体が、こんな風にされて悦んでいるなんて、嘘です)
詩織は雄一郎を拒絶しようと、固く瞳を閉じた。少女のそんな態度をむしろ楽しむよ
うに、一度離れると、彼女の体を吊るしている綱を、更に引いて固定した。
『痛っ!』爪先が僅かだが床から離れ、全体重が腕にかかることになり、詩織は苦悶
の表情を浮かべる。このままでは、腕が脱臼してしまう…雄一郎は、素早く詩織の両
足の下に、低い文机を差し込んだ。足が文机に乗り、いくらか楽になった詩織はほっ
と息をついたが、直ぐさま、自分がとっている姿勢に気づき、再び羞恥に顔が染まっ
た。
文机は、詩織が吊るされている場所から、幾分背後に置かれている。為に、足を置い
ていると自然と剥き出しの尻を突き出す浅ましい格好になる。かといって、足を外す
と、宙吊りになってしまう。背中に廻って、尻を眺めている雄一郎の気配に、詩織は
身じろぎをした。男の方は、自分が作り出したあまりにも卑猥な眺めに陶然としてい
た。紅色の着物、薄桃色の襦袢。それに似つかわしくない、丸く白く、大きな尻、
その中心には隠しようもない、淡い桜色に染まった処女の唇が、潤いを湛えて息づいている。目を移せば、男の視線から、なんとか逃れようと小さくもがく、美貌の姪の横顔。