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月の裏側
【調教 官能小説】

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禁止-1

自慰を禁じられた。
祐は、思ったよりも厳しかった。
すぐに忘れるのではないかと思っていたが、そんなことはなく、
美月が「自分で触りたい」と申し出ても許可をする気配はなかった。

誰でも持っている自分で自分を慰める権利。
それが美月からは奪われた。
通勤途中、周りを見る。
この中で、自慰を禁じられているのは自分だけかもしれない。
そう思うと、朝からクリトリスが疼いた。

祐に会えない時間の中で、逞しいペニスを思い出し、クリトリスが
震える夜もあった。
いきたいと思った。
触ろうと思えばいつでも触れる。祐はそばにいるわけではない。
でもこの禁止が成立するのは、禁じられていること自体が、美月にとって
幸福でたまらない事実だからだ。
破って、一瞬の快楽を手にしても、幸福を捨てることになる。
そう思うと、祐との約束を破る気にはならなかった。

それはまるで貞操帯をつけられているような気持ちだった。
自分の体が自由にならないという事実。
祐の前でしか、感じることが許されないこともまた嬉しかった。

祐のものになりたいと心から思った。


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