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月の裏側
【調教 官能小説】

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幻影-1

囚われていた。
柳さんと付き合わなかったことを後悔したわけではなかった。
それでも、あの日の目黒の夜をよく思い出した。

恋愛をしても、つきあって数か月すると、体が相手を受け付けなくなった。
美月が感じなくなると、相手はいろいろと気を使った。
それが余計にダメにさせた。
気を使われ、優しくされれば

「脱ぎなさい」と言われたいと思った。
縛られたいと思った。
ただ、それはあの人ではなかった。
美月の心の中のマスターとして彼は君臨したが、あくまでも
行為としてのマスターであった。

精神的に心から愛する人にあの夜のプレイをされてみたいと思った。
もちろん叶うことはなかった。

女性を必死にいかせようとする男性が多いものだと思った。
反応を見ずに、AVか何かの受け売りみたいなセックスが多いものだと
落胆した。
感じなかった。

たまに自分の指でクリトリスを触った。
縛られる自分を想像した。
乗馬鞭で体を触られることを想像した。
感じたらいけない、いったらいけないと思うと、あっという間に濡れた。
いくのを禁止されていると想像すると、数秒で上り詰めた。

そのたびに妄想した。
勝手にいったことを咎められ、鞭で叩かれたいと。
尻を出せと言われ、四つん這いになって、鞭で叩かれ、
ごめんなさいと謝り続けることができたらと。





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