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カルト教団
【ファンタジー 官能小説】

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カルト教-12

そんなある日、銀色の髪の女の子が教会にやってきた。魅力的な子だった。
私が言う前に、ドウツがカウンセリングを決めたようだ。女の子はやつを教祖と思ったようだった。
確かに、その時私は下働きのように壇の下で老婆の足の具合を見ていたのだ。
女の子はそのまま奥の教祖の部屋へ連れていかれた。
「何をするつもりですか」
「教祖様の力をお借りして、カウンセリングを行うのですよ」そこには色情の色しか見えなかった。こいつの好きそうな小さな子だ。「あなたも味見したいですか」ささやいて奥へ戻ろうとする。
「あの女は危険だ」
「あなたに教えていただいた、拘束の儀式がありますよ」
「やめなさい、それは暴力です」
「では、自分が強姦魔だと認めるのですね、教祖様。 もし、効果がなかったら、わかっていますね。カザミは二度とあなたの所には戻りませんよ」
「使えることは、間違いない。だが、ひっかかれるかもしれませんよ」 その場を離れた。
ただひとつ、あの女の子の素性が気になった。
≪あれは魔女かもしれない≫ そうであるなら、狙いは私の持つ[書]であるに違いない。
しかし、これはうまくいくと、ドウツと魔女を戦わせられるかもしれない。 あいつに対処しきれない敵がいることがわかれば、私をいい加減には扱えなくなるだろう。
私は意識を飛ばして、ドウツを見た。思った通り苦戦している。あんな初歩魔法だけでは魔女に対処できないことがわかっただろう。
すぐ、カザミに女の子を助けに行かせた。体を清めさせますと言って、女の子をいったん逃がした。ドウツを怖がらすだけだ。やられてしまってはいけない。
それにうまくやれば、魔女を私の見方に引き止められるかもしれない。
≪今のうちになんとか対策を練らねば≫ しかし案は出てこない。もともとそれはドウツの得意な分野だった。
「すまないな、こんなことをさせて」カザミに言う。
「教祖様は[線]をつなげと教えてくださいました。このままではあの子は、私の妹のように[点]で終わってしまいます。わたしが牢に入れられて済むなら、それで構いません」
「妹のことがよみがえるのか」
「あの子は妹と同じくらいの年でしょう。もう放っておきたくありません。消えてしまいそうな私より、あの子を[線]の中に戻してやりたいのです」
「そうですか。でもそういうあなたは、もはや[点]ではありませんよ」
その後、慌てたふりのカザミが、女の子が逃げたと報告しても、ドウツは「カザミをめい想室に入れておきなさい」と、周りの者にうなるだけだった。魔女に懲りたのだろう。
カザミも今はそこにいる方が安全だろう。
「どうしたのです」ドウツの前へ行く。この部屋は、もともと私の部屋だ。いつでも入ることはできた。
「なんだ、あの女は」ドウツがうなる。
「あれは銀色の狼とうわさされている魔女かもしれません」
「おまえ、私にいい加減な術を教えたな」
「そうでないことは試しているでしょう。それがあったからあなたは命拾いしたのですよ」
「そこまで強敵だというのか、あんな小娘が。もっと強力なものを教えろ、あの体を切り刻んでやる」
「見た目で判断するのはよくない。向こうからはたいしたことはしてこなかったのでしょう。それなら、今は教祖の様子を見に来ただけなのでしょう」
「わたしは教祖ではないぞ」
「この部屋にいて間違えられたのですね。 やつは教祖が敵であるかどうか見に来たのでしょう。だが、私が防いであげられますよ」
「よし、部屋はおまえが使え、方法を教えればカザミも解放してやるぞ」
≪こんなにうまくいくとは≫ 「あとで話し合いましょう」私はベッドに飛び乗ると、寝なれたクッションに身を預けた。笑いが漏れる。ドウツに聞かれてはいけない、枕を顔にかぶった。
その夜遅く、夢を見た。≪そんなに気にしていたのだろうか≫ あの、銀色の髪の狼、いや女の子にしか見えない。


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