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カルト教団
【ファンタジー 官能小説】

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カルト教-11

―――昨日の夜の事です。私は水色信者からメッセージの入った封筒を受け取りました。「ドウツがあなたから届けてほしいということです。返事をもらいなさい」
先輩信者の言うことです、その青色信者のもとへメッセージを届けました。
青色の信者ともなると小さな個室を持っていました。中へ入ってメッセージを渡します。
「返事をお願いします」
信者は封筒を開け、その紙を読むと、私の肩に手をかけます。
ここでは誰かと会話することも触れることもタブーです。びっくりして身をかがめると、私が渡した紙を見せられました。
そこには、「一晩私を与える」と書いてありました。
私は青色信者に服を引きちぎられ、抱かれました。
一晩というのは、犯される者にとっては長い時間です。女なしでいた男は、際限なく要求してきました。
朝。
すれ違いざまにドウツに腕を掴まれました。「その服はどうしたのだ」
長衣はみにくく垂れさがり、乳房がのぞきます。
「あなたたち水色の信者はわたしたちの宝石だ。あなたの性器は私の宝です。だれがしました」
すぐに関係者が呼ばれます。
青色信者はメッセージ通りにしただけと言います。
水色の信者は通信箱の中の一通を託しただけと言います。そして、「自分で書き換えたんじゃありませんか」とまで言われました。
結局誰かわかりませんでした。水色信者だけがめい想室に入れられました。
めい想室とは、そういう名の、ひとりが立てないほどの大きさの牢です。
私には「何度犯されたか言いなさい」長衣をたくし上げ、陰部をのぞかれます。「ここに何度出された」
私は答えたくありませんでした。
押し倒され、足を開かされます。観念していると、
「おや、されると思ったのか。そんな汚れた体で」尻を蹴られ、私までめい想室に入れられました。
「何の成果も出せないうえに、勝手に使わせおって。そのような通信を直接手渡ししないわけがないだろう」
「気を抜くとどうなるかわかったか。これからはみんなの慰安に使ってやる。それは参拝者のひとりかもしれないし、一部屋の信者たちかもしれない。楽しみにするんだな」
私を放ったまま行ってしまいました。―――

実はそういうことはあった。この教団の閉鎖系のなかでも、男女の愛は必要なことなのだ。
そのために女信者は、なんらかの褒美として他の者に与えられることがあった。しかしその役目は決して水色信者ではなかったし、カザミではなかった。
こんな事は初めてだった。岩盤に確固として立っていた教団が、崖のふちで揺れ崩れ落ちそうになるイメージにとらわれる。いろいろなものがじわじわと奈落へ向かって滑り始めている。
≪私の大事な物を壊そうというのだな≫ ドウツが犯人である可能性もある。腹は立ったが、面と向かって批判するわけにもいかなかった。
朝食の幹部会議の場だった。
「あなたは私の思わないことをするのですね」嫌味になりすぎないように言う。
「いえ、私は教祖様の思うことを実現させることを、喜びとしているのですよ」ドウツは涼しい顔だ。「特定のものをひいきすることのないように、こういった集団の中ではバランスを崩すことは致命傷となります」
『カザミを使うな』と言えなくなってしまった。
「教祖様は存分に奇跡をおこなってください。そして我々を教え導き、その力の一端でも授けてください。そうすれば教祖様の憂慮も小さくして差し上げられるかもしれません」
≪つまり、魔法を教えろと言うことか≫ カザミには可哀そうなのだが、それだけはできなかった。
教えれば利用価値のなくなった私は潰され捨てられるだろう。といって、この男を排除しても教団はつぶれる。新しい協定を結ぶ方法は未だ考え付かなかった。


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