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オンナ狂 神谷鉄平
【OL/お姉さん 官能小説】

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初彼女-3

「も、萌香ちゃん…!」
力み過ぎて思わず声が出て大きくなってしまった。
「は、はいっ!!」
萌香はびっくりして背筋を伸ばして顔を上げた。
(や、ヤッベ…、やっぱ可愛い…)
そこらのアイドルなんかよりも可愛いと思う萌香を見てドキドキする。
(じ、じゃなくて…言うんだ!)
可愛さを確認してる場合ではないと気持ちを改め、勇気を振り絞る。
「も、萌香ちゃん…、好きです!!」
ああ、言っちゃったと思いながらも、どこか今までモヤモヤしていた気持ちがスッキリしたような気がした。もうなるようにしかならない、そう吹っ切れた。が、やはり答えは心配だった。まずフラれる可能性の方が一方的に大きいのは分かりきっているが、でも実際にフラれたらきっと大きく落ち込むんだろうなと思っていた。
「あ…、あ…」
萌香は突然の告白に動揺している様子だった。好きですと言った瞬間、思わず目を閉じてしまった彰は、困惑しているであろう萌香の顔を見るのが怖くて目が開けられなかった。
(ふ、フルならキッパリとフッてくれ…)
そう願った彰の耳に、信じられない言葉が返って来た。
「わ、私も…ずっと前から…井上さんの事が…好きでした…」
(…え…?ええっ…!?)
夢か、聞き間違いか、それとも揶揄われているのか…、有り得ない返事に彰は咄嗟に目を開けた。だが彰の瞳に映った萌香は、人を揶揄うような人間ではない性格を如実に表した姿であった。萌香は恥ずかしそうに言った。
「ほ、ホントに私の事…?」
「う、うん。」
更に顔を赤らめ俯いた萌香は顔を上げた。
「私、いつも真面目に一生懸命、時には遅くまで仕事を頑張ってる井上さんを見て、尊敬してたんです。初めは尊敬だったけど、そんな井上さん見てるうちにどんどん胸がモヤモヤしてくるようになって…。でも自分の気持ち、よく分かりませんでした。でもこのネックレスをプレゼントされた時、その気持ちがはっきり分かったんです。私、井上さんが好きなんだって…。井上さんが真剣に私の為に選んでくれたネックレスをしてるだけで、こんなに幸せな気持ちになれるんですもん。私の気持ちに迷いはありません。私、井上さんが好きです…。」
「も、萌香ちゃん…」
あまりにも嬉しすぎるショッキングな言葉に、彰は呆然として萌香を見つめてしまう。
(な、何が起きたんだ…?萌香ちゃんが俺の事を好きだ…??マジ…?一体どんな奇跡が起きたらそうなるんだ…?)
現実が全く理解できずにいた彰であった。


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