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ある熟女の日々
【熟女/人妻 官能小説】

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友人との再会-2

 「そうしたらね。『お客さんよりも上の年代の方へのプレゼントでしたら、こういうのもありますよ』って持ってきてくれたのがこれなのよ。だから『じゃあ、これを2つください』って言って買ってきたってわけ。『在庫がちょうど2つあったんだけど、色は黒と赤になってしまいますがそれでもいいですか?』って言うから『構いません』って」
 「そ、そうなんだ…道理で」
 「道理?」
 「…あ、道理で赤と黒なわけね」
 「そそ。赤と黒。ホントはアンタが緑でわたしが薄紫とかがよかったんだけど、赤と黒(笑)」
 「なんか、大人の色だね(笑)」

 (道理で太くて長いわけね…)とは恥ずかしさが勝って言えなかった。

 「で、『プレゼントなんでしたらお包みしますね?』って言うから、もう長居は無用だと思って『ああ、包装紙は大丈夫です』ってことにしたのよ」
 「そ、そうだよね」
 「ふふっ。アンタだったら、包装紙のデザインがどれがいいかな、なんて考え込んじゃうんじゃない?」
 「そんなことないよ…」
 「そうしたら、プレゼントでもないのに包装紙で包まなくていいなんて言ったものだから、オジサンがわたしのことを怪しみだしてさ」
 「怪しむ?」
 「うん。なんか、やましい商売でも取り締まりに来た人間なんじゃないか?って思ったみたいなんだよね」 
 「そ、そういうことなのね…」

 確かに京子のような理知的な風貌をした人間が、若い女性であるにもかかわらず、堂々と(?)大人の玩具を買いに来たらかえって怪しまれることにもなるのだろう。

 「オジサンが急におろおろしてるような感じで見えたから、なんか申し訳なくなっちゃって」
 「うん」
 「それでさ…『またお邪魔したいので、カタログみたいなものありますか?』って聞いちゃったわけ」
 「ええっ…すごいね」
 「そしたら『いやいや御冗談を…』だって。まだまだいろいろありそうだったから『また行こうかな』って思ってたんだけど、なんだか行きづらいなあ(笑)。そうだ、今度はアンタが行ってよ。わたしのアパートに遊びに来るときに、ね!」
 「…御冗談を(笑)」
 「ふふっ…。ねえ、電池ある?」
 「電池…探すね」

 部屋の中をごそごそ漁って電池を見つけ出す。目覚まし時計の電池を外したりしてようやく本数を揃える。京子が電池をセットするとバイブが機械音を立てながら動き始める。

 「電池まだある?」
 「ごめん、もうなさそう」
 「じゃ、後で買いに行こう」
 「後でいいの?」

 (すぐに使ってみたいんじゃ?)と思って京子に確かめる。

 「うん。ちゃんと2本動くようにしたいし」

 (それって京子もわたしもそれぞれ一緒に使う…ってことだよね?)『ウィンウィンウィンウィン…』と単調ながら卑猥な音をたてて動き続けるバイブを手に微笑む京子がいつになく妖艶に見える。

 「じゃ、1時間目はここまで」
 「1時間目…だったんだ(笑)。今日は何時間目まであるの?」
 「さあね(笑)」

 着替えて二人で外へ出る。食事をした後、家電量販店で電池を買う。はじめて電池を箱買いしてしまった。『用途は何ですか?』なんて問われることなどないのに、レジでは勝手に赤面してしまっていたように思う。

 「あ、ちょっと待ってて」

 商店街を歩いていると薬局の前で京子がそう言い残して店に入っていく。

 「どうしたの?」
 「ああ、衛生的にはつけたほうがいいらしいから買ってきた」

 しばらく意味が分からなかったが、バイブにかぶせるコンドームを買ってきたのだとわかって、あらためて赤面しながら京子の行動力に感心する。

 「ありがとう、京子」
 「んー? あははっ」

 あまりにも外れたタイミングで感謝の言葉を述べたのがおかしかったようで京子が声を出して笑っている。

 「だって、電池と一緒で、アンタのアパートになかったら困るでしょ」
 「あるよ。お母ちゃんがくれた『お守り』がそのまんま」
 「ああ、そうだったね。ちゃんと持ってきてたんだ。じゃあ、今日は『お守り』を使えばいいね。あれだって古くなるとよくないんだし。今日買ったのはお守り袋に入れておきなよ」

 アパートに戻って一緒にお風呂に入った。京子とわたしが、お揃いの色違いのバイブに二人の処女を捧げたのが何時間目だったかはわからない。処女を捧げたと言っても、ふつうにぬるっと入ってしまった…。『出血することもなく、拍子抜けだな』などと感想を述べることもなかったから、京子もそんな感じだったようだ。

 3日目、京子が自分のアパートに戻ろうと駅に向かう頃になって、バイブが入っていた箱の隅に『極』というシールが貼ってあるのに気付いた。

 「これ、何て読むのかな? 『きょく』?」
 「『きょく』じゃなかろう。せめて『ごく』と読むんじゃないの? それとも『きわみ』…かなあ? なんか気になることでも?」

 そう言いながら京子も少し笑って頬を赤らめている。なにせわたしたちが処女を捧げた相手の名前なのだから。処女を捧げる相手としては貫禄があり過ぎる名前だったけど、京子とわたしはそんなことには気づかずに3日間「極」を使い倒してしまっていた。「極」には『お守り袋』にしまっていたコンドームを装着した。電池も箱買いしておいて正解だった。空になった『お守り袋』には京子が商店街で買ったコンドームを詰めた。

 「じゃあ、次の3連休、待ってるからね」
 「うん。じゃあね」

 京子を送ってアパートに向かって歩きながら、薬局の前を通り過ぎる。地元住民としては入りづらいけど、京子は訪問者としてかわりに動いてくれたんだと思う。今度は自分が京子の地元へ。アダルトグッズのお店での買い物も自分の役目かも…と想像しては赤面してしまう。


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