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先輩のセカンドバージンは僕のもの
【熟女/人妻 官能小説】

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羨望の眼差し-6

どうしていいかわからず、なされるがままだった。

恐怖で抵抗できないのと、その一方で加奈子ではないとダメだと男から向けられて浮かび上がった感情がないまぜになっている。
カットソーの上から伝わるねっとりとした和臣の汗ばんだ手のひらに嫌悪しつつ、和臣の感情を自分が狂わせてしまったのだという優越感。

「ん、んぅ、んっ……」

テクニカルでない、理央とは異なる荒い舌使い。
理性が削られているにもかかわらず、和臣はそれ以上、体を触ってこない。
どこかにほんの少し残っている、加奈子に対する和臣の敬意の表れだ。

「ぅ、んっ……」

荒々しいのに、しつこく、ねっとりとキスだけをひたすら与えられる。
本当はそれ以上触りたいのに、という和臣の感情が伝わってくる。
抵抗できないように羽交い締めにされているのに。
そこに表れているのは、和臣が自身で抑圧し、蓋をしたはずの、ほんの一部だけの感情だけなのだ。

そのことを感じて、どうしても加奈子は抵抗ができなかった。
こんな乱暴に加奈子を扱いつつ、どこかで加奈子を大事にしたいという気持ちも表れているからだ。

ーーおそらく、彼がこれ以上の行為をしたならば絶対に許すことができなくなってしまう。そのギリギリのラインだった。

ようやく唇が離されても、密着している和臣の体を、加奈子は押しのけることができなかった。
彼の、加奈子に対する気持ちが本気のものだと分かってしまったから。

「ーーお願い。今日は帰って。職場での関係が崩れるのは嫌」

潤んだ加奈子の目を見て、和臣は下唇を噛む。

「すみませんでした……。最低です、俺」

和臣は加奈子を抱き留める手を離し、自席に置いたリュックを持って、そそくさとオフィスを出ていった。

その後加奈子は仕事に集中出来ず、二十一時半頃、オフィスから理央に電話をした。

「加奈子?どうしたの?」

何コールかしたあと、すぐに理央は電話に出た。
理央の背後からは音がしない。外で飲んではなさそうだ。

「家に、いる?」

「うん。どうしたの?声、震えてる」

「……家に行ってもいい?一旦家に戻ったんだけど、また戻って仕事してて……会社、もう出ようかと思って」

震えている声については何も言わず、加奈子はストレートにそう聞いた。

「車、運転出来そう?柚木くん、一人なんでしょ?
遅くなるといけないから加奈子の家、行こう。酒飲んでないから、僕が加奈子の車、運転してもいいよ。声、辛そうだから。体調悪いの?」

そう言われて、ぶわっと涙が目から溢れる。

「ーー会社、来て……おねが……」

「わかった。着替えたらすぐ行くから待ってて」

電話を切って十五分ほどすると、理央は加奈子を迎えに来てくれた。


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