ハイスペック美女、松下涼子-3
夕方、涼子がオフィスを出たのを見計らい鉄平もオフィスを出る。涼子はトイレに行ったようだ。
(涼子ちゃん、オシッコですか♪)
そう思いながら少し離れた場所から様子を伺っていた。少しして涼子が出て来たのを見計らいトイレへ向かう鉄平に気付いた涼子。
「あ、鉄平くぅん♪」
ニコッと笑い両手で可愛らしく手を振る。
「涼子ちゃん、今日、仕事終わった後、飲みに行かない?」
「今日?あ、ちょっと用事が…」
「彼氏とデート?」
「えっ!あ、うん…」
そう答えるとグッと距離を詰める鉄平。
「涼子ちゃんと遊びたいなぁ、今日」
イケメンの微笑にドキドキする。確かに鉄平の方がイケメンだが、彼氏も悪くはない。むしろスペックは高いしモテる。鉄平の誘いは勿体無いが、ここはやはり彼氏との約束を優先すべきだと思った。
「ごめん、今日はちょっと…」
申し訳なさげに上目遣いで鉄平を見る。
「そっかぁ。残念だな…」
紗理奈から鉄平に抱かれたと言う話は聞いていた。いいモノを持っているのも聞いていたし、その破壊力の凄さも聞いていた。セックスが忘れられないぐらい上手く、また抱かれたいがなかなか次の約束が取れないとボヤいているのも聞いていた。このチャンス、勿体無いかなぁと言う気持ちも無くはなかった。そんな迷いを鉄平は察知した。
(おとせるな。)
そう判断した鉄平は涼子の耳元で囁く。
「彼氏は待っててくれるかも知れないけど、俺は待っててあげないよ?」
ドキッとした涼子。
「あ…」
戸惑う涼子に必殺イケメンスマイルを浮かべて去って行く鉄平。振り向き背中を見つめる涼子の目にスマホで電話する鉄平が見えた。
「あ、博美ちゃん?今夜暇?ちょっと考えといて?」
と、聞こえよがしにそう話しながらトイレに入った。
(私が断っても女に不自由しないんだ…。気分害しちゃったかなぁ…、もう会ってくれないかも…)
会社の何人かは既に鉄平と関係を持っている事も知っていた涼子は自分だけが取り残されてしまうような気がした。
(みんな鉄平くんとしてるのに私だけ…。ヤダなぁ…、何か…。どうしよう…せっかくのチャンス…。)
悩み始めた涼子だったが、俺は待っててあげないよと言う言葉が頭から離れない。
「…」
涼子は気付くとLINEで彼氏に今日仕事が遅くなりそうだから会えなくなったと送っていた。そしてトイレから出て来た鉄平に歩み寄り言った。
「今日、大丈夫になったの。鉄平くんと遊びたいな…」
鉄平はニコッと笑う。
「本当?ありがとう。じゃあ楽しみにしてるよ。」
そう言って頬にチュッとキスをして去って行った。
(ああん、早く抱かれたい…。)
キスせれてドキドキした涼子は濡れてしまった。