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妻を他人に
【熟女/人妻 官能小説】

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妻を他人に (1) 告白-1

「寝取られ性癖」について妻に初めてカミングアウトしたのは、約二年前のことである。
 ゆきとのセックスレスが解消して三年、素人掲示板の「ゆきのスレッド」を発見しこのやっかいな性癖が完全開花してから二年が経過していた。

  *

「今日ね、麗美たちと飲んできたんだー」

 四年間に及ぶセックスレスを乗り越えた私たちは、その日もスローセックスでひとつに繋がりながら雑談に興じていた。

「久しぶりじゃん。みんな元気だった?」
「うん。すっかりみんな良い奥さんになっちゃって……ほら見て」

 私の上に跨るゆきが腰を浮かせ枕元のスマホに手を伸ばすと、にゅるんとペニスが抜けた。「ぁん……」と小さくつぶやき陰茎を握りふたたび自らの花弁の中へ挿し込む妻。私の下半身コンプレックスを刺激せぬよう、さりげない動作で気を使ってくれているのがわかる。
 スマホ画面の中で、ゆき、麗美、華子、真由の入社以来の仲良し四人組が笑っている。

「ママトークで盛り上がっちゃった!」

 ゆきが動くと二人の結合部では湿った陰毛同士が擦れ合い、ジョリリとなんともエロチックな音が響く。極めて日常的な会話と下半身の淫猥なぬめりのアンバランスさがスローセックスの醍醐味のひとつである。

 それにしても、写真のまぶしいこと。
「おー、これは……。さすがA社さんの誇る美人妻四人衆」

 リラックスした笑顔の人妻たちは、年齢相応の落ち着きを感じさせつつも各者各様の色気をまとっていて、目のやり場に困ってしまう。
 ピースサインでカメラにウィンクしているのは華子と真由。持ち前のくっきりした目鼻立ちに清楚な出で立ちがよく映える。麗美も彼女特有のあのにやついた笑顔は昔のまま、「クールビューティ」に磨きがかかっている。
 画面をスライドさせると、華子と真由がおどけた表情で料理を「あーん」しあっていた。弾ける笑顔はかつての「一軍女子」そのもの。次の写真では麗美にも「あーん」を向けるも、冷たくあしらわれている。頬を膨らませた二人の表情と麗美の呆れたような表情の対比が愉快である。
 ゆきはと言えば、ドタバタ劇を繰り広げる友人たちの様子を楽しげに見つめている。綺麗に揃えた両膝に手を添え、ほんのり赤く染まった顔をわずかにかしげ自然体の微笑みを見せている。

「どの子が一番綺麗?」
 くりっとした茶色の瞳をわざとらしくパチクリさせて、ゆきが聞いてきた。まったく自然体ではない、あざとくて、そして可愛い妻。
「もちろんこの子だよ」
 ほどよく膨らんだ妻の乳房先端の突起を指先で転がしキスをしながら、私は答えた。
「……ぁん……もう、パパったらー」
 ゆきが嬉しそうに笑うと乳房がぷるんと揺れた。そのことを指摘すると今度は少し口を尖らせ、私の乳首をつまんでくる。生暖かい吐息のかかる距離で、互いの乳首を刺激し合う私たち夫婦。
「この中で一番可愛くて、一番清楚で、一番慎ましい女性が帰宅後にこんなエッチなことしてるなんて恥ずかしいぞ」
「旦那さんと夫婦の営みするのは全然恥ずかしいことじゃないもん……」
 妻がむっちりした下半身をゆったりグラインドさせ、押し付けてきた。彼女の膣奥がじわりと熱くなるのがわかった。その熱はワンテンポ遅れて股間へ染み出し、絡み合った夫婦の陰毛を一層濡らす。
「あぁゆき、そんな押し付けられたら気持ちよくてイッちゃう……」
「ぁあん、まだだめぇ……この早漏夫めー」

 かつては腫れ物扱いだった私の「早漏」も、最近では冗談交じりで言い合えるようになった。今でもコンプレックスには違いないが、そこも含めて妻に愛されているという自信あるいは余裕のようなものは、セックスレス以前にはなかったものである。

 写真を肴におしゃべりしながらセックスを続ける私たち。

 それにしても、麗美の写真には思わずどきりとしてしまう。
 大学時代、密かに思いを寄せていた女性である。三十も後半を迎えた今も変わらぬすらりと伸びた脚、スカートにくるまれた暖かそうな尻、くびれた腰、豊満な胸。しっとり年齢を重ね女性としてさらに磨きがかかっている。
 私が麗美のこの衣服の下に隠された裸を見たことがあるなどということは、本人にもゆきにも決して言えない。果たされぬまま終わった未練のせいか、あれから私は遠い記憶を幾度もたどり、夢想しては自慰に耽るのだ。彼女の乳房の膨らみ、その先端につんと立った蕾、蜜に濡れた股間の茂み。痴態を晒し恥じらうその視線の先には別の男がいて、カーテンの隙間の向こうで、麗美は男に股を開き女の声を上げていた。この女性がどんな声で鳴くのかも知っている。

 麗美の顔にしばし釘付けになっていると、ゆきが無言ですっと指をスライドさせ、次の写真に切り替えた。
 気のせいだろうか。彼女は平静を装っているが、いくぶん口角が下がり真顔になっている気がする。
 どうもゆきは私と麗美の過去の関係を気にしているフシがある。本当に何もなかったのだと申し開きしたい気持ちはあれど、ゆきの方から聞いてこない以上私から言い訳じみたことを言うのも憚られ今に至るのだが、ただゆきのような美人妻に嫉妬されるのは悪い気はしない。麗美のことをあまり見ないでと言わんばかりのつんとした横顔はなんだか可笑しくて、そしていじらしい。

 すいすい写真をめくっていく彼女のことが愛おしくなり、またキスしようとしたとき、妻が「あ……っ!」と小さく叫び、慌ててスマホを隠した。
「なに? ゆき……?」
「な、なんでもないよ。写真、もうおしまいだから」

 手のひらで画面をしっかり覆い、私に見られないよう手元で何やら操作して写真アプリを閉じる。

「それよりパパ……続きしよ……?」


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