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妻を他人に
【熟女/人妻 官能小説】

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番外編:Oと麗美とMM号 (2)-5

 麗美の部屋を確認するのが日課になった。
 あの日以来カーテンは閉じられていたが、壁に耳をつけ麗美の喘ぎ声だけで何度もオナニーをした。付き合いたてのカップルは猿のようにセックスするという話は、本当だった。私が確認するとき、彼らは必ずといっていいほどセックスをしていた。

 ある日わずかな隙間が空いていたので中を覗くと、麗美がフェラチオをしていた。
 麗美の口の中に、男のペニスがずっぽり埋め込まれている。彼女が頭が上下させると、可愛らしい口から男性器が姿を現し、また消える。
 ああ、麗美――。なにをしているの?
 今日も私と会話したその口で、にやにや笑いで私をおちょくってきたその口で、いったいなにをしているの?

 最近ではもう、まんことちんこを結合させるのは仕方ないことと諦めていた。二人は付き合っているのだし、動物の本能だし、ちんこを挿れられてまんこが気持ちよくなってしまうのなら、まんこにちんこを挿れてほしいと思ってしまうのは仕方ない。まだ理解できる。
 しかも不潔なもの同士。まんこもちんこも普段は下着と服に覆われ、厳重に隠されている。それほど汚らしく恥ずかしいものでも、擦り合わせれば気持ちよくなってしまうのなら、恋人同士がその行為に至るのは仕方がない。

 フェラチオは違う。
 別に女性が気持ちよくなるわけではない。清潔かつ可愛らしい口で、なぜわざわざ不潔でグロテスクな男性器を口に含むのだ。女性側になんのメリットもない行為。なぜそんなことをする。麗美ほどの美貌があればそんなことしなくても男性器を勃起させることは可能。つまり必然性もメリットもなにもない行為。
 そんなフェラチオという理解不能な行為を、なぜ麗美はしているの? 無理やりさせられているの? ちんこが大好きなの? おいしいの? 恋人を気持ちよくさせたいの? 恋人に奉仕したいの? 悦ばせたいの? 愉しませたいの? エッチな気分になるの? フェラチオが大好きなの?
 思いつく限りの理由を考え、そのすべてに絶望した。

 麗美が髪をかきあげ、陰茎に添えた手を上下に動かしている。上目遣いで男を見上げ亀頭に唾液を垂らす。ああ。ぽってりした唇で先端にキスをし、舌先を尖らせ尿道をつつく。手で肉棒を支えつつ男の股間の下に潜り込み、陰嚢から裏筋をつつと舐めあげる。何度も、何度も、舐めあげる。可愛らしい舌をいっぱいに伸ばす。ハーモニカのように唇を陰茎に密着させ、往復させる。
 そしてまた上目遣い。男と言葉を交わしている。瞳を潤ませにっこり笑う。優しく微笑みながら、亀頭に舌をぐるりと這わせ、また口を開き、ペニスをぱくりと咥え込む。亀頭が、カリ首が、陰茎が、麗美の口の中に埋め込まれていく。頭をゆっくり上下させる。その動きは次第に速度を増す。両手で陰茎を大事そうに握る。手を男の乳首に伸ばし、つまんで弾く。ああ、麗美の口に、知らない男のチンポが出たり入ったりしている。

 やがて男は腰を震わせた。男の足元に四つん這いで傅き、チンポを頬張ったまま苦しそうにしている麗美。しばらく口をもごもごさせたあと、ゆっくり陰茎を口から吐き出す。髪を耳にかける仕草。横顔が見えた。麗美の唇から亀頭がにゅるりと出てくる。彼女はその場所にキスをした。
 潤んだ瞳で男を見つめる。男が何ごとか声をかけると、上を向き口を開き、男に見せる。口の端からこぼれ落ちた白濁液を指ですくい、唇になすりつける。麗美は上を向いたまま何度かうなずき、口を閉じた。男を見つめ、微笑み、ごくりと口の中のものを嚥下した。
 麗美と男は唇を重ね、倒れ込むようにして身体を重ねる。そのまま深夜まで、二人は何度も愛し合った。

 しばらくの間、学校で彼女の顔を直視できなくなった。無邪気に「Oくん、どうしたの?」と聞いてくる麗美の澄ました顔。その口で、彼氏のチンポを頬張り頭を激しく前後させ陰茎を出し挿れしていた。今もしているのだろう。昨晩はしたのだろうか。
 目に焼き付いたあの光景を思い出しては自慰に耽る。

  *

 その後紆余曲折を経て私にも初めての恋人ができ、彼女いない歴イコール年齢を終わらせた。
 彼女とはセックス寸前まで行ったが、私が緊張のあまり萎えてしまい童貞卒業はできずに終わる。以降彼女との関係はぎくしゃくし、クリスマス直前に振られた。あろうことか彼女はすぐまた別の男とくっついた。大学二年の冬のことである。

 クリスマスイブ、麗美が恋人と腕を組み部屋に入っていく姿を物陰から見送った。聖なる夜に、麗美も、そして私のことを振った女性も、それぞれの彼氏とセックスして過ごすのだろう。それを想像しながら一人さみしくオナニーしたあの夜は、その後長くトラウマとなって私を苦しめた。

 数カ月後、麗美が後輩彼氏と別れたという話を聞いたが、タイミング悪く、そして奇跡的にも私はまた別の女性と付き合いはじめたばかりだった。今度は幾度かの失敗の末、初体験を済ますことができた。
 猿のようにセックスすることもなければ、大きな喘ぎ声を聞かせてくれることもなかった。フェラチオもしてくれなかったが、私は幸せだった。
 今年こそ楽しいクリスマスを過ごすのだと期待に胸を膨らませていたところ、また振られた。振られてすぐ、別の男に乗り換えられた。なんなのだ、いったい。そして麗美には新たな彼氏ができていた。

 私は、二年連続のトラウマイブを過ごすこととなり、以後彼女ができることもなく女性恐怖症とセックス恐怖症をこじらせたまま大学を卒業する。

 結局、麗美とは縁がない大学生活だった。
 それでも私にとってあの日のデートは、甘酸っぱくも切ない青春の想い出として、今も心に残り続けている。


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