ライド・オン カイ-1
ララがバイクにまたがった。
セルモーターがヒステリックに響き、低い爆音に変わる。
「乗りなさい」ヘルメットを渡してきた。
しかたない、後部シートにまたがり、革のつなぎの、優しい尻の曲面に股を添わせる。
細いウエストに手を回した。
エンジンをふかすと、重低音と振動が腰を揺らした。
ギアが入った。一瞬の加速に体がのけぞる。
前傾したララの体に、必死にへばりつく。ヘルメットがカツンとぶつかった。
バイクは地を舐めるように一瞬で８0となり、1０0、120とスピードを上げていった。
ララはクラッチも切らずに、回転数でギアを入れ替えていく。
一般道を浮遊するように進む。
波に揺られるように身体が左右に倒れ、車の間を縫って進んだ。
腰を振られ、振動が僕のモノを勃起させ、それが女の尻に突き刺さる。
そのまま振り落とされないように腰に回した手に力を込めた。
ララの腹は、僕の腕の中で激しく上下していた。
やがてバイクは高速道路へ上がる。
巡航し始めると、やっと息がつけた。そこにあるのは柔らかい下腹。
右手の角度を少し下に変えると、股の膨らみが触る。
1000ccをまたぐ足は軽く開いている。
はりつめたパンツとタンクの間に滑り込ませていった。
暖かい。
ララがスロットルを開いた。その加速に体が後ろへもっていかれる。手が、股間へ強く食い込んだ。
ララがうめく。
左手は革の上を滑らせ、ララの右胸を包み込む。腕には左の乳房がこすれている。
ララは前を向いたままで、やめろという仕草はない。
乳房をつかみ、揉みしだく。
「あんな女のどこがいいの」声が響いた。
インカムなどではない、魔女の彼女は直接頭に語りかけてくる。
「いい子だよ」
「そんなこと言わないで、もっと強くおっぱいに触りなさい。私の心を蹂躙したあなたはどこへ行ったの。私を振ったあの後、何度泣きながらマスターベーションしたと思ってるの」
「あなたが、泣く？」
「私だって女の子なのよ。屈辱に悶えて熱くなることだってあるわ」
「どうしようっていうんだい」
「私、お気に入りは手放さないの。特に私をコケにできるような人は希少価値よ」
「今度はあなたのことを破壊してしまうかもしれないよ」
「まあ楽しそうじゃない。私、またズタズタにされちゃうのね。でも、黙ってそうさせられると思っているの」
「どうするんだ」
「そうね。私の中に突っ込ませてあげてもいいし、このままどこかにつっこんでもいい」
「あなたが？ あなたはだれかと心中なんかしないだろう」
「そうしたくなるかもよ。独り占めにする方法がほかに無ければね。君だって私から離れられないでしょ」
「そんなことはない」
「あら。じゃあどうして、許しもなしにこんなに欲しがるわけ。 あん、やめたりしないの」
ララは前傾姿勢をやめ前のチャックをへそのあたりまで下ろした。ブラジャーはしていない。風圧で乳房が揺れる。
すぐに前傾に戻ると手を乳房に置かせた。
「しっかりつかんでなさい。ほかの車から見られちゃうわ」
乳輪をつまんで、勃起した乳首を人差し指で撫でる。
「もっと爪を立てて」猫のように喉を鳴らした。「私を捨てられると思ったの」
「あなたが捨てたんだと思っていたよ」
「君のいたずらがすぎるから、懲らしめたのよ。寂しかった？ 少しは反省したかしら」
「でも僕には他の子が‥」
「君がだれとダンスをしようと気にしないわ。でも、ラストダンスは私のものよ。さあ、セックスしてあげるから機嫌をなおしなさい」 手をつかんだ。
開いた革のつなぎの間に手を差し込ませ、秘部に触らせた。もう充分に濡れていて、指をくわえ込む。
ララは少し腰を浮かせた。
僕はしっかりと抱きしめ、深く、ぬめる粘膜の中へ指を挿入すると、ゆっくり動かした。
突き入れることに、エンジンが吠え、スピードが上がっていく。
1６0キロが近くなる。気を許すと風圧で飛ばされそうだ。
「さあ落ち着くんだ、あなたといると飽きることはないけど、まだ死ぬ必要はない」いちど腰の動きを止めた。
「なによ、今が楽しいのに」
スロットルを閉じたバイクは、道路の真ん中で失速した。
横倒しになる寸前にララが足をついた。スタンドを立てると、そのまま僕を路面に引きずりたおす。
「私が乗ってあげる」のしかかり、挿入させた。
うしろから来る車がクラクションをならしながら、左右によけ、通り過ぎていく。
居眠りしかけの車が、ぎりぎりをかすっていった。
点々と続く白線の真ん中で交わりつづける。
ララは腹の上であえぐ。「生きるなんて、こんなものよ」
「うそだ」ララを抱え上げ、バイクにまたがせた。
タンクに押しつけると、うしろからのしかかり、挿入する。
そのまま、ハンドルを握り、走らせた。
「見ず知らずの者に命をゆだねるなんて嫌だ」スロットルを一気に回す。
「僕を試したね。君が道路に寝そべって運命を待つなんてするはずがない」
「バカね『そうだ』と言っておけば、離れられたのに」
「僕は自分の思う方へ走る。あなたも好きな方へ体を振ればいい。失敗すれば、ハンドルを取られてフェンスに激突するだろう」
爆音の中、奥へ、深くへと差し入れるたびに、バイクは蛇行を繰り返す。
ララが大きくうなり、体をくねらせた。フェンスがせまる。
その中へ射精した。