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魔女のレシピ ナイトメアの壺
【ファンタジー 官能小説】

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過ちの過去へ-1

7月 5日

めずらしい来客だ
結婚を控えた女が相談に来た。
この女はレイプされた経験を持っている。
「あなたはそのことをどう思っています」
「ばかな男にのぼせ上り雰囲気でセックスをしても、人は笑うだけです。なのに、レイプは相手の責任なのに、私が責められる。今はその憤りの方が大きいのです」
「だれが責めるのです」
「彼がそれを引きずっているのです。式が近付くほど『なぜふせげなかった』と物に当たることがあります」
「では、彼から逃げて、新しい人生が欲しいのですか」
「結婚はしたいのです。でも、いつか破綻するんじゃないかと怖いのです。
あなたは魔術に精通していると聞きます。どうか暴行の記憶を消してください」
「古い記憶ほど多くの関連することを消す必要があります。ごっそり不自然に消し去ることはできます。だが、部分的な記憶喪失となるでしょう。それに、どこまでを『関連』ととるかも問題です。これからの長い年月の中で、どんな消し忘れからほころびができるかわかりません」
「無理なんですね」
「監視し、対処し続けることができませんからね。彼を連れてこられますか。方法を考えてみましょう」

7月 7日

「あなたには過去へ戻って、レイプを止めてもらいます。できますか」彼に聞いた。
「大丈夫、俺が止めてやる」女を見て元気づけている。
祭壇を用意し、魔を呼び出した。
「時間を戻せ」命令する。
「因果律というものがあるのだ、なにをしても、時間の網は緩やかに修復されていく。
レイプを止められるかもしれないが、それよりありそうなことは救いに行けなくなるか、救っても別のだれかに襲われることだ。それでもやってみるのか」
「彼女を救う可能性に賭けたい」彼が言う。
「今度は『おれが救った』と、かさにかかって言いそうだわ」女が私にささやいた。
「さあ、あなたも準備をして」抱きしめ、力づけた。

――― 暗闇の中、魔に連れてこられた。目の前には、俺の彼女。
5年前のパーティーの帰りだ。
この美しい体が、もうすぐどこかの男に犯されてしまう。
そして、それをきっかけに彼女は前の彼と親密になっていく。
たしかに、俺でもうらやましくなるほどのいい男だった。保護を求めた可憐な彼女はその群がる女たちをしのいで男の心をつかんだ。
それはいい、俺が知り合う前のことだ。彼女の選択を否定はできない。
だが、考えれば、ここで助けても、その彼に処女を譲ってやるだけのことだ。
それならここで俺がもらってしまって何が悪い、どうせ将来俺と結婚をするのだ。
それにしても、この若く、はつらつとした彼女に見惚れてしまう。
≪今だ、暴漢が来る前に俺が抱いてしまえ≫
そう思った時にはもう飛び出していた。
後ろから彼女を羽交い絞めにし、茂みの裏へ引っ張り込む。
まだ処女の体を撫で回した。
服を破ってしまっては後で帰る時が可哀想だ。服の上から胸を揉むだけで我慢する。
俺と付き合いだした頃より明らかにまだ硬い乳房。
ショーツを脱がし、秘部を探る。処女膜を傷つけないように今はそっと撫でた。
これだけ暗いと、将来俺と出会っても襲ったのが俺だとはわからないだろう。
これで何の気兼ねもなく結婚ができる。このことは俺だけの秘密にすればいい。
そっと挿入してやった。
「痛あい」彼女が身もだえる。
彼女は体をくねらせ、けなげにも逃げようとした。だが、力の差はどうしようもなかった。
表情はわからない。喪失の痛みに歪んでいるのか、強姦の恐怖に歪んでいるのか。
「大丈夫だよ怖がらないで、俺だ」そう言ってやりたくて仕方がなかった。
しばらくしてイキそうになる。そんなつもりではなかったので何の準備もしてない。
どうせ結婚するのだから中に流し込んでしまいたい。
だが結婚は5年も先の話だ、今は妊娠でもさせたら、あとがかわいそうだ。
ありったけの自制心で外に出す。
これでいい。彼女が襲われた時間は過ぎている。俺が代われた。
脱がせたショーツを持たせ帰らせる。しばらくはつらい日々を過ごすかもしれないが、将来のためだ。
因果律がこのことをなかったことにはさせてくれないのだから、これがベストの選択なのだ。
前の彼の元へ逃げていく女を見送った。
愛しているよ。―――

「どうでした」彼を起こした。
「やはり因果律を破ることはできなかった。だけど俺はやれるだけのことはやったと思う。
乱暴されたのは遠い過去の話だ。もう忘れて君と新しい人生を作ろう」
「はい」彼の変わりように、女も喜んでいる。
「では、彼は先に帰ってください。彼女に最後のカウンセリングをしたいのです」
「そうか、だがもう何も気に病むことはないよ」彼は出て行った。

彼を見送る女はショーツをまだ履いていない。
「これで彼はこの件に関して語ることはなくなるでしょう。自分の仕業と思っているのですから」
足に飛んだ白い汚れをティッシュで拭いてやる。
「実際には過去へ戻れたりはしません。これは惑わしただけです。
ここで彼に抱かれていただいたのは、惑わしとは、実体験を下地にした方がより強力になるからです。これで彼は一生、自分の仕業だと密かに思い続けるでしょう」
「報酬はいかほどでしょう」
「あなたから金品はいただきません」
女が抱きついて来た。「では、私のよろこびをうけとってください」
彼との未消化の交わりに、その体はまだ熱い。
「アフターケアです」スカートを跳ね上げ、挿入してやる。
≪女らしくなったな≫
この女、5年前に人気者の彼を独占したいとやって来た。
みかえりに私に処女を差し出し、レイプを演出したのだ。
今の体も、なかなかによかった。


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