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ある熟女の日々
【熟女/人妻 官能小説】

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四十八手-1

 学校から帰ると家には誰もいません。そう言えば、今朝、母が、今日は集落の花見があると言っていました。集会所で料理を作ったりするのでもう出かけたのでしょう。父の自転車もありませんから、一緒に集会所に行って先にお酒を飲み始めているのかもしれません。

 だからと言う訳でもないのですが、わたしは納屋に入ります。この前、いつものように古雑誌を漁りに納屋に入ったときに、ふとハシゴ段を上ってみました。上がってみると、小上がりのような作りの一角があって畳が敷いてあります。ちょうど大人が横になれるくらいの幅と長さで、お昼寝にちょうどよさそうです。

 小さな箒があったので積もったほこりを払ったりしてみました。飛んだ埃が宙を舞って壁の隙間からさし込む光がよく見えます。畳の隅に何冊か本が積んであります。わたしはわくわくするような感じを覚えました。中から一冊を手に取ってみると紫色の表紙に金色で『秘本四十八手写真集』と書いてあります。

 ページを開くと、古くさいビキニの水着の女の人と海パン姿の男の人とが写った白黒の写真が目に入ります。写真の横には文章が書いてあります。『四十八手その十三 鵯越え 膝をついて四つん這いの姿勢の女に、男が背後から女の腰を持って挿入する体位。安定感あり人気が高い。「後背位」。俗に「バック」』。

 一目見て、『男女のアレ』のときの様々な体位を示した本だと思いました。写真のレトロな雰囲気からして両親が見ていたとしか思えません。お昼寝にちょうどいいなどと思って眺めていた畳が急に妖しい場所に見えてきました。柱に打ち付けられた釘に小さなカレンダーがひっかけられたまま。年を見ると十数年前のもの。その頃から時が止まったままのような場所。

 納屋には何度も出入りしていて、ハシゴ段があるのも知っていましたが、昇ってみようと思ったのはこのときが初めてでした。もっと早く昇っていれば…と思いながら、本を片手にハシゴ段を慎重に下ります。

 自分の部屋に持ち込んで、改めてページをめくっていきます。いろいろな体位といろいろな名前に胸がどきどきしてきます。修学旅行のときに男女の営みを録音したカセットテープを聞かせてくれた京子へのお返しに、この本を貸してあげようと思いました。

 「想像が広がっちゃうね」
 「そうだよね」
 「どこで見つけたの?」
 「うちの納屋で見つけたの」
 「へぇ。じゃあ、ご両親が見ていたっていうこと?」

 カセットテープは道に落ちていたのを拾ったと京子は言っていました。この本は自分の両親が隠していたもの…と言うのはちょっとためらわれます。どうしたらいいかな…。


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