屠畜-8
（……こ…こんなッ……私…ッ……い、嫌だ…ッ）
鈴木の掌はパンティから引き抜かれている。
薄布の含水量を容易く突破した大量の淫水は、股布を完全に透けさせていた。
窮屈に仕舞い込まれた真っ黒な縮れ毛も、妖しい唇のような肉花も、いまや環視の最中に曝された。
「ぐ…く…ッ……ひぅ…ッ」
彩花の前で……犯罪者の前で……。
弁明不能な醜態を曝した風花は、鈴木を睨む事すら出来なくなり、悔しさしか感じられない顰めっ面を震わせて鼻水を啜っている。
『だらしねえなあ……もうクロッチがスケスケになっちまって……なあ、〝皆んな〟が見てるぜえ？風花ちゃんの恥ずかしいアソコをなあ』
「ッ〜〜〜〜!!!」
ただでさえ打ちひしがれている風花に、鈴木は自尊心を傷つける台詞を吐きつけた。
犯罪集団を統べる最悪の人物の指技に屈するなど、それは《敗北》を自らの身体でもって証明したも同然である。
『この臭えパンティは新鮮なうちに真空パックにしてやるぜ。さあて……いったいドコの誰が風花ちゃんの秘密の臭いと味を楽しめるんだろうなあ？』
「ひっぐッ!?やめ…やめてよぉッ！やめてえッ!!」
田中は見せつけるように、風花の頭上を超えて鈴木に鋏を手渡した。
チョキン！と刃物が笑うたびに風花の目は泳ぎ、その涙に光る眼差しには懇願の色が表れてきていた。
「は…ッ!?はひッ？だッダメッッ!?」
左側のサイド部に鋏を入れると、パシュッと呟きながらパンティは右側に寄って縮こまった。
……それにしても童顔の風花からは想像し得ないほどの毛量である。
はみ出た秘肉を覆っているのはもちろんのこと、パンティの布面積のギリギリで収められていたと思われるくらいに生い茂っていた。
薄布から解放された逞しい陰毛は好き放題に伸びをし、淫水の輝きを纏いながらパンティを押し退けて淀んだ空気を抱え込む。
『なにドギマギしてんだよお？クククッ！なあ、ドコをカメラに撮られたくねえのか言ってみろぉ。そしたら俺の手の動きも止まるかも……なあッ？』
「ッッい"い"ぃ"ッ!?」
残る右側のサイド部も切断された……しかし、太くて硬い陰毛のうちの数本が股布を貫通しており、目一杯に淫水を吸い込んで重くなっているパンティは、秘肉の割れ目を隠すようにブラ下がって止まった。
「い…や…ッ!?こんな…ッ……こ、こんなッ！」
どうにか秘部は隠されている。
風花のパンティは下着としての使命を果たすべく、必死に陰毛を絡めつかせて張りついている。
だがそれは風花を恥辱の責め苦に突き落とした。
真っ黒な茂みに引っ掛かって揺れる黄色い布地は、隠すのと同時に〝其処〟を目立たせてしまっている。
男共の笑い声が部屋中に響き、それはマジックミラーの裏からも聞こえてきた。
『イッヒヒヒ！ドコでパンティ掴んでんだよ風花ちゃんはあ！』
『コレを写真で撮ってパッケージにしようか？こんな面白い格好はなかなか無えだろうしよお』
「んぎ…ッ！ひぐッ……ぐぐ…ッ」
『オイ、マン毛がパンティ持ち上げてっから下がガラ空きだぜ？見ろよ、下から見上げりゃクソの穴が丸見えだあ』
カメラはおろか、スマホでもこの醜態は撮られた。
付き纏う羞恥の苦しみは風花を覆い尽くす恐怖と混じり、そして余計なお世話を働いた薄布が取り払われた瞬間、羞恥はより倍加して風花に襲い掛かった。
（……もうやめて…ッ！やめてくださいッ!）
絞れるほどに濡れたパンティには、数本の縮れ毛が絡んでいた。
風花の恥辱の分身はカメラの前に曝され、そして嘲笑の後にビニール袋にポタリと落とされた。