屠畜-11
「ひいぃッ!?なッなんなのソレぇッッ!!ち、ちょッッッ…ダメよやめてえぇッッッ!!!」
体力の尽きた身体は、伊藤が片手で太腿を押さえつけただけで身動きがとれなくなった。
浣腸責めの撮影の邪魔になる試験管は抜かれ、無理矢理な拡張から解放された肛門は呑気に伸縮をみせている。
「誰か助けッッ…!?……ッん"があ"〜〜〜〜ッ!!!」
そっと肛門にノズルを挿し込み、グイッと尻の割れ目に浣腸器を押し当てると、それだけで風花は喉を涸らして絶叫した。
「はひッ！はぎッ!?お、お願いやめ…ッ……イヤだあッ!!は、入ってッッ…入ってきちゃうぅッ!!!」
パニックに陥ったのか、風花は幼児に退行したかのような言葉遣いで泣き叫んだ。
男共の胸がキュンとなり、ますます男根が熱り上がったのは言うまでもない。
「いッ痛いぃッ!?はひぃッ？はぐぅッ！お、お腹が裂け…ッッッ」
耳をつん裂くような悲鳴……しかし、丸見えの秘唇からは風花の《本心》が溢れてきていた。
そこは咀嚼するようにヒクンッと蠢きながら、絞り出すように蜜を垂らしだしたのだ。
……風花は《懺悔》しているのだ。
訳知り顔で正義感を振り翳し、被害女性の救出と、蛮行を犯した犯罪集団を断罪しようとした己れの傲慢さを悔いているのだ。
当たり前の世界に居ては知り得なかった退廃の快楽は、例え身を滅ぼしたとしても体感したい麻薬的な悦楽に満ちている……と、身をもって知ったのだ。
吉田は豊満な胸を弄び、田中は甘えん坊な蜜壺と戯れる為に指を潜らせる。
そして鈴木は苦悶すら快楽の一部であると教え込む為に、風花の限界を探りながらピストンを押し込んだ。
「う"がッッ…！ッッがはあッ!?」
風花の脳裏に、さっき見せられた股座の内部が浮かび上がる。
腫れ物に触るようにしなければ簡単に傷ついてしまいそうなデリケートな肉襞が、粗暴な指に弄くり回されている光景がありありと浮かんでくる。
肛門もそうだ。
粘膜が剥き出しの空洞が、強制的に注入される牛乳に満たされていく様が浮かんできた。
男共が振り翳した《知る権利》と《見る権利》……風花はそれを無理矢理に知らされて見させられたが故に、自分の肉体に対しての凌辱の異常さを思い知らされていた。
そうなるよう、仕向けられたのだ……。
（……めちゃくちゃに…ッ……さ…されてる…ッ）
未体験の恥辱と嫌悪が、風花の意識をバリバリと掻き毟る。
視覚として捉えられている光景が鏡に映ったものか、それとも魂が抜け出して俯瞰から見ているものなのか、判断がつかなくなっていた。
勃起しきった乳首は真っ赤になって膨れている。
指を挿し込まれた秘肉は粘っこい汁をプシュプシュと噴き出し、異物注入の直撃に曝される尻は鳥肌塗れになってビクビクと爆ぜている。
眉間に深い皺を刻む紅潮した顔は目つきも朧で、声帯を掻き鳴らしての呼吸はまるで喘いでいるようだ。
異常な腹痛と疼きの板挟みとなった風花は、泣き腫れた眼球を剥きながら唇を捲り、相反する刺激を身体に刻み込まれてしまう恐怖に悶えていた。
重なり続けた恥辱の責めは、風花の《羞恥心》を過去へと葬りさろうとしていた。
それは今尚どこかに止まり続けている古芝風花という一人の女性の意志を剥ぎ取ろうとする行為であり、それだけは守りたいと願う小さな灯火を消し去ろうとする狂気そのものだ。