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恋売り。
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恋売り。〜愛の行方〜-6

屋上に連れて行かれた。
チャイムの音が聞こえた。
隣にいる蓮本に言った。
「これ、本鈴じゃないの??」
「別に、サボッても平気だろ??」
そう言って弱弱しく微笑んで。
あたしは校庭を眺め、蓮本は手すりによっかかっていた。
ここのくるまで、蓮本はあたしの腕を放さなかった。なにも言わず、ずんずん進む。
でも何故か暖かくて。心地、よかった。
でも、そこにはあたしのほしいものは無いじゃない。
あたしは、蓮本の愛がほしい。
同情なんかじゃない。愛で繋がっていたい。
「お前…、なんで先帰っちゃうの??」
「それは…。」
理由言ったら、告るようなもんじゃん。言えない。
「俺、悲しかったんだけど。」
悲しい??なんで??
「置いてけぼり、悲しかったんだけど。」
「あたしのことなんて…客だとしか思ってないんでしょ??」
「客って…最初からクラスメートだろ。客なんかじゃない。」
その言葉は嬉しかった。
でも、クラスメートだって。
所詮そこ止まりか。
「だから、あれだ。」
「どれさ。」
「あの、金なんか払わないで、逢いたいときは言ってくれれば行くし。」
そう言った蓮本は少し照れてる。様な気がした。
すごく、嬉しい。
でも…
「それは、同情なの…??」
聞いてみる。
「俺、そこまで出来た人間じゃねーよ。」
「…期待してもいいの??」
「いいんじゃない??」
耳を疑いたくなった。
「それは…。」
「お前のこと、気になるってゆってんの!!」
「え…??」
「最初は仕事だと思ったよ。でも…でも、ほっとけないだろ!!」
涙が頬を伝う。
「本当は辛いんだろ??強がってるだけで、弱いじゃない。お前。」
弱い…はじめて言われた。
みんなはあたしを【強い子】と評価する。
独りでも大丈夫。なんでも自分で出来る。ほっといても平気、だと。
あたしもそうしてきた。
でも、本当は寂しかったのかもしれない。ずっとずっと、悲しかったのかもしれない。誰も自分に興味を持ってくれてないんじゃないかと。
だから、人とと関わりをもたなかったのかもしれない。自分を拒絶されるのが怖かったから。
「ほら、泣きたいなら泣きなよ。」
そう言って、ぎゅっとしてくれた。
人の温もりに安心したのか、あたしを解ってくれたからなのか、あたしは壊れたように泣いた。蓮本の中で、泣いた。
そんなあたしを、蓮本は…ずっと撫でてくれた。
「あたし…蓮本が好きみたい…。」
「みたい??」
そう言って二人で笑った。
そこには確かに愛があった。
「俺もなにがしたいかなんてわかんないしさ、探しに行こうよ。」
「一緒に??」
「そ、一緒に。」


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