特進クラスの期末考査 『淫らな実験をレポートせよ』act.2-9
「西岡、あんたって最低ね」
教室を出た後、二人は保健室とは反対方行に歩いていた。
「お、ブラック美樹ちゃん。略して黒美樹」
等と、某番組の様に茶化しながら、西岡は面白がっていた。美樹はもう自分を取り繕う事もせず、3年間、一度も学校では見せた事の無い、自分本来の姿をさらけ出した。
何故だが、自分は西岡には敵わない。だから好ましく思っていなかったのかも、と美樹は諦めにも似た納得をした。
「それより、あんた何処に行くのよ」
取り繕う事もしないから口調さえ気にしない。面食らう事も無く、西岡は以前より距離が近くなっとさえ感じていた。
「い、い、と、こ」
キツネ目を細くして笑うから、あんたもう糸目じゃないの、等と悪態を吐いたが、西岡はケラケラと笑うだけだ。
本来の美樹に、西岡は少なからず好感を持ってしまった様に感じる。
二人は何だかんだ言いつつ、屋上に辿り着いた。
「んく…ダメ…」
甘い声が風に乗って消えて行く。
何故か西岡のポケットから屋上の鍵が出て来て、二人は難なく屋上に足を踏み入れた。
あんた何者よっ、と問い詰められても口笛を吹いて躱してしまう。もう美樹は笑うしかなかった。
本当におかしかった。
隣りにこんな得体の知れない奴が居たとは。美樹はお腹の底から笑っていた。
不意に腕を掴まれ引き寄せられる。
何度も経験した男の抱擁。
青姦だってしたことがある。だけど、屋上は初めてだ―――。
給水塔の裏に回り、二人は唇を重ねあった。
いくら陰であっても、寄り掛かった給水塔は熱い。そんな陰で二人は横たわり、キスを繰り返した。
目的は一つで、こんな遠回りは必要無い筈なのに、何故か二人は止めなかった。
ぷちゅ、ちゅぷぷ…
西岡の雄芯に唇を這わせ、美樹の唇はいやらしく歪んだ。時折見せる真っ赤な舌が、鈴口をいたぶる。
負けずに目の前のスカートを捲って、西岡は熟れ過ぎた果実にかぶりついた。
女性上位のシックスナインを楽しむと、朝の中途半端な疼きを思い出した美樹が、懇願するのに大して時間は掛からなかった。
「んね、お願い…欲しいの、入れてッ」
ぷりぷりと尻を揺らし、美樹は顔の見えない西岡に懇願する。
「指入ってんだろ」
だが、西岡は意地悪く、秘裂に差し込んだ人差し指を回転させるばかりだ。
「あんたのコレが欲しいのよっ。馬鹿、…っぁ、は、早く入れなさいよっ」
最後は涙声で、懇願、と言うよりも命令に近いお願いに、西岡はキツネ目を糸目に変えて吹き出した。
指を抜き、態勢を整えて向き合って座り直すと、美樹は本当に限界だったらしく、すぐさま西岡に抱き付いて来た。