特進クラスの期末考査 『淫らな実験をレポートせよ』act.2-4
ガタン…ガタン…ガタン…ガタン…
七時十二分。
今日も清水は、この満員御礼の小さな箱に乗り込んでいる。
加えて、立ち位置は昨日と同じ、目的地までの三十分間開かない左側のドアだ。
(やっべ…めっちゃ緊張する)
清水は破裂しそうな心臓を抱き、車内をくまなく見渡す。
(……いた)
自分の位置から数メートル離れた位置に見覚えのある姿を発見する。
清水は、見た目こそ色白で細い、眼鏡男…いわゆるアキバ系だが、人より記憶力に長けている男だ。
クラスの女子生徒の見た目と名前くらいは訳が無い。
(次の停車駅で…)
グッと拳に力を込め、刻一刻と迫るその瞬間を物にすべく、息を潜めるのだった。
…ガタン…ガタン…キィィィ…
各駅停車のこの電車は、止まる時の反動がつらい。
なんて言ったっけ、慣性の法則だっけ?等と、美樹は考えてみる。
しかし、すぐに思考はストップした様だ。
今の状態でもかなり満員なのに、また更に人がなだれ込む。
真ん中辺りにいた美樹も、流れに巻き込まれ奥へ奥へと押されて行く。
(シッ、死んぢゃう)
窒息寸前。細長い腕が美樹の腕を掴んで引っ張った。
かなり痛い。美樹が文句を言ってやろうと睨んだが、自分が引っ張り込まれた位置で容易に息を吐ける事に気が付いた。
(え、ええ!?)
細く白い腕が自分の両肩の隣りで踏ん張っている。
つまり…
「痛くない?大丈夫?」
見上げた顔は同じクラスの冴えない男子生徒、清水だった。
「あ、ありがと」
美樹は意外な人物に助けられ、少し驚いたが持ち前のスマイルを返す事に余念は無かった。
(…でも、参ったなぁ)
美樹はモゾモゾとスカートを押さえる。
そう、今日の美樹は下着をつけていないのだ。
(あぁ…どうしよう。ブラもしてないから乳首が透けてたら…)
そんな美樹の気持ちに気付いたのか、清水は体を段々と密着させて来る。
…いや、本当は横揺れで背中から圧倒的な力に押されて、密着せざるを得ないのだが。
「ごめん」
清水は片方の腕を肘まで曲げ、密着した。もう片方の腕は美樹の背中に手を回して保護している。
回りから見れば抱き合っている様にしか見れない。
(ええッ、ちょっと清水…)
少し汗臭いワイシャツに顔を埋める。電車の真ん中で揉みくちゃにされてたよりは居心地が良いが、この男臭さに下半身がジュン…と反応してしまった。
(ショーツ履いて無いのにいっ)
自分でも分かる、蜜が出た感触。ギュッと膝とお尻に力を込めて耐える。
の、だが…