投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

花のごとく
【熟女/人妻 官能小説】

花のごとくの最初へ 花のごとく 5 花のごとく 7 花のごとくの最後へ

花のごとく〜痛みという快楽〜-1

高花家三姉妹の母、佳代は昨年夫を亡くし、今年で八十三になる。
まだまだ頭はしっかりしていたが、足腰の方が最近滅法弱くなってきたので外出は控えがちだった。
老人会には誘われ行ってみた事はあったが、口に食べ物をもぐもぐさせながら妙になれなれしい老人たちに閉口し、二度と行くことは無かった。
あんな所に行くくらいならと、以来昔の事を思い出したりして毎日を過ごしている。

京子が生まれた時の事、智子がおもらしをした事、佐知子が高熱を出して危なかった事………


そして喜一さんの事。


目を閉じれば鮮やかに蘇る、あの夏の日々……―――



戦後の混乱が収まり、高度経済成長期にすすみゆく中、多忙な夫と佳代の性交は全くなくなっていた。
三人も娘を生んだのだから十分だと人は陰で言うけれど、四十を手前にした佳代体は熟れきり、まさに女の盛りをむかえて、貪欲なまでに性欲を求めていた。
あまりの激しい欲情の波に、素知らぬ男性に声をかけようか幾度迷ったかことか………。
しかし落ちぶれたと言えど、佳代は旧家の奥様であり、常に人目がひかっていた。
幼子のしめった手をひく着物の下に隠された欲情は、夏の暑さと共にぐんぐん高まっていった。

そんな折り、急遽決まった夫のいない夏の避暑は、子供を乳母に預けてしまえば、とても楽なものだった。
毎日広々としたテラスで本を呼んだり、別荘の周りを散歩したり、一人部屋にふけって自慰をしたり………。
そう、あの日も朝から湧き上がってきた激しい欲情の波に抗えず、一人ベッドの中で自分を慰めていたのだった。

「ぁあんッ…あっあぁ〜…!!」
普段家事をしない白魚のような指はその体つきの割にふさふさ茂る陰毛の谷をくぐり抜けて三人の子を産んだ性器へ激しく出入りを繰り返してゆく。
片方の指は自らのたるみかけた乳房を揉んで乳首をきつくつねり、半ば虐めるようにしておどろおどろしい快楽の谷へつきぬけていった。
夫としか経験した事のないという乏しい性体験ではあったが、若い頃の佳代はあまりの美しさに、すれゆく男はみな振り返ったものであった。
そして時たま通りかかる露天商や、下町の飲み屋の前などでは露骨に下品な言葉で冷やかされたものだった。
当時の佳代は心底嫌悪したものだったけれど――――…………
しかし、いつもこんな時に思い出すのは決まって彼らの事なのだ。
彼らのいやらしい目だとか安物の金ぴかネックレスだとかしなびた下着のしたからもわかる性器は、なぜだか十数年たった佳代の性器のヒダを潤わせてやまない。
「あッ……はぁん………」
指に慰められた性器は十分に潤い、痙攣するような快楽に熱くはなったが、肝心な物の不在に絶頂むかえることなく段々と冷めてゆく。
これと比例してやはり佳代の気持ちにも虚しさが広がっていった。


花のごとくの最初へ 花のごとく 5 花のごとく 7 花のごとくの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前