キャビンアテンダントの息臭と放課後小6女児の匂い-5
身体が固まる。ロリコン、という言葉が一日に二回も俺のこととして発せられる。いや、琴美のは「目覚めちゃうんじゃない」と仮定形だったけれど綾菜ちゃんのはほぼ断定で終止形だ。
「え、いや」
「だってお兄ちゃん、こないだ綾菜のはだかでおなにいして、いっぱいせーえき出してたよね。それに、しのちゃんって綾菜よりも4学年も下だし。小学生でえっちなことするのって、ロリコンだからでしょ」
図星、だ。まあ、たしかにあの時みたいなことおいてペドじゃないと言ったところで説得力はない。
「だからお兄ちゃん、こういうの見たら、こーふんしておちんぽ硬くなっちゃうんじゃない?」
そう言うと綾菜ちゃんは立ち上がって、グレーのスカートの裾をたくし上げた。ランドセルを背負った綾菜ちゃんのスカートの中、ふっくらとし始めた太腿と、白地に赤と黄緑の小さなドット柄の入った女児パンツが露わになる。部屋の照明と、窓からどこかを反射して差し込むまだ長い夕日の明かりが、女児パンツの膣当て表面をうっすらと染めるおしっこの薄茶色のシミをはっきりと照らし出す。は、はい、綾菜ちゃんの言うとおり、こーふんしておちんぽが硬くなります。もうとっくにそうなってはいるけれど。
「お兄ちゃん見て、綾菜がきのうからずっと穿いている、12歳の小学生のロリパンツのシミだよ」
スカートの裾を左右に広げるようにして立っている綾菜ちゃんが無邪気に笑う。そのあどけなさと、綾菜ちゃんの口からこぼれる言葉とのギャップが、混乱と内分泌の増進を促す。たぶん俺の亀頭の先端からは、柚希ちゃんの息臭で抜いたことがはるか過去のことであるかのように新鮮な先走り液がねっとりと分泌しているに違いない。
「綾菜ちゃん、そういうのってどこで」
「へへー」
スカートの裾から手を離した綾菜ちゃんは、枕元からあのタブレットを取ってタップし、画面を俺に見せた。かなりむりやりにスク水焼けした、三つ編みで細身で貧乳の合法ロリが教室みたいな場所で上半身裸で立っている。制服っぽい紺のスカートをさっきの綾菜ちゃんのようにたくしあげていて、下着を穿いていない股間には剃毛したっぽい無毛のワレメがくっきりと映し出されている。例の海外サーバーの無修正動画だ。
「でも、これってほんとうは大人の女の人だよね、このあと男の人とふつうにせっくすしてるし。綾菜みたいなほんとうの小学生のえっちな動画探したんだけど、見つからないの」
まあ、そりゃあそうだろうなあ。ジュニアアイドルのDVDだって流通が難しくなってるくらいだし。
「だからね」
綾菜ちゃんがまた画面をぽんぽん、とタップする。ほら、と見せてくれた画面に映っているのは、今度は紛うことなく小学校高学年くらいの女児が大学生の「お兄さん」とあんあん言いながら騎乗位でセックスしているカラーのイラストだ。結構なリアルさに思わず息を呑む。
「こーいう、イラストとかマンガとかあとロリ小説とか、そういうのでロリコンの人がどういうことが好きなのか研究したんだ、へへー」
もう秋だけど、エアコンが入っていないとやっぱり暑いな。俺の背中にも首筋にも、じとっ、と汗が滲み始めている。暑さのせいばかりじゃないかもしれないけど。
「だから今日は、お兄ちゃんがよろこびそうなこと、いっぱいしてあげるよ」
前髪が下りている綾菜ちゃんのおでこも、うっすらと汗ばんでいる。寝室のドアは俺がさっき無意識のうちに閉めたから、そんなに広くないこの部屋には、もともと染み込んでいる匂いと、甘酸っぱさが増してきた体臭と、室温と同じくらいに熱を帯び始めた吐息の息臭が混じった、綾菜ちゃんの小学6年生の身体から分泌される匂いが充満している。その匂いの中には、さっき綾菜ちゃんがスカートをたくしあげて見せてくれた女児パンツに染み込んでいたおしっこの匂いも混じっているのかもしれない。
「あ……うん……」
もう完全に逃げられない。前回と同じだ。
綾菜ちゃんがくる、と振り向いて、ベッドの上で四つん這いになった。グレーのスカートのお尻を突き出すようにしながら、ヘッドボードの上の棚をごそごそとなにか探している。夏休みの終わりごろにこの部屋で見せてくれた全裸の綾菜ちゃんの後背位姿が脳裏をよぎる。ああ、もうそろそろ限界だな、でも綾菜ちゃんの前でチノパンの中で射精するのはあまりにもみっともない。けどどうすれば。
綾菜ちゃんが半身を起こして俺の方を向く。その右指が、棚にあった引き出しの奥から出してきたっぽい、小さな薄紫色のアルミの袋をつまんでいる。ふだんの俺にほとんど縁のない、けどどういうわけか ―どういうわけかもなにも、綾菜ちゃんが見ているような動画でたまに出てくるから― その名前を、目的を知っている、コンビニで絆創膏なんかの下の方に目立たないように細長い箱で置かれているもの。琴美や柚希ちゃんみたいに、彼氏とセックスしている大人の女の子なら知っていたり持っていたりしても不思議じゃないけど、小学6年生の綾菜ちゃんが手にしているのはあまりにも不自然で、でもペドフィリアなら性欲をかきたてるアイテムになってしまうもの。
「綾菜ちゃん、それって……」
なのに、俺はたぶん綾菜ちゃんの口からそれが何かを言わせようとしている。いや、12歳なのに性に興味津々の綾菜ちゃんなら自分から言っちゃってたかもしれない。
綾菜ちゃんがにっこりと笑う。ちょっと大きめのかわいい二本の前歯が唾液で濡れている。その唾液の匂いも混じっている、空港駅で会ったときよりも濃くなった息臭を俺に嗅がれながら、12歳の幼く無邪気な笑顔の綾菜ちゃんが右手を俺の方に突き出して言った。
「これ?うん、こんどーむ、だよっ」