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こいびとは小学2年生
【ロリ 官能小説】

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キャビンアテンダントの息臭と放課後小6女児の匂い-4


 そう言って俺の左手をきゅっ、と握る。12歳の女の子の手のひらの感触と、俺の顔を見上げて笑う綾菜ちゃんの、学校で一日過ごしたあとの小学6年生の息臭とが、俺の心拍数を上げる。や、ちょっと待て俺、混乱とあまりにも短絡的な性的興奮が入り混じって思考回路がおぼつかなくなっているぞ、ちょっと整理しろ。

「ええと……綾菜ちゃん、なんでここに?」

「お兄ちゃんに会いたかったんだもん。綾菜、ほんとうは昨日も来たんだよ。でもお休みだったから会えなかった。会社のお姉さんにお兄ちゃんが次いつお仕事かきいたら教えてくれたから、今日は学校終わってからそのまま来たんだ」

 昨日琴音が会った子って綾菜ちゃんか。まあ確かに小学校高学年で、こども飛行機体験に参加していた子たちかどうか琴美に記憶がなくて、琴美いわく「あんなにかわいい子」。言われてみりゃ綾菜ちゃんに符合するんだけど、まさか空港に来るなんて想定外だから思いつきもしなかった。

「あ、そう……あ、いや、でも、なんで」

「だってぇ……」

 綾菜ちゃんが唇を小さく尖らせる。ねえ綾菜ちゃん、まさかあのジュニアアイドルのDVD見て、仕草とかそっくりになるように研究してない?

「お兄ちゃんに、おねがいごとがあったから」

 上目遣いでそう言う綾菜ちゃんの身体から気流のように昇る放課後の小6女児の体臭が俺を包む。思わず後ろを振り向き、エスカレーターにもその先のホールにも人影が見えないのを確かめる。
 綾菜ちゃんの手を引いて改札からホームに入る。こっちの改札口はもともと無人だし、平日のこの時間の空港駅からの乗客はほとんどいない。これじゃ何年経っても運賃下がらないわけだ。
 俺と綾菜ちゃんだけが乗った車両のシートに、綾菜ちゃんが俺とぴったりくっつくようにして座る。俺の右手の甲に、綾菜ちゃんのグレーのスカートの裾からはみ出した膝上のやわらかな肌が触れる。つい目が合った綾菜ちゃんの眼差しに咎める雰囲気はない。

「それで、その、俺にお願いごとっていうのは」

 ドアが閉まり、電車が動き始める。そのときはじめて気づく。これ、直通急行だ。俺んちの最寄り駅には停まらない。

「うふふ」

 俺の肩に頬を寄せるようにして、綾菜ちゃんがかわいい声で笑う。綾菜ちゃんの頭から、女性ホルモンの分泌が始まりかけた思春期の甘酸っぱい体臭と汗の匂いが混じった12歳女児の匂いが漂う。勃起しかけた股間の上のトートバッグが頼もしい。いや、そういう問題じゃない。

「あのねぇ、綾菜……」

 そう言いかけて綾菜ちゃんは、ふとドアの上のデジタルサイネージを見上げる。この電車の行き先と種別が表示されている。

「あ、これ直通だ。綾菜のおうちまで一本で行ける。ね、お兄ちゃん、うちにおいでよ。おねがいごと、綾菜のお部屋でおしえてあげる」

「いや、でも綾菜ちゃんのお母さんが」

「ババア?ババアなら今日は夜まで仕事だからいないよ」

 相変わらず絶賛反抗期中なのか。

「帰ってくるのは十一時すぎてからだよ、だいたい」

デジタルサイネージに時刻が表示されている。六時三十八分。

「そうだ、しのちゃんは、今日と明日しのちゃんのママといっしょに夜まで喫茶店にいるって、昨日言ってた。だから」

 綾菜ちゃんが、顔をぐいっ、と俺に近づける。柚希ちゃんと違ってもちろんリップが塗られていない唇の赤唇溝がくっきりと見えるくらいの距離にある、綾菜ちゃんの12歳の口から、また放課後の小学6年生女児の息臭が温かく漏れて俺の両方の鼻腔に流れ込む。

「綾菜とお兄ちゃん、夜までふたりっきりだよ」

 股間が、痛い。勃起した陰茎がチノパンに締め付けられるのと包皮に巻き込まれた陰毛が勃起で引っ張られるのとで。この状況、「こいびと」がいる身としては逃げたほうがいいんだろうけど、逃げるも何も、この電車の次の停車駅は綾菜ちゃんの家の最寄り駅だ。



 夏休みの終わり頃に歩いた道を、あのときと同じように綾菜ちゃんの荷物を持って歩く。電車がホームに滑り込んだ瞬間、綾菜ちゃんは背中のランドセルをひょい、と降ろして俺の膝のトートバッグの上に置き、開いたドアからたたっ、とホームに下りていった。そのランドセルとトートバッグを抱えて綾菜ちゃんの後を追う。状況が状況なら、ランドセルに差し込まれたリコーダーにもう少し意識を寄せたいけれど、小走りで先を行く綾菜ちゃんに着いていくので必死だ。昨日といい今日といい、俺の体力はとにかく小学生の女子にも負けてるってことだな。
 脱いだままの黒いスニーカーを玄関に散らかして、綾菜ちゃんが廊下右側のドアを開けて寝室に入っていく。仕事の後の身体で小走りしたからか、それとも別の理由からなのか、脈がひどく乱れている。
 寝室に立っていた綾菜ちゃんは、俺からランドセルを受け取ると、なぜかそれをもう一度背中に背負った。俺に学習机の椅子に座るように促し、自分はベッドに腰かける。部屋のエアコンは、今日も動いていない。

「あの……」

 情けないくらいにかすれた声。綾菜ちゃんがおかしそうに笑う。

「うふふっ、お兄ちゃんかわいい」

「……」

「ねえ、お兄ちゃんって」

 綾菜ちゃんが前のめりになる。プルパーカーの胸元は、紐が強めに引いてあるのか緩んでいない。

「本当はロリコン、なんでしょ」


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