『縄母・志摩子(M512)の刺青』-6
(3)
縄の感触の虜に戻ってしまった身体は始末に負えません。
メークの仕事をしていても、ズキズキする蜜の穴があさましく蠢くのが分かるんです。家に戻る地下鉄に乗っていても、車両が揺れる度にチュプ、プチュッと嫌らしい音を立てて訴えてくるんです。
アパートの前の路上で私の仕事帰りを待ち構えている亮くんの姿がありました。
(……ああっ。今日も来てくれたのね)
身体の芯がドロッと蕩けて、一日中疼きっ放しだった蜜の穴が爛れていました。
「ゆ、悠一はどうしたの?」
「アイツは大丈夫。俺の別の子分の家で遊んでて、十時までは絶対に帰さないってことにしてあるから、安心して愉しみなよ」
亮くんはリュックをポンポンと叩いて、その中に私を狂わせる道具がぎっしりと詰まっていることを仄めかすのです。
「おばさん、ここで俺に猥らな貌をしてさ、嫌らしい舌を使ってキスしてよ」
二階に上がる階段で亮くんは私に命じてくるんです。
亮くんは淫らなベロチュウが好きなんです。
私はアパートの住人に見られないかとドキドキします。でも、淫乱ドMの狂態を演じてみせなければ、亮くんのご機嫌が悪くなるんです。
「ああん、亮くん……おばさん、今日も亮くんの縄が恋しくて……たまらなかったの」
そう言って、亮くんの口唇にしゃぶりつくんです。ベロベロして、亮くんの舌に絡ませるのです。
「へへっ。キスだけで、もうヌルヌルにしてんだろ?」
階段を昇る足取りがふらつくくらい、身体が熱く燃え上がっていました。ゾクゾクする戦慄が足元から這い上がってくるんです。
玄関のドアを閉めるなり、着ていた服を全部脱ぎ捨てて、私は亮くんの縄奴隷にされるのです。黒のパンストで隠していた牡丹が色鮮やかに浮かんでいます。ショーツでは覆いきれないデルタゾーンの牡丹と三匹の蛇。毎日の日課のように自分でツルツルに剃り上げる恥丘には、蛇の猥らな舌が女体の甘い蜜を吸っているんです。
「ああっ。片脚吊りは辛いの……」
アパートの薄い壁が気になります。隣の一人住まいの男がいつも聞き耳を立てて聞いているような気がするんです。そのダイニングの壁際で、大きな鉤フックに架けられた縄で右脚だけを吊り上げられ、私の裸身は『ん』の字にされるのです。
バストとウェストを固く縛った縄が素肌に喰い込んでいるのがたまらないんです。
「おばさんは、縄が欲しくて昼間からずっと濡らしてたんだろ……もうオマンコが泡を噴いて、ヒクついてるじゃないか」
私の開ききった股間は無防備そのものです。そこに亮くんは指先を這わせながら、私の愉悦をクチュクチュと掻き立てるんです。
「どっちが欲しい?」
亮くんが手に持っていたモノは、真っ黒な極太の恐ろしく長いディルドと先端にイボイボの触手の付いた電マでした。
「ああ、あっ……ど、どちらでも。亮くんの好きにしてっ」
私に選択なんて出来ません。
「言わなきゃ、あげないよ」
亮くんは割れ目弄りも止めて、私の片脚吊りにされた右脚の牡丹の刺青に十本の指の爪を立てて引っ掻くんです。滑らかな肌が破れて血が吹き出るかと思うような残酷さです。