『縄母・志摩子(M512)の刺青』-10
(5)
あの夜から、私は一人息子の縄奴隷にされてしまったのです。
若い悠一の欲望は抑えようがありません。勉強なんかそっちのけで、夜毎私のベッドに来て、禍々しい縄の束を見せつけるんです。
私の身体は縄の束を目にするだけで、抵抗出来なくなってしまいます。
寝室の至る所に、私を片脚吊りにする鉤フックを打ちました。いつも片脚吊りにされ、大きく裂かれた股間を嬲られるんです。下腹の刺青の牡丹を叩いて、私をイキ狂わせるんです。
寝室を横断するように結び目の瘤のある一本縄が渡され、それを私が股間に挟み込んで割れ目に喰い込ませながら、何度も往復させられることもあります。
私は腰を前後に猥らにクネらせ、一本縄の瘤で割れ目を擦りあげながらヨガリ哭く姿を悠一に見られるんです。しかも、動画の撮影までされるんです。
「あああっ。こんな恥ずかしい姿を撮らないでっ……」
「ママッ、凄いよ……もっと猥らな貌になって、カメラを見ながらイクんだよ」
縄に酔い痴れる身体に悠一は鞭を振って、私を何度もイカせるんです。
こんな猥らな縄奴隷の姿を晒していながら、最後の一線だけは越えることがなかったのです。私は我慢したんです。一カ月くらいは、悠一も我慢してくれていました。
でも、悠一が見つけてきた『O嬢の館』のサイトの画像に目が眩みました。
私に『O嬢』になれって言うんです。
「これなら、いいだろ。下半身だけのオナドールみたいなものさ。壁を隔ててヤル相手は見えないんだから。僕とママじゃないんだから」
理屈になっていないのですが、悠一からしつこくせがまれ、私の心も魔が差したみたいに揺れ動いてしまったのです。
「……こ、こんなこと、一度っきりにしてね」
悠一のしつこい求愛に押し切られてしまったんです。いえ。母子相姦の罪の深さに慄くよりも、私の身体が息子の悠一を激しく求めていたのは確かです。
当日、私は首から足首まで、全身に縄をギチギチに打たれた恥ずかしい姿をコートで覆って、『O嬢の館』に連れて行かれることになったのです。
こんな全身緊縛された身体で、アパートから外に出るなんて初めてのことです。悠一は浮かれきっていました。
電車の吊り革につかまって揺られているうちに、縄酔いした『O嬢』になって悠一のモノを受け入れる背徳の瞬間をいろいろと思い浮かべていたんです。
「ママ……すごく素敵だよ。最高だよっ」
私の火照りかえった貌を斜め後方から見詰める悠一の視線がやけに目眩しいんです。
私のコートには底の無いポケットがありました。ポケットから突っ込んだ悠一の両手が縄目を弄ったり、刺青の彫られた下腹部を責めたてたりするんです。まるで卑劣な痴漢行為です。
(あああっ、止めてっ……ママに恥をかかさないでっ)
振り返って睨みつけるのですが、悠一の目には私が全身に絡みついている縄に酔って、痴漢行為に蕩けているような女に映っていたのかもしれません。
お臍の下の真っ赤な牡丹を激しく押してくるんです。
私の身体の弱点を知り尽くしてしまった悠一の悪戯に、私は熱い吐息を噴き上げながら首を何度も仰け反らせて、耐えるしかないんです。