浮つく気持ち-3
昼食を終え会社に戻ると、修とアンナは外回りに出掛けて行った。
(いつも2人で一緒に出かけてたら、そう言う関係になっちゃうよね。行ってらっしゃい♪)
2人の背中を見てそう思った。アンナには何の恋敵的な感情も悪意もない。むしろ同年代の女子として仲良くやって行きたいなと思っている。ただ修への感情が少しずつ増えているだけだ。さっき2人が付き合ってると聞いた瞬間、少しショックを受けた気持ちは、まるでフラれたような気持ちだった。どうして修にこんな感情を受けるのか自分でも全く分からない。一目惚れはまずない自分の性格を知っている梨紗は少し混乱していたが、自分には旦那も子供もいる。きっと芸能人なんかを好きになる感情なんだと自分を納得させて仕事に集中した。
「あいつら、ヤッてるかなー?」
「絶対ヤッてるって!」
「いや、高梨さん、金井さんみたいのタイプじゃないはずだからなー。」
事務所ではそう話す社員がいた。
(何か、そーゆー目で見る人ってヤだな…)
ヤッたヤらないと話がどうも好きになれない梨紗は2人の応援派の1人であった。
車に乗り得意先に向かった2人。アンナはどこかずっと嬉しそうだ。
「ねぇ修ぅ?」
「ん?」
「したくなっちゃった♪」
「あっ??」
「したくなっちゃったー♪」
「オマエ、したら間に合わないだろ…」
「だよねー。じゃあ、商談終わったらしよ♪」
「てか、仕事終わってからでいいじゃん。」
「ヤダ。我慢出来ない♪」
「…しょうがねぇなぁ、さっさと商談終わらすか♪」
「仕事はちゃんとやらなきゃダメですよー♪」
「…どっちなんだよ。」
「ンフッ♪」
悪戯っぽく笑うアンナは、会社に帰る時間を遅くしたいのかも知れない。それは修が梨紗に会う時間を少しでも削りたい、そんな気持ちが含まれている事に修は気付いてはいなかった。
(でもしたいんだもん♪)
どちらにせよ今すぐにでも修に抱かれたい気持ちには変わりはない。昨日もたくさんセックスした。今日は修のアパートに泊まる予定だ。いくらしてもし足りないぐらい修が好きだ。
(ああん、もう濡れてきちゃった…。フフフ、この体ってホントにスケベだなぁ。)
すぐ濡れてしまうこの体が気に入っているアンナであった。