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ある熟女の日々
【熟女/人妻 官能小説】

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同級生との交流-5

 (一緒に…!?)安心した途端に今度は予想外な答で切り返された気がした。でも、否定的な気分ではない。修学旅行の夜という日常を離れた状況ではあったが、お互いの指で快感を貪ったあの夜の出来事は、また体験してみたいと思ってもいたから…。

 予想外と言えば京子が「自慰」ではなく「オナニー」という言葉を使ったのも意外だった。今度は(とぼけているなどと言われないように、大げさだけれど覚悟を決めて答える。

 「わたしも。京子と一緒にオナニーしたい」 しばし沈黙する二人。雰囲気としてはキスにでも移っていきそうなところだったが、屋上にはほかに何人かくつろいでいる生徒がいる。なにより、二人とも弁当が食べかけのままだった。

 「お弁当食べよ(急いで)」
 「うん(急いで)」

 お弁当を食べ終わると、京子が入っている「文芸部」の部室へ向かった。二人で足早に向かった部室には誰もいない。ドアを閉めてすぐにキスを交わす。待ち焦がれていたようにためらいなく唇を重ねる。そしてどちらからともなく舌を絡め合う。お互いの口の中に残る弁当の味覚を舌で舐め取りながら…。 「はい。ちょうど1分」

 不意に京子が唇を離して赤い革のバンドの腕時計を見ながら告げる。わたしは10分くらいは続いていたのではないかと思うぐらいキスに夢中になってしまっていたが、京子は時々目を開けては腕時計の針を追っていたのだろうか。わたしは腕時計は持ってはいるものの、手首に着けているのが億劫で普段は教室の時計をあてにしている。

 「もっとしていたいけど、ここで授業をサボってるようじゃだめなのよ」

 素振りにまで表してしまっていたとは思わないが、京子が諭すような口調でわたしの気持ちを見透かしたかのようなことを言う。実際、心の中では京子が言ったとおり(もっとしていたい)と思っていたのだけれど。

 それでも、このままお互いを愛撫していたい気持ちをこらえて、素知らぬ顔で午後の授業もちゃんと出席することが大事なのだ。二人の関係を刹那的なものではなく大事に考えていることの表れであるようにも思えた。腕時計もしないでカバンに入れたままの自分がひどく子供じみて思える。

 教室に戻ったところで午後の授業の開始を告げるチャイムが鳴った。わたしの席は後ろの方。前の方に席がある京子の後姿を見ながら何を考えているのだろうと思う。気持ちの切り替えがハッキリできるタイプのようだから、授業に集中しているのだろうか。少なくともわたしは授業は上の空でしかない。

 (部室も放課後になれば必ず誰かいるし、図書館も人気がないようで思いもよらぬところで誰かが居たりする。校内は結局どこかに人目がある。どこに行けば京子と二人きりになれるだろうか…。お城の跡の公園も散歩している人が多いし…)

 ふと八幡さまの境内が思い浮かぶ。

 (あんな静かな神社みたいなところ、学校の近くにあったらいいのに…。はやく京子の指でわたしのアソコを弄ってほしい…)

 京子は、懲りずに私語を繰り返す幼稚な生徒たちやムキになって怒声を上げる教師など眼中にないように、黒板の文字をノートに写し取っている。わたしはと言えば、『男と女』ではなく『女どうし』であるとは言え、学校帰りに同級生と『アオカン』できる場所を妄想している…。  「私語は慎みなさい!」

 授業をしていた先生の声が耳に刺さってくる。我に返ったわたしは『妄想も慎みなさい!』と言われたような気がして勝手に恥じ入っている。

 授業が終わるが、京子がわたしの席に話をしに来たりする気配はない。教室の中では親密なそぶりを見せないことにしているのだろうか。そう考えると、わたしから京子の席に行くのも不自然だから、京子は望んでいないだろう…。そんなことを考えているうちに、休み時間もその日の授業も終わってしまった。

 京子はひたすらいつものように、ふっと教室から姿を消してしまった。昼休みのことがなんだか夢のようだ。修学旅行のときも翌朝に同じことを思ったけれど、京子がキスをしてきて夢ではなかったと思った。でも、今日はそのようなことはないだろう。いつものようにバスに乗ろうとバスセンターに行く。

 ほかの路線のバスよりもひとまわり小さい車体のバスが発車を待っている。いつものように最後部の座席に進んでいこうとしてわたしは息を呑む。吉田京子が手にした文庫本から顔を上げてわたしを見てニヤっと笑っている。

 「ど、どうしたの?」

 隣に座って小声で訊く。

 「だって、さっき途中で終わったじゃない」
 「…京子が方向違いな田舎バスに乗ってたらおかしいじゃない。誰かに見られたらどうするの?」

 朝は一緒になる真由美は運動部に入っているから、この時間帯のバスに乗り合わせることはほぼないけれど…。

 「そうかな。クラスメイトの家に遊びに行くくらいよくあることじゃない? あるいは、アンタが現れる現れないに関係なく、今度、文芸部で発表する作品集に、田舎のバスもしくは田園風景を主題にした短編でも書こうと思って取材のためにバスに乗っていた、ということも考えられるが…」

 理知的な風貌が一段と切れ味鋭く見える。

 「ウチに来る?」
 「お母上にお会いしたい気持ちもあるが、今日は正直そこまでは考えてなかった。さっき時刻表も見たけどこの路線は遅くまで走ってくれてないし」


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