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「短編集『O嬢の館』の女たち」
【SM 官能小説】

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第一話 『人妻・有佳(M451)のビアンの夢』-3

(3)
 高校時代から、二人のビアンの関係は続いています。ずっと梨々子がタチで、甘えん坊のわたしはMのネコでした。

 梨々子にわたしのM性を暴かれたのは、高2の秋、二度目のベッドの上でした。

 わたしはお尻を高く突き上げるように言われて、凄く恥ずかしいポーズを取っていたんです。
「有佳のお尻、カワイイんだから」
 バチーンッ。
「ああっ、嫌あっ……」
 突然、お尻をぶたれたんです。痛くて、恥ずかしくて、嫌なのに、痺れるような快感がわたしの身体にふつふつと沸き上がっていたんです。

 お尻を叩かれて、どうしてあんなに身体が熱く燃え上がるのか、わたしには自分の不思議な性が分からなかったんです。

「有佳はね、生まれつきのMなの」
 梨々子はそう決めつけて、わたしをいたぶったんです。ひどく辱めたんです。

 梨々子の一日穿いていたショーツを口に咥えさせられ、身体を縛られ、お尻をぶたれた後で、ペニバンで犯されました。
わたしのバージンは梨々子の二本の指で奪われたんです。

 同じ女子大に入学してからも……大学の構内をノーパンで歩かされ、校舎の陰でスカートを捲り上げた恥ずかしい姿を撮影されたり、講義中の教室であそこを弄られたり、映画館の暗闇でバイブを使われたりしていたんです。

 梨々子の指と舌のテクは絶妙なんです。魔法のような秘戯でわたしがクタクタになって絶息しそうになるまで責めたててくれるのです。

 わたしはずっと梨々子に夢中です。梨々子の猥らなサディスティック・ラブの異常な世界に溺れているんです。

 不思議な関係です。二人は強い絆で繋がっていて、深く愛し合っているのですが、お互いに男性とのセックスも認めあうことにしたんです。お婆さんになっても二人の関係を継続できるベストなビアンの生き方だと梨々子が言い張ったんです。

 わたしが両親の薦めで大学卒業してすぐに結婚した時も、意外なほどあっさりと認めてくれて、心から祝福してくれたのです。

梨々子は未婚のまま、OLを続けてます。
 結婚してからも梨々子に抱かれて眠ることが月に一度か二度は必ずあるんです。夫が一泊の出張で家を空けることがしばしばあります。仕事一途な夫は梨々子との関係を疑うことすらありません。

 梨々子との関係が続いているお陰で、わたしに性の不満はなかったのですが……。梨々子は男性とのセックスも愉しまないとわたしがカタワになるって言うんです。

「今度、一緒にこの『O嬢の館』に行ってみようよ……この狭いキャビンで上半身はわたしとイチャイチャ戯れながら、壁を隔てた下半身を知らない男に弄ばれるの。ゾクゾクするでしょ」
 梨々子からの猟奇的で倒錯的な誘惑に、わたしは逆らえなかったのです。

 梨々子の話はまるで夫とセックスしている時のわたしのことのように思えました。上半身と下半身が別物のような……。
 夫とは月一くらい単調なセックスをします。味気の無い下半身だけの繋がりみたいなものです。でも、夫が挿れている間もずっと梨々子のことをわたしは想っているんです。

「いいのね?……じゃ、有佳のスマホ、貸して」
 梨々子はそう言って、わたしのスマホで『O嬢の館』の会員登録を簡単に済ませてしまったんです。その会員番号が『M451』でした。
 梨々子の会員番号は『M108』です。

「自分でオナニーするくらいなら『O嬢の館』に行って、見ず知らずの男のチンポで姦られるほうが余程スッキリするから、わたし、メンバーになってるの」
 梨々子は平気な顔をして、オナニー代わりに『O嬢の館』を使って愉しんでいると告白したんです。『O嬢』はどうやらオナドール嬢という意味のようです。

 わたしは、まがりなりにも人妻です。それなりに思い悩んで、なかなか猟奇的な館に行く勇気がなかったのですが……。

『あああっ。オマンコ、イクのおっ……もっと突いてっ。イッてるわたしのオマンコを、もっと、もっと突き上げてっ』
 梨々子から見せられたSNSの女教師の絶頂に哭き狂う映像が目に焼き付いて離れなかったんです。



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