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「短編集『O嬢の館』の女たち」
【SM 官能小説】

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第一話 『人妻・有佳(M451)のビアンの夢』-1

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 都心から電車で20分ほど離れた学生街に『O嬢の館』という特殊なマッチングサイトの会員制の風俗店があるんです。ご存知でしょうか?

 『O嬢』の女性と相手の男性、お互いの顔を見合わせることがないんです。顔も名前も素性も知られる心配がなく、お互いの恥ずかしい性癖を存分に曝け出せるのです。それがこのサイトの最大の特長です。

女性はネットで会員登録さえすれば、自分の好きな日時を選んで店に行き、好きなだけ欲求を満たして、性の不満を解消できるという店です。

普通の性風俗店と違っているのは、女性はお金を稼ぐことが目的じゃないんです。ただ、凌辱されるためだけに行くのです。女性は相手の男性を選ぶことは出来ません。

たまにチップを頂くことはありますが、あくまで女性は無報酬で男性に下半身だけを使って頂くラブドールなんです。

 わたしは『M451』という会員番号です。おそらく451番目の女性会員ということのようです。

 駅前のメインストリートの日常風景から、路地を曲がった商業ビルの地下に入ると、そこはまるで異世界です。
男性会員の入口とは別のビルの裏側の階段から女性は出入りが出来ます。

 女性の申告している簡単なプロフィールだけで男性は入店予定のO嬢を選ぶんです。
女性は入会時に『熟女』『人妻』『お嬢様』『学生』『OL』『教師』『ドM』『アナル』『フェチ』『潮噴き』といったタイプを最低一つは選択して登録します。どうしても拒絶したいプレイとして『鞭』『異物挿入』『中出し』『アナル』の申告も出来ます。『中出し』を拒絶する女性はまず相手から選んでもらえないようです。

 偶然の出会いです。でも最初のプレイで気に入ったO嬢を再度使用したい場合は、その女性の会員番号を覚えておいて、彼女の入店予定をチェックして、誰かに確保される前に予約を入れればいいんです。

予約を取ると同時に、地下一階の店に入るドアと個室のドアのオートロックを開く暗証番号を手に入れるという仕組みです。男性の料金は60分単位の時間制で、すべてネット決済ですので、店の従業員と顔を合わせることもありません。

『キャビン』と呼ばれているカプセルのような狭い部屋が6部屋並んでいます。女性はNo1から6のいずれかの空いている『キャビン』に入店予定を入れておきます。

そこで下半身だけ裸になって横たわり、足先の壁の下にぽっかりと開いている穴にお臍から下を『ブース』に向かって突き出すんです。壁の向こう側の『ブース』に下半身だけをラブドールのオブジェのように剥き出しにして、予約して下さった男性に自由に遊んでもらうのです。

 『ブース』に入る男性は通常は一人ですが、複数人で遊びたい場合は最大3名まで入室可能です。

 隔壁の穴はゴムのシートでウェストを絞めつけていて、ピッタリと塞がれています。お互いに相手のことを絶対に覗くことは出来ません。

お互いの声はよく聞こえるようになっています。会話を愉しむことはもちろん可能です。男性の荒い息遣いも、女性の喘ぎ声もお互いに耳にしながら愉しむんです。

 わたしは『キャビン』に入ると大石有佳という名の人妻から、『M451』と呼ばれる『O嬢』、下半身だけを不特定多数の男性に弄んで頂くMドールに変身するんです。



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