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ある熟女の日々
【熟女/人妻 官能小説】

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一人になった夜-2

 高校3年生だった上の姉も信用金庫に勤めることになって家を出ました。上の姉にボーイフレンドがいるということをおかあちゃんが教えてくれていましたから、学校を出たら勤めに出たりしないでお嫁に行くのかと思っていました。ボーイフレンドは「よろずや」の本家筋の人で、姉が二十歳になったら結婚したいと言ったそうですが、家で家事見習いをしていても、暇を持て余すだけと母が就職を勧めて、信用金庫に勤めることになりました。はじめは家から通える店舗に配属されることが多いそうですが、姉は本店に配属されることになって、この辺りではいちばん大きな街で一人暮らしを始めることになりました。

 「いきなり本店なんてすごいな、○子ねえちゃん」
 「そんなことない、ただの員数合わせよ」
 「遊びに行ってもいい?」
 「ああ、ええよ。お父ちゃんとお母ちゃん、よろしく頼んだわよ」

 そう言って姉は家を出ていきました。 

 母とテレビを見ていると、母がふと話しかけてきます。

 「アンタも好きな人でもできたら、お母ちゃんに教えてな?」
 「好きな人なんかいないわよ」
 「今はいなくても、突然いるようになるかもしれんしな。そんときは、いろいろ教えにゃいかんこともあるからなぁ」
 「ふうん、そうなの。…じゃ、おやすみ」

 3人だけになった家では、今夜も仏間で両親が話をしています。冷蔵庫から飲み物を取りに台所に来ると話し声が聞こえます。

 「残るはアイツだけやな」
 「ほんとに月日の経つのは早いもんや」

 なぜか「アイツ」呼ばわりされて、邪魔者扱いされているような気になりながら、耳を澄ませます。

 「信金なんちゅうとこは、ええとこの娘しか採らんと思っとったがよう入れたもんやな」
 「あん子がまじめに学校でええ成績とっとったからやろ」
 「玉の輿にでも乗れるんなら、『よろずや』なんかどうでもええな。あの煮え切らんやつ」
 「まあ、ええやないの。どのみち二十歳前で嫁に行くんは、今どき早いやろ」
 「まあ、ワシらの頃とは違うわな。初めてあったん、お前十六やったかの?」
 「なんぼでもええわ、いまさら」
 「○子も…制服…着て…胸に…名札…つけて…働き…よるんか…なぁ」
 「喋るか、突くかどっちかにしんさいよ」
 
 そんな会話をしながら、今夜も恥ずかしいことをしているようです。

 (信金の制服に身を包んだ○子ねえちゃんが窓口にいる姿…見てみたいな…)そう思ったとき、気が抜けたのか、足元の床板を「ギシッ!」と鳴らしてしまいました。一瞬、仏間が静かになり焦ります。

 「…まあ、ええか」
 「…ええんやないの? あん子は察しのええ子ですから」

 わたしは両親を驚かせてしまったことを心の中で詫びながら、忍び足で部屋に戻ります。昨日まで隣から聞こえていた下の姉の寝息も今夜からは聞こえません。

 (△子ねえちゃんは、農機具小屋でわたしのことを「察しが悪い」って怒ってたけど、お母ちゃんは「察しがええ」っていってる。…どっちなんかな)

 上の姉は早くから一人部屋を与えられていましたが、下の姉はずっとわたしとの二人部屋でした。ようやく家を出たと思ったら、今度は4人部屋なんて。少し申し訳ない気持ちになりながら、わたしはいつもより安心した気持ちで、あそこを弄り始めます。

 主を失った姉の勉強机が寂しそうに見えます。△子姉はあまり机に向かって勉強していることはなかったけど、夜中に机の角にあそこを擦り付けていたのは知っていますから…。

 (気持ちいい…○子ねえちゃんも、△子ねえちゃんも、今頃同じことしてるんかな。二人とも『お父ちゃんとお母ちゃん、よろしく頼んだわよ』って言ってたけど、大丈夫。お父ちゃんとお母ちゃんは今夜も仲よくしています)

 心の中で姉たちにそんな報告をしながら、わたしは身体をブルっと震わせます。


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