スペクタクル・ブラック-11
仕事が終わると帰りにいつものように落ち合って修の車に乗るアンナ。
「まだエロビデオ屋に行くの、早いな。メシでも食ってくか。」
「うん。」
「近所だと知ってるヤツとかいるとヤバいから、少し離れたトコ行こうな。」
「うん。」
修は車で1時間ほど走った場所にあるショッピングモールで食事をし、少し買い物をして車に乗ったのが21時。
「そろそろいい時間だな。アンナ、ローター持って来たか?」
「うん。」
アンナはバッグの底からローターを取り出す。
「じゃあ仕込んで?」
「うん。」
アンナは助手席でスーツのスカートを捲り上げパンティの股間部にローターを仕込む。リモコンを手にする修。
「ちょっとテスト。」
修がスィッチを入れると、ヴィーンとローターが動き出す。
「あっ…」
腰が引け、体をビクンとさせるアンナ。
「ああん…キモチイイ…」
鼻息混じりで感じる。
「へへへ、楽しみだー。」
ローターを止めリモコンをポケットにしまうと修は車を走らせる。着いたのは山田書店と言う人気の店だった。ここはAVの品数もアダルトグッズも充実している。修は車を停める。
「じゃあ行くぞ?」
「ああん、久しぶりで緊張する…」
車を降りた2人。アンナは修と腕を組んで歩く。ポケットに手を入れた右手がいつリモコンのスィッチを入れるのかヒヤヒヤしていた。自動ドアが開き店内に入ると、まずフィギュアコーナーがあり、そこを過ぎて暖簾を潜るとアダルトグッズやDVDの売り場になる。そしてフィギュアコーナーを歩いている時にスィッチが入る。
「あっ…」
足が止まり少し腰が引けるアンナ。顔を歪ませる。
「フフフ」
アンナを見てニヤッとする。もぅ…と言いたげな顔で修を見つめる。何とか歩けそうだ。アンナは歩き出す。
(ああ、でもキモチイイ…。途中でイッちゃったらどうしよう…)
ここ3日ぐらいでイキ易い体になった気がするアンナはそれが心配だった。良く聞くと下半身から微かにモーター音が聞こえるが、店内に流れる音楽で誤魔化される。2人が暖簾をくぐる瞬間にローターが止まった。
(今度はどのタイミングで動かすんだろ…)
常に身構えていないと、アダルトグッズの売り場にいる10人ぐらいの客に気づかれてしまうので常に気を張っていた。