「背徳と退廃・花嫁Mの手記」-8
ビシッ、ビシーッ。ピチッ。
透明な30センチの定規。それが教授の用意してこられた鞭代わりの道具でした。最初に打たれたのが、わたくしが密かに劣等感を抱いている大きすぎるバストの先端です。
二段重ねのお餅のようにぷっくりと膨らんで、色づいている大きな乳輪。それがわたくしにはたまらなく恥ずかしい、嫌らしい形だったんです。
その乳輪と乳首を狙っての打擲でした。
「あ、ああっ。非道いっ……い、痛いの、嫌ですっ」
定規で打たれた乳輪と乳首が悲鳴を上げていました。痺痛が走りました。
「君の乳牛のようにデカいオッパイのことは学生たちの間でも評判だが……まるで大きな白桃じゃないか。ピンク色の乳輪もデカくて、実に嫌らしい」
わたくしの恥ずかしいバストの形を嘲笑いながら、何度も打ち据えてこられたんです。
「美優……わたしが定規で打ってやる場所がどこか、君の口からわたしが満足するまで煽情的な言葉で説明してくれ」
ビシーッ。
「ああっ。こ、こんな痛いこと、しないでっ」
「君が素直に言うまで、いつまでも打ち据えるだけだ」
「ああっ、もう止めてっ……そ、そこは……ち、乳首です」
わたくしは教授のしつこい打擲にとうとう音をあげてしまったんです。
「ダメだな。文学部の学生らしく、もっと詳しい説明だ……例えばだな、ここは美優が一番虐められたいと思っているデカ乳の敏感な乳首ですとか、こういう風に言ってみろ」
わたくしは何度も、何度も言い直しを命じられました。
「あああっ。そこは……美優が一番感じるデカ乳の先っちょの嫌らしい乳首ですっ。ああっ。乳輪が普通の女性の二倍も三倍もある嫌らしい形のデカ乳ですっ」
教授に強制される卑猥な言葉を何度も口にしていると、わたくしはサド侯爵から責められている娼館の娼婦になったような気分に染まっていました。
「ここは?」
「ああっ。普段はスカートとストッキングで隠している所です……男の目を引き付ける自慢の長い脚の付け根の、ム、ムッチリと嫌らしい脂の乗っている太腿の内側です」
こんな卑猥なことも言わされました。
ビシッ。ピチッ……パチッ。
「あ、ああっ。非道いっ。そこは……美優のあそこの近くで恥ずかしいモジャモジャの毛が生えているデルタの先端ですっ」
わたくしはオマンコと言うように何度も命じられたのですが、さすがにそんな言葉は口に出来ませんでした。
それに、わたくしの恥毛はモジャモジャなんかじゃありません。特に手入れはしていませんが、どちらかと言えば淡いくらいの楚々とした茂みです。
「最後はここだな。ここも定規で打たれたいか?」
閉じることの出来ない谷間の秘唇を定規の先端で嬲られていました。最初に塗り込まれた媚薬ゼリーでヌルヌルに濡れ光っていたはずです。
「い、嫌っ……許してっ」
「ここはオマンコですって、ちゃんと言ってみろ」
「ゆ、許して下さいっ」
「じゃあ、打ってやるしかないな」
ビシッ。ピシーッ。
「あ……あああっ」
敏感なクリトリスを定規で狙い打ちされたんです。
頭が変になるような激痛が走り抜け、痺れたような感覚が後に残りました。子宮のあたりがざわめいたんです。きっと媚薬が効いていたんです。ムズムズするような猛烈な掻痒感も沸き上がっていたんです。
パチンッ。
「あ、ああっ」
わたくしは首を仰け反らせて、その奇妙な感覚に耐えていました。
「痛いか?」
「あはっ。は、はいっ」
「痛いだけじゃないんだろ?」
ビシッ。
「あああっ。変なんですっ」
「ふふふ……はははっ。本当はもう感じてるんだろ?」
わたくしは何一つ未経験な処女です。それまで性の快感すら知らなかったんです。でも胸の内に燃え広がっていたのはマゾヒスティックな蒼い炎、被虐の愉悦と呼ぶのが相応しいような蒼い炎でした。ロープで縛られた身体をいたぶられているのに、恥ずかしくてたまらないのに、苦痛で仕方ないのに……熱病に侵されたみたいに、爛れるような陶酔を覚えていたのです。
媚薬のせいだけではなかったんです。
内なる蒼い炎に炙られ、身体の芯まで蕩けていたんだと思います。