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Sorcery doll (ソーサリー・ドール)
【ファンタジー 官能小説】

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混沌とした世界(後編)-7

ソラナのミルクのほうが効果がある。それも即効であった。さらに、射精後もすぐに勃起するほどの精力の増加の効果まであった。

ソラナはゴーディエ男爵が初めての男性だった。女性と淫らに戯れ、虜にして手なずける技を身につけていたので、密偵や盗みなどの諜報任務や暗殺までこなしてきたが、男性の逸物を牝の花に受け入れることがなかった。
処女喪失の痛みに、ゴーディエ男爵が首すじに咬み吸血していて意識が遠のいていたので、一瞬鋭い痛みを感じ、ビクッと身をこわばらせただけだった。
ヴァンピールのようにゴーディエ男爵の血をソラナは求めず、逸物からの精液を求めた。口と牝の花どちらでも喜んで、ゴーディエ男爵の精液を受け入れる。

賢者マキシミリアンなら、ソラナが魔族サキュバスに変化したと理解できたかもしれない。
ゴーディエ男爵には魔獣や魔物の知識はない。ただし、ソラナに魔力を感じることはできた。

「ソラナは人間ではなくなったが、私とはちがう何かになったようだ」
「ゴーディエは私の首に咬んで血を吸った。でも私は生き残ったわ。ゴーディエは、私と約束したわ。ずっとそばにいさせて欲しい」
「私には、ソラナが必要だ。ソラナがいれば、私は血を啜る必要がなくなった。メスの巣に来て、人を殺す必要がなくなった」
「それって、私と交わっていれば、ゴーディエは普通の人と変わらなく暮らせるってことなの?」
「そういうことになるな」

ソラナはそれを聞いて、ゴーディエ男爵に抱きついた。

「ソラナ、この家にはもう昼間なのに誰も来ないな。ソラナのミルクを飲んで空腹も喉の渇きもないが、ソラナは平気なのか?」
「この家はお館様からもらったお金をメスに払って使っているの。ここに暮らしていたメスは別のメスと暮らしているってわけ。だから、巣のメスは私から呼ばれなきゃ来ないわ」

ソラナはそのあと言いにくそうに顔を赤らめて、もじもじとしていた。
ゴーディエ男爵がキスをすると、ソラナがゴーディエの精液を受け入れて空腹や喉の渇きもないことを、恥ずかしそうに言った。

「たしかに、私もこんなに何度も交わり続けたことは初めてだ。そんなに飲んだのか?」
「わかりません!」

ソラナは身体の向きを変え、ゴーディエ男爵に背中を向けて顔を見られないようにした。ソラナの肩と背中をゴーディエ男爵は優しく撫でて笑った。

「ふふふ、私はソラナのミルクを飲み、ソラナが私の逸物から出るものを飲む。これを繰り返していれば、食糧や水を大量に幌馬車へ積み込まなくても、ふたりで旅ができるかもしれない」

ソラナはゴーディエ男爵が言ったことに答えずに、しかし、喉が渇いたと言われてゴーディエ男爵に幌馬車の荷台で胸を吸われているのを思い浮かべて、クスクスと笑ってしまった。

昨日の夕方から翌日の昼過ぎまで、徹夜で交わり続けた。しかし、ゴーディエ男爵には眠気すらない。まだ、やればできそうな気すらする。
ゴーディエ男爵は、覚醒した者を見つけたと法務官レギーネに報告せず、ソラナのことを隠した。

(王に報告されたら、ソラナを後宮の側室に加えると言い出すだろう)

ソラナを伴侶にしようとゴーディエ男爵が、ソラナの背中を見つめて思った。
この瞬間に、ゴーディエ男爵とソラナの運命が変わった。

ゴーディエ男爵は、ソラナが女伯爵エステルを犯しながら吸血するのを嫌がり、命をかけて交わったことに感謝する言葉をソラナに囁いたあと

「ソラナを私の伴侶にしたい」

と言った。ソラナがハッとして、慌てながら起き上がり、ベッドの上で正座していた。
ゴーディエ男爵は、なぜ正座する意味はわからない。王都では、正座する風習がない。
ソラナが手をついて、上半身を起こしたゴーディエ男爵に深々と頭を下げた。

「ふつつか者ですが、どうぞ、末永くよろしくお願いいたします」

ソラナの声が少し震えていた。頭を下げたまま、ぽろぽろと涙をこぼしている。
ゴーディエ男爵はソラナに慌てて頭を上げさせて、それが結婚を申し込まれた時の了承の返事だと聞いて、ソラナを抱き寄せた。

「ソラナ、ありがとう」
「……はい」

しばらくふたりは、そのまま黙って抱き合っていた。ソラナが泣き止むまで、ゴーディエ男爵はそっと抱きしめていた。

ゴーディエ男爵は、バーデルの都に異界の門をゴーディエ男爵が開いても、ソラナを蛇神の贄にせずに逃がしてやりたいと思った。

「ソラナ、ロンダール伯爵に急ぎで相談したい事がある。会えるように手配できるか?」
「わかりました。6日後、場所は前回と同じ宿場街の宿屋でよろしいですか?」
「よろしく頼む」

6日後、今回の宿屋の1階は夕方から食堂兼酒場として開店するが、昼間は使われていない店内で会談が行われた。

ロンダール伯爵とメイドのアナベル。
ゴーディエ男爵。
この3人がテーブル席に着席した。
ソラナは店の中の入口あたりで、人が入って来ないか、見張りをしている。

「ロンダール伯爵、ソラナを私の伴侶としたい」

ゴーディエ男爵がいきなりロンダール伯爵に言ったので、ソラナが驚いた。
すると、ロンダール伯爵はうなずいた。

「そうでなければ、僕は貴方に会いに来なかった。ふたりとも、おめでとう」

ロンダール伯爵は、少し離れているソラナにも聞こえるように言った。

「ソラナもこっちにおいで。見張りをしなくても、もう大丈夫だから」

ロンダール伯爵はソラナに手招きした。メイドのアナベルは、ロンダール伯爵が宿屋の1階に人が近づいて来ないように建物の裏の壁に呪符を張りつけていたのを知っている。ロンダール伯爵たちは、前日の夜から実は先に滞在して、ゴーディエ男爵と迎えに行ったソラナを待っていた。

ゴーディエ男爵が立ち上がり、自分の隣の席の椅子を腰を下ろしやすいように引いて、ソラナを席へ案内した。


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