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Sorcery doll (ソーサリー・ドール)
【ファンタジー 官能小説】

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混沌とした世界(後編)-6

「ソラナ、女伯爵エステルを私は伴侶にはしない。いや、ならないだろう。私と同じように血を奪って生きる者になった秘密を握り、脅すことができるかもしれないという話だ」

ゴーディエ男爵は王のヴァンピールになった女性たちや踊り子のアルバータのことを思い出して言った。
油断すると、戯れながらゴーディエ男爵の血を奪い尽くそうとする貪欲な女性たちである。

「ゴーディエが伴侶にする気はなくても女伯爵はきっと貴方に夢中になる。フェルベーク伯爵になりすましているから、フェルベーク伯爵として婚姻しても、逃げていなくなれば女伯爵が探しても見つからないように姿をくらますでしょう。そうなったら、ゴーディエは私の前からも姿を消すでしょう。女伯爵と交わってしまえば、きっとそうなる気かする。だから、ゴーディエ、私を今夜、メスと同じように殺して」
「ロンダール伯爵は、ソラナは最後まで交わってしまえば死ぬと思っているようだった。ても、それは確かめてみなければ誰にもわからない。ソラナは何がなんでも生きたいと思うか?」

ゴーディエ男爵はソラナに眠りに呪いで死ぬ者と目を覚まして人間ではなくなる者のちがいは何かを、キスをしたあと、髪を撫でながら話した。
一緒のベッドで寝そべるゴーディエ男爵に全裸で身を寄せているソラナは、黙って話を聞きながら考えていた。

「私がゴーディエと同じように普通の人間じゃなくなって生き残れば、ずっとそばにいられる?」
「そばにいなければ、私の秘密をロンダール伯爵やターレン王国にいる祓魔師の末裔に話して私を殺そうとするかもしれない。もしも、私がフェルベーク伯爵になりすますのを止めて逃げる時には、ソラナが私と同じようになるか、死ぬかわからないが試してみるつもりだった。生き残ることができたら、私にずっとついて来るか?」
「はい、絶対に逃がしません」

ソラナは仰向けて寝そべるゴーディエ男爵の上にかぶさるように身体を重ねると抱きついて、ゴーディエ男爵の唇を奪った。ゴーディエ男爵の口の中にソラナは舌を入れてきて、ねっとりとゴーディエ男爵の舌と絡ませた。

「ソラナ、今夜、メスの巣で目覚めずに死ねは、この伯爵領の名前もないメスとして墓すら残らないかもしれない」
「ゴーディエ、私は父親や母親、他に家族がいるのかもわからない。もしも墓があっても誰も花を供えたりはしない」

ロンダール伯爵の一族は才能がある女児を育て上げる。当主以外の男児は後継者以外は処分される。
占いによって、または当主の命令に従い子を孕み産み、役目を果たして死ぬ。

「今夜、ゴーディエと最後まで交わって死んでも、フェルベーク伯爵のふりを止めて逃げる時に交わって死ぬのも、同じことよ。でも、生きて置き去りにされるのは、死ぬよりも嫌」

ゴーディエ男爵の勃起した逸物を撫でながら話すと、ソラナはゆっくりと逸物を咥え込んだ。

肉欲に関わる蛇神の影響とバーデルの都 の怨念の影響を、ソラナは気づかないうちに受けている。ゴーディエ男爵にも貴族の血統や隠れた同性愛の傾向によって凶運にみまわれる運命の流れがある。
この夜、ゴーディエ男爵がソラナを女伯爵エステルを犯す計画をソラナに話し協力を求めたこと、ソラナが命を捨てる覚悟でゴーディエ男爵と心残りがないように、淫らに交わると決めたことでふたりの運命は変わった。

結論からいえば、ソラナは魔族として覚醒した。

「もっと吸って、ああぁっ!」

ソラナの乳首を口にふくみゴーディエ男爵は、絶頂の証のミルクを吸っていた。
ソラナの生き血を啜りたい欲望は、ソラナの乳首からあふれる絶頂ミルクを吸ったことで癒されていた。
ソラナはヴァンピールではなく、魔族サキュバスとして覚醒したのだった。

ゴーディエ男爵の隠れた同性愛の傾向は犯される側ではなかった。同じヴァンピールの女性たちに積極的に愛撫され、油断すると吸血されて殺されかける。たしかに気持ちいいのだが、犯したい欲望は満たされない。
魔族サキュバスになったソラナの絶頂ミルクを思いっきり吸っていると、ソラナを心から犯している実感があった。
ゴーディエ男爵は吸血と同じ欲望が、魔族サキュバスの絶頂ミルクを吸っていると満たされていくのがわかった。

ソラナもゴーディエ男爵から少量ながら美尻を咬まれ血を吸われる快感よりも、凄い快感があるのを知った。絶頂ミルクを噴き出す快感も、さらにゴーディエ男爵にミルクを吸われる快感は未知の快感だった。
愛しさが、快感のながで胸にこみ上げてくる。母性の快感。ゴーディエ男爵を愛撫して気持ちいいと感じさせたい思いと母性はつながっている。絶頂ミルクを授乳している時、ゴーディエ男爵への愛しさにソラナはゴーディエ男爵の頭部を抱きしめて、蕩けるような陶酔を感じた。
子宮にゴーディエ男爵が熱い精液を放ち満たされる陶酔と絶頂ミルクを吸われる陶酔を同時に感じて、ソラナはゴーディエ男爵が吸血したい欲望について話していた感じを理解できた気がした。
子宮が重くなるぐらい射精されたい。むしろ、ゴーディエ男爵を全部自分の中に取り込みひとつになりたい。さらに、絶頂ミルクを噴き出す時、男性が射精するのはこんな感じかもしれないと思った。口に逸物を咥えて、ゴーディエ男爵が我慢しきれずに射精した精液を飲みこむ。ゴーディエ男爵から、噴き出すミルクを飲まれていると、胸の中にあるソラナの心を、噴き出すミルクと一緒に飲まれている気がした。

ゴーディエ男爵は吸血の快感よりも、ソラナの絶頂ミルクを吸う快感が自分の中で上に感じて、何か変わってしまった気がした。ソラナと交わる快感は、千人の女たちから吸血する快感を上回ると感じていた。

交わり吸血したあと、しばらくすると血が吸収されてなじむことで、傷か癒えたり、疲労感が消える。
しかし、ゴーディエ男爵はむしゃぶりついてソラナの絶頂ミルクを吸っているうちに、体に力が滾るのがわかった。


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