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Sorcery doll (ソーサリー・ドール)
【ファンタジー 官能小説】

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レナードの覚醒(中編)-7

マキシミリアンが危険なことをしようとしていたら止めなければと警戒して、セレスティーヌは不安げな表情になった。

「セレスティーヌ、僕らは神聖教団が召喚に成功した例を知っている。夜の女王ノクティスを召喚したミレイユ。もうひとりはマルティナ、紫色の瞳のホムンクルス。ミレイユはノクティスの化身になっている。ふたつの心がひとつの身体を分け合っている融合した状態を維持している。ノクティスは力そのもの。それをミレイユが強い心でひとつにまとめて融合している。マルティナは身体となっている魔石の魔力が尽きれば、かりそめの身体が維持できなくなる。すでに1度死んでいて、レナードを護る精霊たちのような状態で、かりそめの肉体に封じ込められいる状態。これがホムンクルスだ。ミミックがホムンクルスを私たちに近いと言った理由は、魔石から錬成召喚されたかりそめの身体だからだ。あとレナードの身体を精霊たちが少しなら動かせると聞いてやっと仕組みがわかった。かりそめの肉体に心がなじむことが少ないから、ホムンクルスの成功例は少ない。護りの精霊たちがレナードの身体になじんでいるのは間違いない」

護りの精霊たち宿った魔石をレナードに融合したら、ホムンクルスとしてレナードの虚脱状態は回復できるのではないかとマキシミリアンは考えた。

「蛇神の錫杖は5つの魔石を埋めこまれていた。リーナちゃんの心が錫杖に封じ込められたように、レナードの身体にレナードの命だけを封じ込めれば、呪いから切り離すことができるんじゃないかな。切り離したら、この伯爵領の切り離しをすれば、レナードの虚脱の原因を取り除いたことになる」
「蛇神の祟りを取り除けるのですか?」
「祓いの力がある男が3人、それに巫女が3人。ミレイユと参謀官マルティナがロエルを呼んで、女性の力で異界の門を消し去る計画を立てている。僕らも同じ方法で、この伯爵領を元の浄化された聖地に戻すんだ。まあ、でも女性たちの力が頼りだけどね」

マキシミリアンが3人の女性たち、アルテリス、マリカ、セレスティーヌと、マキシミリアンの手に乗った精霊を見た。

精霊たちはレナードに憑依して、呪いで虚脱した状態の肉体を欲情した興奮状態にする。身体と心はつながっている。身体のほうから先に心の状態を変える。

「術者が心を重ねて同化して、レナードの記憶や心に逆に取り込まれる危険はあるけど、精霊たちなら今まで取り込まれていないから大丈夫だ」

これはレナードが虚脱しているのとは真逆に、ランベール王は興奮して欲情する力が強まっているはずだから、硬貨を裏返しにするようなものだからできるとマキシミリアンは説明した。

マキシミリアンが、レナードの身体に精霊たちが直接影響を与えることで、ランベール王の身体に影響があらわれるのは呪いからレナードの命が切り離されて解放されるまでの間だけだと言った。

ローマン王が完全にランベールの身体を支配している状態ではない、虚脱の眠りに落ちる時間ができることになった。

「ええええっ!」

マリカは賢者マキシミリアンが言い出した提案を聞いて、素っ頓狂な声を出して驚いていた。
しかし、マキシミリアンは真顔の淡々とした口調で大まじめに言っているのが全員わかった。

「マキシミリアン、貴方は何を言っているのかしら?」

セレスティーヌか思わず聞き返した。

「それで解決するの?」

アルテリスはマキシミリアンではなく、伴侶のテスティーノ伯爵の顔を見つめて言った。

ストラウク伯爵やテスティーノ伯爵、そして賢者マキシミリアンは念の力や魔力を使って、女性に快感を与えることができる。それを使って、女性たちの絶頂の力を変換して、蛇神の祟りの穢れを浄化させる。

「もちろん僕たちの絶頂の快感も加えることになりますが、女性たちの絶頂の力に比べたら、微々たる力にすぎません。レナードのように虚脱するほど僕らが一生懸命にがんばっても、そこまで彼女たちの力を引き出せるかは、やってみるしか確かめようがありません」
「私はマリカの力を覚醒させるために似た修行を続けてきました」
「私は逆にアルテリスには力の放出を制御して念の力にするように教えてきました。真逆の方法ということになる」
「僕はあまり力の放出や制御なんて、彼女に意識するように言ったことはないですから。ただ夢中で愛し合うだけで。自分で提案しておいて、少し心配になってきました。もともと魔力が強い彼女がさらに覚醒したり、魔力を制御する力がついたら、彼女を怒らせたら僕はどうなることか」

ストラウク伯爵とテスティーノ伯爵は、マリカとアルテリスに交わりながらどんな修行をしていたか、おたがいなんとなく恥ずかしさもあり話し合う機会はなかったと、賢者マキシミリアンに言った。

「貴方たちはそんなことまで修行にしているのですか?」
「呼吸をする、歩く、なんでもつながりはありますからな。日々鍛練ですよ」
「兄者は自分に厳しいですからな。私は教えながら自分が教えられている気持ちになることがあります。あと、やはりアルテリスの上達を感じると、とてもうれしいですから」

穏やかな口調で、ストラウク伯爵やテスティーノ伯爵は賢者マキシミリアンと話している。
しかし、何の話をしているかといえば伴侶と愛し合っている淫らな行為について話しているのである。

「あの、スト様、私たちは別室で話し合いたいんですけど」

マリカがストラウク伯爵に声をかけた。ストラウク伯爵がうなずくと、女性3人と精霊は顔を赤らめながら別室に移動していった。

ストラウク伯爵とテスティーノ伯爵は、マキシミリアンが念の力と同じように魔力を使いこなして魔法を使うことや、呼び方はちがいはあれ、似ていることを理解し合うことができた。
女性の身体に念の力や魔力を射精と同時に放つ快感や女性たちの心を感応力で感じて、なごむことも似ているのまで話が合った。


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