投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

Sorcery doll (ソーサリー・ドール)
【ファンタジー 官能小説】

Sorcery doll (ソーサリー・ドール)の最初へ Sorcery doll (ソーサリー・ドール) 272 Sorcery doll (ソーサリー・ドール) 274 Sorcery doll (ソーサリー・ドール)の最後へ

レナードの覚醒(前編)-1

ゴーディエ男爵は王の愛妾の4人から生き血を吸われ、瀕死の状態となり生き延びるために、魔族ヴァンピールの力に覚醒した。
王の愛妾の4人は、ヴァンパイアのランベール王から吸血されて激しい快感と同時に死ぬ寸前の状態から生き延びるためにヴァンピールとして覚醒した。
踊り子アルバータは毒物によって眠らされ、致死量ギリギリの毒物から生き延びるための覚醒中に、ゴーディエ男爵から吸血されヴァンピールとして覚醒した。
ジャクリーヌ婦人は、牡のリングを装着したロイドに牝の指輪をはめられ、ロイドと交わらなければ死ぬ呪いから生き延びるために、魔族サキュバスとして覚醒した。
ヴァンパイア、ヴァンピール、サキュバスなどの魔族は、ニアキス丘陵のオークと同様に、人々から忘れ去られた存在であり、博学な学者などは昔からの言い伝えから、その呼び名や特徴を知っているが、実在するとは思われていない。
騎士ガルドは、ニアキス丘陵のオークと交わったルーシーという人間の女性のあいだに生まれた混血児である。
ランベール王は、伝承でしか知られていない蛇神の神官を目指しているシャンリーから呪詛を受け、生き延びるために亡霊のローマン王と融合した結果、ローマン王の心を宿し、教祖ヴァルハザードの記憶を継ぐ魔族ヴァンパイアとして覚醒した。
呪物の牡のリングを装着され、シャンリーに瀕死の状態にされたロイドは、強い肉欲を持つ魔族インキュバスに覚醒している状態てある。ロイドは女性の愛蜜やサキュバスの絶頂の母乳を求める。
蛇神の神官や呪術師、祟りを鎮める護りの者や巫女、魔族を滅する念の力の使い手である祓魔師の存在も、人々から忘れ去られている。だが、ターレン王国では世界に実在しないと思われている者たちが生きている。
ニアキス丘陵のダンジョンでは、賢者マキシミリアンによりアラクネ娘、スライム娘、ミミック娘、オーグレスが錬成召喚されている。
そして、僧侶リーナの心を宿した世界樹のドライアドが、賢者の石から錬成召喚されている。
魔物族が人間と同じように、かつて世界に存在した種族であることは、ターレン王国が建国されるよりも遥かに遠い過去のことで、ゼルキスの学者たちでも知らない。
賢者マキシミリアンの伴侶であるエルフ族のセレスティーヌ、ドワーフ娘の細工師ロエルのようなエルフ族やドワーフ族も、人々の記憶から忘れ去られ、ターレン王国では実在しないと思われている。
ゼルキス王国ではマキシミリアンが王城へセレスティーヌを連れて帰った事や、ロエルを聖騎士ミレイユが騎士団へ招いた事で学者たちの認識は変わった。
獣人族だけは例外で、ゼルキス王国とターレン王国でも、広く人々から存在を知られている。
獣人族が大陸各地を商売をしながら渡り歩いていて、ターレン王国でも知られている。ローマン王の崩御前あたりから、ゼルキス王国とターレン王国の戦争が始まる噂が広まった。噂を聞きつけて、獣人族の商人たちは、ターレン王国から逃げ出した。獣人娘のアルテリスからバーデルの都でダンジョンから得られる魔石を買い取る商人がいたのは、獣人族だけは実在する異種族として認識されていたからである。
伯爵領では収穫された作物を獣人族の商人が買いつけていた。そしてバーデルの都で取引したり、少数ではあったがゼルキス王国まで運んで転売している者までいた。
獣人族の商人たちは、ゼルキス王国の転送の魔法陣で平原の国々へ帰ってしまったので、大陸南西のゼルキス王国やターレン王国では、すっかり姿を見かけなくなっていた。
大陸南方のクフサール王国には褐色の肌と黒髪の人々が暮らしていることは、ターレン王国の人々に知られていない。リヒター伯爵領で子爵婦人となったヘレーネは、黒髪と褐色の肌をめずらしいと初めて会う人には必ず驚かれる。
大陸東方のシャーアン王国と同じ着物や平屋作りの建物などがストラウク伯爵領では使われている。だが、ストラウク伯爵領の人々はシャーアン王国という国名すら知らない。
辺境の森では、人々から忘れ去られた蛇神ナーガの支配する異界へ魔力の門が開かれて、女性たちが異界へ触手の怪物に引きずり込まれている。
ターレン王国で暮らす人々の常識の範囲では、わからない出来事か起きている。しかし、その常識外の現実とつながりがある古くから伝わる物や知識もターレン王国には残されている。
ターレン王国のストラウク伯爵領では、双子の山への信仰が残されていて、村人たちは毎日、山をながめ目を閉じ手を合わせ、祈願して祈る。この合掌という祈りのかたちは、他の伯爵領では伝わっていない。
蛇神ナーガ。
夜の女王ノクティス。
愛と豊穣の女神ラーナ。
ターレン王国の人々は、水神として崇めていた蛇神ナーガの信仰を忘れ去った。そして、ノクティスやラーナという女神の信仰を知らない。
しかし、山や星に祈る習慣はターレン王国の村人などに伝えられていた。リヒター伯爵の伴侶のエマは、リヒター伯爵の病の平癒を、目を閉じ、胸の前で両手を握り合わせて、星に祈っていた。
なぜ、山や星に祈る習慣があるのか知らずに、心を込めて熱心に祈っている。
心の力が世界に影響を与えることを知っているのは、呪術師や念の力を使う祓魔師だけではない。
遠い過去の歴史、自分たちが行ったことのない遠い名前も知らない地域、神々を知らない者たちであっても、祈ることを知っていた。
心の力が世界を変容させていく。

僧侶リーナは蛇神の異界で、身体を蛇神の神官たちの怨霊に奪われた時、恐怖を感じていたが、どうしても生きて帰って再会したい人のことを強く想っていた。ハンターのレナードに僧侶リーナは恋をしていた。神聖教団の僧侶は神官を目指す身である。恋愛、交わり、結婚は戒律により禁じられていた。
僧侶であるためには、レナードに自らの恋を告白することはできない。
錫杖にリーナの心が封じ込められ、身体が奪われた。しかし、レナードへの恋する心のおかげで、リーナはダンジョンへ脱出できた。


Sorcery doll (ソーサリー・ドール)の最初へ Sorcery doll (ソーサリー・ドール) 272 Sorcery doll (ソーサリー・ドール) 274 Sorcery doll (ソーサリー・ドール)の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前