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Sorcery doll (ソーサリー・ドール)
【ファンタジー 官能小説】

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ジャクリーヌ婦人と4人のメイド-3

ロイドは、街でぶらぶらしながら考えていたことを、ニルスに話していた。

「村にも衛兵が駐屯している。なんか、ブラウエル伯爵領の村は、村らしくないっていう感じがするんだ」
「村らしくない?」
「物の考えかたや、人づきあいとかな」

ロイドがブラウエル伯爵領で感じている違和感はそこだった。
馬車で乗客を金を払えば運んでくれる商売がめずらしかったので、近くの村までロイドは出かけてみた。
ロイドは村人たちに違和感を感じた。
街の住人たちと同じで、他の伯爵領の村人たちのように、村人から話しかけてきたり、どこから来たかなど、あれこれ詮索してきたりしなかった。

「でも、今、他の女の客たちが俺たちを見ているみたいに、気にしているのに話しかけてこない。ニルス、王都もこんな感じか?」
「もっと無関心ですよ。王都は貴族が多いですから。それより、俺たちは女性の服を着る趣味があると思われてそうで心配です」
「それで、俺たちはじろじろ見られてるのか?」
「あと下着とか、俺たちがいたら買いにくいとか思っているのかも」

ロイドはベルツ伯爵領で、村人の家に押し入っていたが、留守の旦那の知り合いだと言えば、家の中へ招いてくれたり、遠くから来たと言えば別の土地の話を聞かせて欲しいと食事を用意してくれたりして、隙だらけだった。
ブラウエル伯爵領では、まず道をたずねただけでも、走って逃げられたりする。村人たちの警戒心が強い。
これでは、どの家が旦那が留守なのかも聞き出すのも難しい。
犯されても泣き寝入りしたりしない気もした。どんなに気持ちいい思いをしたとしても、それはそれで話は別だと、女性たちは同情して金や食糧を分けてくれたり、逃がしてくれたりはしないだろう。そうなれば、騒いだり抵抗されないように怯えさせるために殴ったり、殺したりしなければならなくなるだろう。
それはロイド窃盗団の望むやりかたではないし、もっと恨みを買うことになる。
ベルツ伯爵領と同じ手口でやらなくて本当に良かったとロイドは思った。

犯されたのに、相手に同情して親切にしてしまったり、かばって泣き寝入りして隠したことで、女性たちが悩んだ。自分が気持ちいい思いをしたい誘惑に負け、うしろめたさからロイドたちに親切にしてしまったのではないかと考えたからてある。フリーデから母性の話をされて納得するまで、とても苦しんだ。

エイミーのドレスを買い、ロイドとニルスは服の仕立て屋から出ると、ホッとして足早に店の前から離れた。ニルスとエイミーの乗って来た馬車で宿屋からジャクリーヌ婦人の邸宅へ向かった。

ジャクリーヌ婦人はニルスとエイミーから、牡のリングと牝の指輪について説明を聞いた。ロイドの説明ではわかりにくかったことや抜け落ちていたことも知ることができた。
自分かなぜ若返ったのかはわからなかったが、ロイドの子を孕める可能性があることをエイミーから聞いた時は、胸が高鳴った。10日で死亡する呪いからは、女性が自分に隠された力が覚醒すると、解放されることも知った。
エイミーはそれでもニルスとのつながりを感じたいので、ずっと指輪を外さずにつけていたいと聞いて、ジャクリーヌ婦人もその思いに深く共感した。
指輪をはめた状態は呪われている状態なので、牡のリングと牝の指輪の契約によって、呪詛や祟りから身が護られることも伝えられた。

(指輪を外さずにいたいのは、私だけじゃなかったのね。ああ、すごくその気持ちはわかるわ!)

左手の指輪をジャクリーヌ婦人は思わずそっと撫で、ロイドの顔を見つめて微笑みを浮かべていた。

牡のリングを装着した男性の力を強化する方法は、リングによって発情しても禁欲を続ける方法と、逆に限界まで出しきる方法がある。
女性は力に覚醒すると相手の男性より強くなりすぎる。子を孕むには伴侶との力の均衡が不可欠になると聞いて、ジャクリーヌ婦人はロイドが禁欲すると、自分も禁欲しなければならなくなる上に、ロイドがかわいそうだと思った。
禁欲しているニルスが限界だと言うまでは、エイミーは交わらないと決めて一緒に禁欲しているらしい。
ジャクリーヌ婦人はロイドが限界まで出しきるようにする方法を、すぐに思いついた。
ロイドに惚れている4人のメイド、マーサ、リーナ、リュシーとリータの姉妹が邸宅にいる。
ジャクリーヌ婦人は、4人のメイドではなく自分を可愛がって欲しいという嫉妬心があった。しかし、ニルスとエイミーの話を聞いて、ロイドの力を強化してジャクリーヌに子を孕ませたいと思ったことで、嫉妬心は消えた。
ロイドは絶倫になり力の兆候があらわれているので、4人のメイドにロイドがどれだけ激しく交わっても、子を宿すことはできない。ロイドの子を宿すことができるのは自分だけだとわかると、ロイドを独り占めしたような気分になった。

自分の御主人様以外の他の牡のリングを装着した相手と交わると、後日ひどい頭痛と気だるさにみまわれることや、バーデルの都では生きるために自分の御主人様以外の牡のリングを装着した相手と遊郭の遊女たちは交わっていると聞いて、ジャクリーヌ婦人は遊女たちをとても憐れんでいた。

ロイドは、壊れていたバーデルの都がそんなことになっていると聞いて、女伯爵シャンリーに命乞いをしてくれたホリーはどうしているだろうと思い出してしまった。
ジャクリーヌ婦人はサキュバスの相手の感情を感じとる能力、その感応力でロイドの感情を感じた。

「バーデルの都で闇市を仕切っていた盗賊だけでなく、商人や住人まで女伯爵シャンリーは殺した。その騒ぎの時に、俺はバーデルの都にいた」

ジャクリーヌ婦人に何を考えているのか聞かれたロイドは、人妻ホリーと焼け跡になったバーデルの都で出会ったことから、女伯爵シャンリーに盗賊の残党という濡れ衣を着せられ処刑されかけたことを語った。

「俺に犯されたのに、ホリーは俺に助けられたと命乞いしてくれた」


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