王都奇譚-4
指先を肛門に挿入して排泄物がついてしまうと、汚れて牝の花に挿入することができなくなってしまう。
ジャクリーヌ婦人は準備として、メイドに浣腸をさせて事前に自分の排泄物をすっかり出しきっておく。そして挿入する直前には、逸物にたっぷりと香油を塗りつける。
香油を塗りつけている間に、我慢しきれず射精されてしまうと、肛門へ逸物を挿入してもらえない。だから、ヨハンネスに射精を我慢する訓練をさせる。
女性の急所の乳首や淫核を丹念に愛撫、香油を塗りつけた逸物で肛門を犯す手管を、ブラウエル伯爵は子爵の少年の頃からジャクリーヌ婦人に仕込まれた。
ブラウエル伯爵は少年の乳首の肉豆を舐め転がしながら、少年の逸物が勃つとやんわりと撫でまわす。それはジャクリーヌ婦人が少年だった彼を愛撫したのと同じ手管である。声変わり前の少年のあえぎ声は、少女や女性よりも澄んでいるとブラウエル伯爵は思うことがある。
舞踏会に来ている男色家たちは、女性が快感に溺れたふりをするのを嫌う。素股では本当は満足できていないので、じわじわと手間と時間をかけて、肛門を拡張して挿入できるように女性を調教する者もいる。
ジャクリーヌ婦人は男色家に肛門を拡張され、腸内に逸物を挿入され射精される快感を仕込まれた。腸壁の腹部側を逸物がえぐると、膣壁や子宮も刺激される。
男色家は孕む心配がないことや逸物から射精して絶頂するので、女性は舞踏家の舞いのように見事に演技して見せるが、男性はごまかせないと、まだ処女の乙女だったジャクリーヌに語った。
ジャクリーヌは処女のままケストナー伯爵の花嫁となった。男色家の情人は彼女を調教したが、愛さなかった。淫らな玩具だと、ジャクリーヌは肛門を犯されながら言われたのを、今でも忘れられずにいる。
本当の情人だと男色家がジャクリーヌに言った少年は、ベッドの上で這いつくばった姿勢で、男色家に肛門を犯されながら、前立腺を逸物で刺激され、さらに逸物を握り扱かれて、悲鳴のような声を上げて絶頂しながら射精していた。男色家は少年が絶頂すると、少し遅れて少年の直腸に白濁したものを放ち、少年の背中にかぶさるように前屈みになりながら身を震わせて、少年に愛していると囁いていた。
ジャクリーヌは、着衣のまま椅子の脚に足首を縄で縛られ、手首は背もたれの後ろで拘束された状態で、男色家の紳士から、ふたりの交わりを見ていろと命じられ、泣きながら見つめていた。
舞踏会の出会いの場で、ジャクリーヌは男色家の紳士に弄ばれ、快感を教え込まれてから、最後に失恋を経験した。
(ケストナー伯爵、この人なら、一生、私だけを愛してくれる!)
そう思って王都トルネリカから、ジャクリーヌは、伯爵領に嫁いできて暮らしていた。しかし、ケストナー伯爵は、ベルツ伯爵領の貴族ではない若い小娘と関係を持ち、子まで孕ませたのを知った時、彼女は絶望した。
舞踏会と同じように、愛されたければ、何をしても相手の心を奪わなければならないと思ったのは、側室のイメルラが、フリーデという娘を産み、ケストナー伯爵はフリーデを溺愛したからである。
ケストナー伯爵は側室のイメルラが亡くなると、意識を回復しないまま寝たきりになって、まるであとを追うように亡くなってしまった。
ジャクリーヌ婦人は、息子のブラウエル伯爵しか、もう愛してくれる者は残っていないと思い、生き残ったフリーデを憎んだ。フリーデが、イメルラ婦人と顔立ちが似ているのも、ジャクリーヌ婦人にとってイメルラ婦人を思い出させるので嫌でたまらなかった。
王都トルネリカから離れているジャクリーヌ婦人が知らない変化が、舞踏会に参加している貴族たちに起こり始める。
それは、白銀のブレスレットやアンクレットを涼やかな音色で鳴らし優雅な舞いを披露する踊り子の乙女アルバータが、舞踏会から姿を消したことが始まりであった。
踊り子がなぜ王宮に呼ばれて踊り続けられてきたのか?
後宮の王の寝室には5人の人物がベッドを囲んで、ベッドの上のアルバータとランベールを見つめていた。
アリアンヌ。
シュゼット。
ミリア。
3人の王の愛妾たち。
法務官の女男爵レギーネ。
若き王の側近ゴーティエ男爵。
(本当に彼女が6人目なのか?)
舞踏会で今夜も華麗な舞いを披露するために、日が暮れる頃、王宮へ訪れた踊り子のアルバータをゴーディエ男爵は控え室で、睡眠薬を仕込んだお菓子とお茶を用意して出迎えた。
眠り込んだアルバータを、長身のゴーディエ男性が抱えて後宮へ運び込んだ。
途中で彼が誰にも出会わなかったのは、女男爵レギーネがうまく人払いをしておいたらしい。
ランベール王、正確にはローマン王の意識が宿っていることを知らされたゴーディエ男爵は、王の3人の愛妾と法務官レギーネによって、覚醒するか死ぬかの試練が行われた。
そして今夜は、王が試練を与える6人目として選ばれた踊り子アルバータをゴーディエ男爵は、後宮の王の寝室へ運び込んだのである。
レギーネによれば、王が覚醒してわずか5人しか覚醒しなかったのは、この踊り子のアルバータが王宮にいたからだと、ゴーディエ男爵は聞かされた。
アルバータが音楽に合わせ、踊り子の衣装と装身具を身につけて、華麗な踊りの舞いを舞踏会の場で披露していた。
アルバータは踊り子として、母親から踊りの舞いや白銀のブレスレットとアンクレットを受け継いでいる人物だった。
踊り子の一族は、ターレン王国の王宮が建造されてから、王が王位を継承してきたように、踊り子として踊りの舞いを継承して、王宮で踊り続けてきた。
ベッドの上では、全裸の王が踊り子の胸や腰まわりだけを隠している衣装や、顔の鼻から下を隠すヴェールを剥ぎ取ってベッドの下へ放り出していた。
「これは息吹きの法。やはり、この小娘が護りの巫女か。ゴーディエ、じきにこの小娘はきっと目を覚ますぞ」
「いや、まさか、そんなはずは」