ザイフェルトの修行と厄祓い(後編)-12
ヨハンネスがジャクリーヌ婦人から、淫らな虐待を受けていることをミーナは聞き出した。
「ミーナ、ヨハンネスをここで監視役のメイドが迎えに来るまで、ゆっくり寝させやれ。邸宅じゃ、目をつけられた奴は安心して眠れないからな。報告は、客の注文通りにやったとミランダに言っておけ。そうだな……客は老人で、若い娘が好きだったことにしておけばいい」
ヨハンネスは、ロイドを信用して、満面の笑みを浮かべた。ミーナもここでヨハンネスの好みが、どうやら男性好きらしいことに気がついた。
ロイドは、ヨハンネスに甘えられるのは
まっぴらなので、ミーナにヨハンネスを任せることにした。
ロイドは宿屋に戻る前に、女に飢えた手下たちへ手土産を用意することにした。
さすがに14人の手下全員に輪姦されたら、翌日メイドのマーサの様子がおかしいことに、ジャクリーヌ婦人が気がつくだろうとロイドは考えた。
(あんまり目立つのは良くないが、しかたない。マーサを気まぐれで没収したら奴らも納得しないだろうからな)
ロイドはレルンブラエの裏路地で、商売をしている流れ者の娼婦がたむろするあたりで、良さげな娼婦のふたりに声をかけた。
「ふたりでこれから一緒に遊んでもらえないか?」
金貨の入った小袋の中身をロイドは見せてふたりの娼婦を誘った。
「がんばってくれたら、この中身を全部くれてやってもいいぞ」
「話が早い客は嫌いじゃないよ」
「どこに行くの?」
宿屋の部屋には空きがあった。
姉妹だというふたりの娼婦は、暗がりではわからなかったが、年齢も近い姉と妹で、髪型がちがうが顔立ちや身体つきは似ていた。背中あたりまで髪があるのが姉で、肩にかからないぐらいに短くしているのが妹。あえぎ声まで似ていた。
手下たちは姉妹だとロイドに聞かされ、1階の部屋にぞろぞろと向かった。今度は、やりたいだけ姉妹に出しまくっていいと言われて納得した。
「マーサ、生きてるか?」
ベッドでうつ伏せになってぐったりと返事もないマーサの身体を、濡れた布で拭いてやりながらロイドは声をかけた。
「もう無理……やめて……」
目を閉じたまま、うわごとのようにマーサがつぶやく。ロイドに身体を拭かれているのもよくわかっていないようだ。
ロイドはメイドのマーサを仰向けにしてさらに身体を拭いてやった。
何人まで相手にしたのかはわからないが疲れ切っている様子である。
(今夜は5発目だけど、ここはふんばりどころだな)
姉妹の娼婦に1発ずつ膣内にロイドは射精したので、すでに輪姦させる前にマーサから話を聞き出すために2発射精して4発。今夜、あと何発出せるかわからないが、マーサを今夜のうちに手なずけておく必要があった。
牡のリングごと逸物を軽く扱き、まだ勃起するのをロイドは確認すると、疲れ切って眠っているマーサの両脚を開き、マーサの蹂躙された牝の花に、逸物の先端を当てがった。
マーサが快感で眠りから目を覚まし、ロイドが見下ろしているのに気がついた。
ロイドが強引に唇を奪う。
「んっ……むぐっ……んんっ……ふはっ、んああっ、はひぃ、あぁん!」
「マーサ、他の奴らより俺のほうがいいんだろう?」
「ロイド、いいっ、あぁん、私、おかしくなっちゃうっ、ひぁっ、あぅん!」
「マーサ、ジャクリーヌ婦人をさっきの連中に犯させていじめて泣かせてやる。協力しろっ!」
「はひぃ、んあっ、イクッ、ロイド、あぁっ、ロイド、んはあぁぁっ!」
「くっ、ああっ!」
マーサが眠り混んでいるうちに膣奥へ1発射精して、さらに続けて犯している。マーサの膣洞が、ロイドの2発目の熱いほとばしりを搾り取ろうとうねるように締めつけてくる。
マーサはもう蕩けきった陶酔とさらに蹂躙されている快感が混ざり合い、何度もロイドの名を呼び、絶頂しながら溺れている。
ロイドはマーサに俺の虜になれと強く思いながら2発目、今夜は6発目になる射精を、背をのけ反らして絶頂しているマーサにしがみつきなからぶちまけた。
こうして、酒場娘のミーナに続き、メイドのマーサ、路上の娼婦の姉妹リュシーとリータが、3人の女性たちがロイド窃盗団の一味に加わった。
メイドのマーサは美少年ヨハンネスの心中自殺を隠すために、殺人の罪をかぶせられて処刑される運命が変わった。
路地の娼婦の姉妹リュシーとリータは、やり逃げする客に刃物で胸や腹部をめった刺しにされて死ぬ運命が変わった。
リヒター伯爵領の子爵リーフェンシュタールが不本意ながらも、伴侶のヘレーネの助言に従いロイドを逃がした。死ぬ運命から脱したロイドはベルツ伯爵領で悪事を働きながらも、ブラウエル伯爵領へ戻ってきた。さらにストラウク伯爵領でザイフェルトやフリーデが見えない力に覚醒したことで、因縁のあるジャクリーヌ婦人やブラウエル伯爵の運命も、また変わろうとしている。
ブラウエル伯爵が自領から留守の間に、美少年の子爵ヨハンネスがミーナと心中自殺する運命が変わった。
ロンダール伯爵は「僕の可愛い妹たち」が占い遊びをした結果をながめて、妹たちの頭を撫でてほめていた。
妹たちが自室から立ち去ると、首をかしげながら、奴隷商人のニルスとエイミーにブラウエル伯爵領へ行くように指示した手紙を書いた。メイドのアナベルはロンダール伯爵に頼まれて手紙をドレチの村へ届けた。
「僕の可愛い妹たち」に女領主シャンリーについて占わせた。ロンダール伯爵自身で占わないのは、占った結果シャンリーが凶運にとらわれていたら、占ったロンダール伯爵自身も凶運に巻き込まれるからであった。
「僕の可愛い妹たち」が凶運に巻き込まれたとしても、ロンダール伯爵とアナベルで王都の貴族のルーク男爵に呪詛をかけ「僕の可愛い妹たち」の身代わりとして、凶運の影響をかぶせてやれば問題ない。
ザイフェルトとフリーデの厄払いは、何人もの死の運命を変えながら始まっているのだった。