強姦者ロイド-7
ロイドは、ブラウエル伯爵領のレルンブラエの街に向かうまでに、村人の女性たちを強姦して、金や食料を奪って逃げる盗賊になっていた。
夫が夕方まで畑仕事で昼間は留守にしている家や、両親が買い出しなど用事で家を数日空けているあいだ留守番をしている小娘に押し入った。
留守の家を狙い侵入してみると、人妻や留守番の小娘とはちあわせてしまった。騒いで逃げ出しだり、夫に泣きついてロイドに制裁を加えさせたりしないように快感で堕落するまで犯した。
人妻の中には、ロイドが射精して満足すれば強姦しないで、必要な物を奪って逃げると思う者もいた。
脅しても服を脱がない人妻や処女の小娘に猛った逸物を咥えさせるのは、ロイドを興奮させる行為だった。
もちろん、そのあとで強姦する。1度強姦しないで見逃してやったら、夕方に畑仕事から戻った農夫がロイドを村人たちと協力して探しまわったことがあった。
酒場の主人に村の情報を集めるためにチップをかなり渡しておいたおかげで、酒場の主人が教えてくれて、村人たちに捕まる前に逃げることができた。
ロイドは、フリーデ婦人もかけひきしてくるだろうと思っていた。
ひどく青ざめて震えているが、泣き叫んだりしない。
ローザは、純潔の処女のまま贄にされるために、両性具有の秘術を施されることや、不浄の肛門を使われた。
牡のリングを装着した男性に射精されると、強い快感に襲われる。ローザの肛門に挿入した修行の協力者は、手や口で奉仕させ、最後だけはローザの腸内にたっぷりと射精する。
リーフェンシュタールは、肛門がぬるぬるとして、出された粘液が勝手にこぼれてくる感触を鮮明に思い出していた。
「……貴方は私のお尻を犯すつもりなのですか?」
「驚いたな、尻の穴を犯されるのが貴族の女の嗜みなのか?」
女伯爵シャンリーやジャクリーヌ婦人から、肛門を犯すように命じられた苦い記憶がロイドの頭の中にによぎった。
(肛門を犯した女は、ろくな奴がいなかった。それにすごく後で疲れるからな)
股間の牝の花や口を犯した女性が、ロイドに対して甘えてきたり、媚を売るようになるのに、肛門を犯して絶頂しても、態度が変わらないのをロイドは経験済みだった。ターレン王国の法では、貴族の女性を強姦して孕ませると重罪で処刑される。それを知っているロイドは、孕ませることのない肛門の交わりを貴婦人たちに求められて応じたのだった。
「ダメだ、尻の穴なんて、臭せえ穴なんかに俺の大事なものを突っ込めるはずがねぇだろうが!」
ロイドがそう叫び、怯えて男性の姿に戻れないほど混乱しているリーフェンシュタールの服を脱がせにかかった。
「ちょっと、私の伴侶に手を出そうなんで、許されると思っているのかしら。呪われているくせに」
シャッと飛びかかってきたレチェにロイドは顔面をひっかかれた。驚いて、下半身丸出しのまま、驚いて馬車から転がり落ちる。
「ああ、リーフェンシュタール、情けない。もう遠い昔の記憶で怖がるのは止めなさい。私たちは今を生きているのよ」
ヘレーネが、青ざめ震えているリーフェンシュタールを抱きしめて、そっと囁きながら、髪を優しく撫でた。
まだ這いつくばっているロイドの鼻先に騎乗の剣士の馬の蹄が落ちてきた。
ロイドは逆光でよく見えない人影と馬の姿を見上げていた。
カルヴィーノは、ヘレーネに言われ急いで、彼女とレチェ馬の後ろに乗せて駆けつけたのだった。
(なんだこいつは。なんで尻を丸出しで見上げているんだ?)
カルヴィーノは困惑しながらも、怪しい不審者から目を離さない。
「カルヴィーノ、目の前の無礼者を捕らえよ!」
馬車の中から前世のローザの声で、リーフェンシュタールが叫んだ声が響く。
カルヴィーノが馬から飛び降りると同時に抜刀し、ロイドが気絶する打撃を後頭部へ振り下ろした。
叫んだ声の調子から、よっぽとリーフェンシュタールの逆鱗にふれることをしたに違いないとカルヴィーノは思った。
(で、リーフェンシュタール……俺は、この丸出し野郎をどうしろと? う〜ん、なんか、こいつをさわりたくないな)
馬車から降りてきたレチェが気絶したロイドに近づいていくのを、続いて降りてきたヘレーネが抱きかかえた。
「レチェ、あんなところについた物を舐めたりしたら、カルヴィーノに舌を切り落としてもらうわよ」
「うにゅ、うにゅ、にゃぅ〜」
レチェは文句を言うようにヘレーネに鳴いていた。ひっかいて餌をやっつけたのにおあずけですか、と言いたげなのは、ヘレーネにもわかった。
以前に邸宅へ持ち込まれた呪物の骨よりも、ロイドの勃起した逸物にへばりついたリングのほうが、ヘレーネには悪趣味すぎて、気持ち悪いと感じた。
リーフェンシュタールがロイドから強姦される運命を、ヘレーネは阻止した。
怯えきったリーフェンシュタールをロイドは犯そうとした。逸物の先端が牝の花にふれた直後、股間の激痛から、ロイドは馬車から転げ落ち、地面に転げまわっている姿が視えたのである。
牡のリングは、男性を相手に使用されると、装着された逸物に激痛が走る。
「おかえり〜、あれっ、みんな、どうしたの?」
宿屋に戻ってきた3人がとても険しい表情をしていたので、シナエルは首をかしげた。
「シナエル、シュレーゲルは来た?」
「うん、伯爵様に話があるって。カル君とヘレーネがあわてて出て行ったちょっとあとぐらいに、帰ってきたよ。伯爵様のお屋敷にいると思うけど」
下半身丸出しのまま気絶しているロイドを、カルヴィーノは牢屋にぶちこんでおくように指示して、街の衛兵に引き渡した。衛兵も、下半身丸出しで捕らえられてくる者はめずらしいので、あきれて驚いていた。
「酔って全裸で路上で寝ていた者はおりましたが。これは、めずらしいですな」
「そうだな。油断しないで見張っておいてくれ」