シャンリーの謀略-2
這いつくばったシャンリーに挿入したランベールは、シャンリーの腰のくびれをつかんで、夢中で快感に溺れて腰を動かしている。
息を乱して、全身に汗を吹き出しながら気持ち良さそうな声を上げている。
この瞬間だけは、王だろうが、奴隷だろうが、なにも変わらない。
シャンリーは、目を閉じて、自分が蛇神のナイフで腹を裂かれている姿や、人間ではない野獣のようなガルドに犯されているのを思い浮かべて、欲情して、声を上げる。
「あぁっ、もっと激しく、んあっ……はぁん、んんっ……出してっ、このまま、やらしい私の中に、あぁっ、いいっ、気持ちいいっ……あぁっ、んっ、んああぁっ!」
ランベールが射精すると、シャンリーもその快感に引き込まれてしまったように達してしまった。
ランベールがシャンリーから身を離す。
シャンリーの秘裂がひくひくと痙攣してランベールの出した白濁の粘液を、奥から、どぷっと吐き出した。
「あぁっ、んっ……はぁ、はぁ、はぁ……」
シャンリーが、甘美な余韻に腰をくねらせている。
ランベールは射精したばかりだが、シャンリーの淫らな姿に目を奪われている。
シャンリーがゆっくりと体の向きを変えて、ランベールに抱きつくと、甘えるようにキスをしてくる。
ランベールは目を閉じて、シャンリーの背中を撫でながら、舌を絡める。
もしも、後宮にいる他の王妃候補の女性たちが、この痴態を見ていたら、シャンリーに嫉妬するにちがいない。
ランベールは、一夜に一度しか他の王妃候補の女性には射精しない。
膣内に出してもらえるなら、まだ良いほうで、前戯で咥えているうちにランベールが射精してしまい、そのままただ添い寝をするように命じられることもある。
シャンリーからすれば、途中でかなり休憩しながら、かなり密談している時間は長いので、ランベールが、何度か射精できてもおかしくはない。
ガルドが欲情して貪るようにシャンリーを犯す時の勢いにくらべたら、ランベールはかなりおとなしいと思う。
シャンリーがもっと霊視したり、亡霊と交感できる巫女の素質が強い者なら、ランベールのそばには、メイド姿のアーニャの亡霊が、恨めしそうに立っているのに、すぐに気がついたはずである。
ランベールは、後宮の他の王妃候補を抱く時、ふと、濡れ衣をきせて殺したアーニャのことを思い出してしまう。
だが、ランベールは、なぜかシャンリーを抱いているときだけは、アーニャのことを忘れられる。
アーニャは、ランベールのことを心から慕っていた。王となったら、アーニャを後宮に迎えてくれるという約束を信じきっていた。
だから、恨みは深い。
しかし、未練もある。
ランベールが父王に対してどれだけ認められたいと本当は思っていたか、アーニャは気づいていた。
だから、アーニャを利用して、ランベールに王位簒奪させたシャンリーに対しての憎しみが強い。
王宮の侍女として、ランベールを愛してはいけないのに、愛してしまったことをアーニャは亡霊となっても申し訳ないと思っていた。
ランベールがアーニャを利用して処刑させたあとも、心にひっかかっていて、ランベールなりにアーニャを愛してくれていたことを、アーニャは亡霊となって実感した。
後宮にいる王妃候補たちは、ランベールの王家の者として生まれた苦しみを知ろうともしない。そんな女性たちが、王妃としてランベールの近くにても、ランベールにとっては重荷でしかないと、アーニャの亡霊は思う。
だから、アーニャの亡霊は他の王妃候補を抱くランベールに囁き続ける。
私のことを忘れないで、と。
アーニャの亡霊は、ランベールのことを火炙りにされたにも関わらず、まだ愛し続けていた。
シャンリーを殺してしまいたい。
それは嫉妬よりも、ランベールの心の葛藤につけこんで利用している悪女に対する怒りであった。
ランベールは、シャンリーに殺されてしまうかもしれない。
それはシャンリーにつけこまれたランベールが、選ぶ行動によって導かれてしまうできごとであって、アーニャの亡霊にはどうすることもできない。
人は、誰でも、自分が望んだ生き方しかすることができない。
アーニャは、愛と豊穣の女神ラーナを信仰していた。
自分を、自分の愛する人を、敵を、世界のありようを、許し、愛しなさい。
その祈りの意味をアーニャは亡霊になって理解した。
そうしなければ、死んでも、心がずっと苦しい。
アーニャの亡霊が、怒りをこらえきれずに、シャンリーを恨めしそうに睨みつけている。
シャンリーが、妖しい微笑を浮かべ、ランベールも股間のものを淫らに卑猥な音をさせながら、咥え始めた。
アーニャの亡霊が自分もあんな風にランベールに奉仕していたのかと思い、悲しくなって、目の前の二人には聞こえない悲鳴を上げて、泣いていた。
「ん、ふぅ……ん、……じゅる……ちゅ……んん……じゅぷ………」
シャンリーが口いっぱいにランベールのものを頬張り、頭を前後させる。
熱い舌がランベールの肉棒の裏筋を舐めていく。
ランベールの背筋を快感が這い上がっていく、自然と腰が震える。
ランベールがシャンリーの美しい双乳に手をのばす。大きな肉球をこねるように揉み、敏感な乳首を指先で軽く挟み、こする。
ランベールの股間で揺れるシャンリーのしなやかでつややかな髪を梳るように撫で、耳たぶや、首筋をくすぐるように手を這わせる。
「んっ! じゅるっ、ちゅ、んっ、んふっ、ん、じゅるるっ……ちゅぷ、ちゅぱ、んっ、んぷっ……」
シャンリーはより激しく、頭を前後に揺らす。刺激が一気に強まった。
「ああ、シャンリー、もう限界だ」
シャンリーの口内に勢いよく白濁がほとばしる。シャンリーは咥えたまま離さずに、目を閉じて受け止め、喉を小さく鳴らし、嚥下していく。