飯塚冴子/オイルマッサージ店で犯されて-10
「どっちが……いい?」
冴子は狡猾そうな笑みを浮かべる。
乱暴に挿入したお前のせいだよ、と言わんばかりに。
「阪井さん。ナカに出したい?」
「は、ぁ……そん、な……」
うねうねと、わざと収縮を繰り返すそこに、阪井の腰が動き出してしまいそうだった。
「ふふ、こういうのがいいの…?」
ぎゅうっ、と冴子は阪井の気持ちいいところに合わせて、ナカを締め付けていく。
「えっ、なっ…?!う、わっ……」
「ナカに出したら、今後もあたしとヤレちゃう権利付き。だけどお店には来ない。外に出してくれたら、お店には通い続ける」
究極の選択だった。
客に手を出したのかと問い詰められ、仕事を失う可能性だってある。だがーーー
「ーーな、ナカ…に、出したい……出したいですっ……」
自由自在に冴子がナカを締め付けるから、阪井のそれは今にも暴発してしまいそうだった。
冴子は耳元で囁く。
「ふふ、いいよ。阪井さんのせーし、ナカに頂戴……その代わり、今度はちゃんと最後までマッサージしてね?」
最後まで、阪井は言葉を聞いていなかった。
ずぷっ、ずぷっ、と結合部から卑猥な音が聞こえ、ぬるぬるとしたそこは阪井のペニスを幾度も奥まで油送する。
「はぁ、んっんっ、激しいよぉっ……気持ちいいっ、あぁっ、こんな場所で犯されちゃってるっ」
「やば、い……超気持ちいい……」
「阪井さんの腰の動き、エッチなんだから……」
阪井は我慢できずに、冴子の腰を両手でホールドして、激しく腰を打ち付ける。そうしながら、唇を吸った。
どくんっ……
阪井の体液が冴子の体内に吐き出される。
冴子はなるべく奥にその体液を吐き出させるかのように、阪井の臀部に脚を絡みつかせ、体を抱きしめた。
*
冴子はシャワーを浴び終えて、ドアを開けた。
そこには下を向いた阪井がもじもじと、何か言いたそうに待っていた。
「す、すみませんでした…。お代の方は要りませんので…」
メンバーズカードを両手で差し出しながら阪井は言う。
「全く……当然です。避妊せずに無理やり客に挿入とか有り得ないですから、本当に」
阪井はメンバーズカードを差し出したまま、下を向いてぐっと唇を噛む。
今までなら絶対ありえなかったことだった。二人きりだというこの空間で、魔がさしてしまった。そうとしか、言いようがなかった。
「そのメンバーズカード、上げる。もう来ないし。あたしのメールアドレス、書いてあるんじゃない?」
「え……」
阪井は顔を上げる。
「約束は、守りますよ」
阪井の頬に、冴子はキスをする。
そして手のひらをふって「気が向いたら連絡してね」と言い残して、玄関の方へ向かっていった。