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ある熟女の日々
【熟女/人妻 官能小説】

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モーテルができたら-2

 「あたし、モーテル建てたらすっごく儲かるような気がするわ、百合子センセみたいなのがいっぱいおるやろしな。アオカンするよりは屋根のある方がいいってもんやわね」

 真由美がいたずらっぽく…というよりは下卑たような笑いを浮かべます。
 なんだかよろずやのオバサンに似ている…と思いながらこちらも愛想笑いで応えます。

 百合子先生の「アオカン」を下の姉と目撃してから3年くらいになりますが、そのときの相手だった阿部という教師はすぐによその学校へ転勤になりました。

 真由美によれば、転勤になったのは将来有望な阿部の行く末を案じた校長が、百合子と引き離すためだということでした。下の姉と私が見たことは誰にも喋ったことはありませんでしたが、真由美も知っているのですから、ほかの人が目撃するくらいに同じようなことをしていたのかな、と思ったりもしていました。

 真由美からは、百合子に関する噂話はほかにもいろいろ聞きました。阿部が転勤してからも男を替えて相変わらず「アオカン」しているとか、学生時代には居酒屋でバイトしていて客に売春まがいのことをしていたとか、ミスコンテストに応募して審査員とねんごろになって準ミスにしてもらったとか…。本当かどうかわからないような話もあって、誰かが勝手に面白おかしく作り話をしていたのかもしれません。

 わたしにとっては、確かに「アオカン」はしていたのは見てしまったけど、石鹸の匂いのする優しい先生という印象が強いだけに、こんなにまで噂話を立てられている百合子を不憫に思ってもいました。

 「それにしても、せっかくあんなベッピンなのに、男をとっかえひっかえしてるなんてなぁ」。

 近くにほかの乗客もいないことをいいことに真由美の下世話な話は止まりません。根拠もはっきりしない噂話を信じているようです。

 「せっかくモーテルを建てても、外でシてるばっかりでウチには来ないかもしれんなぁ」

 空想を巡らせて高揚している真由美を見ていたずら心が芽生えてしまいました。

 「ところで…『アオカン』とか『モーテル』って何なの?」

 真由美が固まっています。ポカンと開けた口からはよだれが垂れてきそうです。

 「…あんた、わかってんのと違うの?…」

 思いきり狼狽している真由美を見て何だか悪いことをしたような気がしてきました。

 「…そんなことより、あの先生だってもうそろそろ転勤になるんじゃないの? あたしたちが入学する前からいるでしょ」
 「ほっ、それもそうやね。アンタやっぱり頭ええなぁ。今度勉強教えて?。あたしまぐれで合格(うかった)んはいいけど、はっきり言ってなんもかんもさっぱりわかってないのよ」

 モーテルの話題は呆気なく終わったようです。

 「ええわよ、今度いっしょに勉強しよ」

 校舎が別の真由美と別れて、自分の教室に向かいます。

 台風で潰れた小屋を思い浮かべながら(○子ねえちゃんはモーテルが建ったらよろずやの兄ちゃんと行くのかなぁ…)と想像します。


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