玉子焼きリターンズ-3
数十分後〜
「なんかゴメン成宮さん…。情けなさすぎるね、俺。」
バツが悪そうな顔。目の回りがちょっと赤くなっている。
「全然良いよ。悲しかったら泣く!これが1番。」
「そっか。ありがと。じゃあ俺そろそろ帰るよ。」
「あ、ちょっと待って!!」
「ん?」
「その…良かったらアドレスと番号を教えてくれたらなぁ…なんて思っちゃったりしちゃって…。」
うまく笑えたかなぁ?心臓バックバクで聞いてるんだけど…。
「うん。良いよー。よろしく!」
「マジ!?ありがとう!」
「じゃあねー。」
「また明日ね♪」
そうして鷹端くんは帰っていった。
「ふぅ…。」
携帯のディスプレイに写された『鷹端:滄』という文字を見て思わず顔がニヤける。
「カッコ良かったな…。」
あの大雨の中にいた時の顔。女顔とか言われてる割には男っぽかった。
「……寝よ。」
もう夜10時だし、明日も講義がある。
…寝なきゃ。
時は変わり夜3時。
「うぅ…寝れない…。」
目を閉じれば鷹端くんが出て来て、
見る度に全身が心臓みたいになって
胸が苦しくなる。
「ひとめぼれってヤツ?」
「………。」
独り言言ったって何も始まらない…か。
午前3時だし、友達にメールするのも迷惑そうだし。あぁ、暇だ。眠いのに。
「あした、告白しようかな…。」
気が着いたら即・行動。これが私。
ましてや一目惚れだし…、後悔するのはイヤだし…。あぁ、でもフラれたらどうしよ…?でもなぁ、付き合ったら幸せなんだろうなぁ。あぁ…胸がバクバクするぅ…。
一人悶絶する此華さん。